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Date: Tue, 27 Jul 1999 22:05:10 +0900
Subject: 風疹抗体価について
******の**でお願いします。 現在30才。
第2子を懐妊しており妊娠15週めです。
初期の血液検査で風疹の抗体価が高いと言われました。(512倍)
ここ数カ月以内に風疹の症状は考えられず、妊娠4-5週目に軽いのど風邪をひいた程度です。(発熱なし)
第1子妊娠の際の検査の価は64倍でした。
産院の先生には、第一子検査時の価は、既に風疹の抗体を持っているという結果なので、
今回の価はまあ高いけれども胎児に影響はないでしょう、と言われましたが心配です。
実母に確認しましたが、子供のころ風疹にかかったことがあるかどうか、
もしくは予防接種を受けたかどうかは定かでないそうです。
自分なりに調べた結果、価が256倍以上であれば、最近感染したことになるということでした。
抗体を持っていても、感染することなどあるのでしょうか?
また症状が出ないのに感染している可能性もあるのでしょうか?
再感染した場合の胎児への影響はどのくらいあるものなのでしょうか
よろしくお願いいたします。
Date: Tue, 27 Jul 1999 22:05:12 +0900慎重に考える必要があるケースと思います。
第一子検査時の64倍から今回512倍になっているとのことですね。 抗体価が4倍以上になっているということは もともと抗体価が高いとしても、その間に再感染による再活性化も否定はできません。
しかし、それが現在の妊娠中に起こった可能性は、期間から考えてかなり低いので はないでしょうか。
風疹の抗体価のIgM(アイジーエム)というのを測定すると参考になることがあります。 ごく最近風疹に罹った場合はこれが高く出るからです。一度測定してもらえるかどうかお尋ねになってはいかがでしょう。
再感染のことですが、
確かに一度風疹に罹った方がもう一度、すなわち再感染を起こしそのために困っ
た結果になった例も報告されています。ですから抗体を持っていても再度感染す
ることはあります。
また、症状の有無は過信してはいけません。というのは、知らないうちに風疹に罹って
しまっているということはしばしばあることだからです。
メールを拝見する限りいつ再感染されたかもはっきりしませんので胎児への影響 がある可能性はほんのわずかのように考えます。
しかし、この判断は万が一のことを考えますと
インターネットのメール相談で断定するべきものではありません。
事実確認その他しっかりとした根拠のもとで判断する必要があるからです。
最終的には現在かかっておられる先生と充分にお話し合いの上、特に奇形児発生の可能性に
ついて医学的データを説明していただき納得のいくまでお話を伺っておく必要があります。
私がメールを拝見するだけの断片的情報からの判断では奇形児出産の可能性は一般の方 々の出産の場合とほとんど変わりは無いのではと考えます。 そういう意味でご心配なく出産されるのが良いように思います。
お元気な赤ちゃんを楽しみにしております。
どのような結果になりましても是非ご連絡は下さるようお願い致します。
お忙しい中、早速のお返事どうもありがとうございました。
あれからもう少し記憶をたどって整理してみました。
結果、妊娠6週目に採血したものの結果が、風疹の抗体価256倍でした。
そしてご相談いたしました512倍というのは、10週目時の採血の結果でした。
ちなみに弟1子妊娠初期の検査結果(64倍)は、ちょうど3年前のものです。
最初の価、256倍も決して低い価ではありませんが、その病院では256倍までは「正
常値」として処理することになっており、その時点で特に再検査などをうながす価
ではないそうです。
私は病院を替えたため、たまたま1ヶ月後に再検査したことになり、その時の価
512倍は、256倍と比べても4倍以下なので、その間の感染は考えられないというこ
とでした。
さらに256倍という価が出たさらに1ヶ月前となると、卵子の分裂が始まったかどう
か、という時期で、もしも風疹の初期感染のような事情があった場合、妊娠事態が
成立しない可能性が高いのではないか、という風に言われました。
現在15週で、胎児の大きさや心音、超音波所見は極めて正常かつ順調であるという
ことで、風疹に関しては神経質に心配することはない、それでもどうしても心配が
あるのなら、胎児の臍帯血検査(羊水尖針と同様の検査)によって胎児の感染の有
無も調べることは可能だと言われました。
そして、今となっては(時間がたってしまっているので)あまり意味が無いかもし
れないが、という前置き付きで風疹の抗体価の再検査と、IgM価の検査を勧めていた
だき、その結果を1週間後に待つことにいたしました。
その間に夫ともよく話し合い、覚悟を決めたいと思っています。
お忙しいとは思いましたが、自分でもまだ整理がつかない気持ちを持っており、更
に事情を聞いていただきたく筆をとって(?)しまいました。
***は2-3日中に******させていただきます。
私は今回妊娠発覚後、一度病院を替えたので、最初に診ていただいていた病院でも
初期血液検査をしたまま結果を聞きにいかずにいたのを思いだしました。今さらで
はありますが、事情を説明して血液検査の結果だけいただきに行ってきました。
ご迷惑でなければ、経過もご報告させてください。
****の***でお願い致します。
日本にいる親から**させて頂きます。
30代の女性です。数年前からワシントンDCにすんでおります。高校生のころか ら、5、6、年に一度ぐらいの割合で外陰部にかなりひどい潰瘍ができ、悩んで います。
今までにいろいろな医院で、(主に関西の病院)ヘルペスの検査、ベー チェットも簡単な検査をしたように記憶しているのですが、その際には陰性とい うことでした。
でも、自分でいろいろ調べているうちに、やはりこれはベーチェ ットでは?と思うようになりました。最初は、小さい傷かおできのようなものき っかけになって、それが数日のうちに潰瘍になります。(口内炎も子供のころか らよくできます。)ただ、注射、点滴の際に、針反応のようなものにはなったこ とがないと思います。米国でビザの関係でHIV検査も受けさせられたのですが、 陰性でした。
今も、外陰部に1センチ強の潰瘍があります。年明けから、二回目です。
年明けにあったものは、仕事、家庭内のストレス、日本への強行旅行、大雪の中
を歩かなければならなかった(DCで3年振りの大雪が降り、バスが止まってしま
ったのです)等、いろいろ悪条件が「これでもか!」というほど重なり、10円
玉大の、深さも5ミリはある、今までで一番ひどいものができました。排尿時の
痛みも激しいものでした。でも、どうしても仕事が休めず、這うような思いで仕
事をしているうちに、(それでも3カ月くらいかかりました)だんだんと治って
いきました。
今あるものは、2週間ほど前に、本当に小さな傷のようなものに気が付いたのが 始まりです。今は、直径が1センチ半ぐらいあります。痛みもありますが、今の ところは深さがあまりないせいか、それほどでもないです。日本にいた時にリン デロンをもらっていたので、それをうすく塗っていますが、よくなっているよう には思えません。親が送ってきてくれたプロポリスも4カ月ぐらい飲んでいま す。黄蓮解毒湯という漢方薬も、炎症によい、ということなので飲んでいます。 5年前のときより、大きいものができていますが、以前のような、小さくても深 さがあって、ピリピリ焼けるような痛みはではなくて、もっと表面的な痛みが、 尿がつくと時々あります。潰瘍の中心部よりも、縁のほうに赤みと痛みがありま す。
これはやはりベーチェット病なのでしょうか?
ベーチェット病以外にも、例えば細菌などで、このような病症を起こすものはあ るのでしょうか?
検査をしようと思うのですが、日本でするか、アメリカでするか、悩んでいま す。ベーチェット病の患者数は、アジア、中でも日本が一番多いというように聞 いています。日本の方が、この分野に関しては、より経験があり治療法も進んで いるのでしょうか?アメリカは使う薬品が強いというイメージもあり、言葉の問 題もあるので、日本の病院でしたほうがいいような気がしているのですが、日本 でも、アメリカでも(できればDCの近くにあれば一番なのですが)、この分野に 強いよい病院をお教え頂けないでしょうか?
また、検査をする場合は、タイミングが問題になるのでしょうか?病症が出てい る時でなくては検査できないのでしょうか?費用もかかるというように聞いてい るので心配です・・・。
御忙しいところ、お時間を割いて頂き本当に有難うございます。盛夏の折、先生 方も くれぐれも御自愛くださいませ。
外国での特別な症状でさぞご心配のことと思います。
ご質問の順に従いまして以下お答えさせていただきます。
ご指摘のようにご自身で本などをお調べになった結果の「Behcet(ベーチェッ
ト)病」の可能性も確かにあります。
外陰部の潰瘍がみられる疾患としてはまず性器ヘルペスを考える必要があります
がこれは多発性で小水疱(みずぶくれ)がみられることがあり、口腔内アフタは
通常伴いません。再発するタイプもあります。
若年女性に「外陰潰瘍」と「口腔内アフタ」がみられる病気としては「Lips chutz潰瘍」というのもあります。
メールですのでドイツ語のウルラルトを打てませんが「Lipschutz潰瘍」 の「u」の上に点を2つ付けます。
「Lipschutz潰瘍」という病気はベーチェット病と同様原因が不明で若 年女性の外陰部に突然深い潰瘍が出現します。潰瘍が深いのがこの病気の特徴と されていますのでご質問者の症状とはややくいちがうかもしれません。 単純ヘルペスというウイルス感染による外陰部の病気とは違って性行為などの感 染の機会なしに発症するのも特徴のひとつです。数日間高熱が続くこともありま す。
「Lipschutz潰瘍」の外陰部潰瘍は単発性のこともあり、左右対称的に
できることもあります。
ベーチェット病と同様に「口腔内アフタ」を以前から経験していることもあり、
場合によっては外陰部潰瘍とほぼ同時に出現することもあります。
ベーチェット病の亜型とも考えられています。
「Lipschutz潰瘍」の場合、血液検査でCRP(シーアールピー)とい
う全身の炎症を示す検査が強く陽性に出るのが特徴です。
次に、「ベーチェット病」ですが、これはシルクロード沿いの国に多く日本も多
発国のひとつです。ちなみにベーチェットさんはトルコのお医者さんの名前です。
1991年の調査ですが「ベーチェット病」の患者数は日本国内では18300
人で男性にやや多く徐々に増えつつあります。罹病率では15000人に1人と
もいわれます。
しかし、アメリカでも全く無いわけではなく研究も随分と進んでいます。ワシン
トンDCでしたら専門家もいらっしゃると思います。
日本では聖マリアンナ医科大学の皮膚科溝口昌子教授が最近は「ベーチェット病」
について良く名前が知られています。あまり気にしてはいけませんが女性ですの
で受診しやすいかもしれません。
ワシントンDCで日本語を話せる医師としてはジョージ・ワシントン大学医学校
ご卒業のノリコ・サカイ・ハンターさんがいらっしゃいます。
電話は703−444−3345です。一般内科と婦人科をご専門とされておら
れるので今回の場合ご相談にのっていただけると思います。簡単な診察だけでし
たら100ドルくらいで診てもらえるとのことですが確かめてください。
ご質問者は既に数年間アメリカにいらっしゃるので英語がご担当でしたらワシン
トンDCでしたらベーチェット病の専門医もいると思いますのでご紹介願っても
良いでしょう。
検査については針反応は陰性のようですね。潰瘍の生検で診断を確定しておくと 気持ちの区切りもついて良いかもしれません。組織の一部を取り出して顕微鏡な どで検査をするのです。もちろん潰瘍があるときにしか出来ません。
この他にHLA−B51の検査も大変参考になります。一般の日本人では16% しか陽性に出ませんがベーチェット病の人では50%が陽性に出ます。
いずれの検査も詳しい値段は知りませんが自費でやると日本でもアメリカでもか なり高額になります。日本の保険を使うのがやはり一番安いのでしょう。
長期の病気ですのでご帰国の折をみて溝口先生を受診されるのが良いかもしれま せん。聖マリアンナ医科大学附属病院は電話044−977−8111ですので 溝口教授の初診診察日などを電話で確かめて行かれると良いでしょう。 お知り合いの先生に紹介状を書いてもらうと他の医者に回される可能性が少なく なります。
疲労、ストレスなどで増悪しますので極力避けるようにすることが重要です。是非ともお大事になさって下さい。
To: 足立憲昭
こちらの気持ちを配慮してくださったお答えを頂き、本当にありがとうございま
す。 お教え頂いたサカイ・ハンター先生にも電話をかけてみたのですが、少し家
から遠かったこともあり、他にもいろいろ考えて、主人(アメリカ人)にもっと
協力してもらいやすいようにすることにしました。 今までは、夫婦とはいえ恥ず
かしくて、病気のことをあまり詳しく説明していなかったのですが、これではい
かん、と思って、これからは、通訳兼マネージャーになってもらうことにしまし
た。サカイ・ハンター先生も卒業されたジョージ・ワシントン大学に、ドクター
紹介サービス というのがあることがわかり、そこに電話をかけ、主人が私の病
状を説明したところ、家から近い所にある産婦人科を紹介されました。そこは同
大学卒の先生が5人いる産婦人科だそうです。明日行くことになっています。
有難いことに、母が今までの病気の経歴を記録していてくれたので、それをファ
ックスしてもらい、今日これからそれを翻訳します。生検をするらしいので、細
胞を採った後の傷が深い潰瘍になったらいやだなあとか、いろいろ不安ですが、
主人に手伝ってもらってがんばって行ってきます。
日本に帰ることも考えたのですが、今飛行機に乗ると、また歩けないくらいひど
くなる(飛行機で長時間座っているとなぜかとても悪化するのです)と思い、ま
ずこちらでお医者さんに行ってみる方を選びましたが、帰国する際には、ぜひ聖
マリアンヌ医科大学付属病院に伺いたいと思っています。
貴重なお時間を割いていろいろと調べてくださり、本当にありがとうございま
す。明日一体どうなるかわかりませんが、またご報告させて頂きます。
そちらはもう梅雨は明けたのでしょうか?前回、こちらが猛烈に暑かったため、
つい「盛夏の折」と書いてしまい、失礼しました。先生方も御自愛くださいま
せ。
To: "DR.Adachi"
お元気でいらっしゃいますか。梅雨はもうそろそろ明けたのでしょうか。
近況報告いたします。
先週行った産婦人科では、DNAなどいろいろな検査をしましたが、結局すべて陰
性と出た、と連絡がありました。(日本と違い先生から直接電話を頂いたのでび
っくりしました。)
またご報告させて頂きます。
近日中に日本の親のほうから**させて頂きます。
先生方もお元気で よい夏をお過ごしください。
Date: Thu, 15 Jul 1999 12:13:05 -0400
Date: Thu, 22 Jul 1999 09:51:54 -0400
Subject: No subject was specified.
やはりベーチェットかもということで、その先生の知り合い
の皮膚科の先生を紹介されました。
他の自己免疫系統の病気の可能性もまだある
ので、それも調べてみるという話です。明日行ってきます。
もしベーチェットだ
となった場合、治療法は、アメリカと日本で違うのかな?漢方薬などは治療に使
えないのかな?(長期の病気なら、私としてはできるだけ副作用の少ないものを
使いたいと思うので)とか、まだその病気とわかったわけでもないのに、いろい
ろな「?」が頭に浮かびます。とりあえずは行ってみて、その先生と話してみま
す。(漢方のことはわからないと思いますが...)
****の**でお願いします。
お願いします。
1.31歳 女 既婚 出産・・10年12月17日 子・・・総肺静脈環流異常 左室低形成にて 11年1月27日死亡。
2.現在、妊娠をすぐにでも希望してます。
3.相談は、11年2月位から下着に血のような小さい点々としたものが付く。
婦人科で診てもらったが異常なし。 おりものが出ているときに一緒にででいる。ほぼ毎日ついています。 病院では異常なしと言われていますが、心配で、心配でたまりません。
原因は、なんでしょうか。子宮か卵巣かどこに異常があるのでしょうか。 妊娠は可能でしょうか。毛じらみなんでしょうか。 右の腹部がしくしくしたり、張ったような感じは何か関係があるのでしょうか。 心配で、心配で、たまりません。どうかよろしくお願い致します。
下着に点状の汚紅褐色斑が散在す病気としてご指摘のように「毛じらみ」があり ます。
結構多い病気で毛を詳しく診ないと分かりにくいことも多いです。
もしもそうだとすれば子宮や卵巣にも影響無く妊娠も可能です。
他に外陰炎、膣炎でもあり得ます。
老人にみられる萎縮性膣炎ではごくわずかに出血がみられることもありますがそ
の他のものでは出血は稀です。
白色のヨーグルトのような酒の粕(かす)のような帯下がみられるときはカンジ
ダというカビによるものが考えられます。
淡い黄色で泡を伴うようなときはトリコモナスという原虫(ゾウリムシのような もの)が原因のときがあります。いずれも出血はまれです。
これらの病気も妊娠前に治しておきさえすれば問題ありません。
いずれにしても簡単な顕微鏡検査などが必要でご自分では判断は難しいと思いま す。婦人科で分からなければ泌尿器科もしくは別の産婦人科で診てもらわれるこ とをお勧めします。
To: 足立憲昭 (fe4n-adc@asahi-net.or.jp)
先生こんばんわ。以前相談したものです。
長い間不安に思っていたことが解決出来て、ほっとしています。
ありがとうございました。
**なんですが、来月上旬には必ず**します。
よろしくお願いします。
Date: Sat, 17 Jul 1999 23:04:31 +0900
Subject: Re: 病気個別相談のお答え
「毛じらみ」と言われて、早速婦人科で診察してもらいました所、
やはりそうでした。
少しでもお役に立てて嬉しく思います。
ご報告どうもありがとうございました。
****の***でお願いします
私は26才の男性です。
以前から耳鼻科の先生より慢性扁桃腺炎と診
断されています。
3週間前に風邪をひいてから、のどの違和感(痛みはあまりな
い)とあごの奥の重い感じと首筋から肩にかけての(時々上腕まで)筋肉痛のよ
うな感じがとれません。
発熱はありません。
これはやはり慢性扁桃腺炎によるも のでしょうか?
医者から抗生物質をもらって飲んでいますがあまりかわりありま せん。慢性化すると抗生物質はあまり効かないと聞きました。扁桃腺にはいつも 小さな膿(まるでにきびみたいに)がついています。時々この膿がこれもにきび を潰した時のように出てきて嫌な匂いがします。これらの症状以外には熱が出る わけでもなく、特に自分で困ることもないのですが、慢性扁桃腺炎の症状、治療 法についてお教え下さい。(手術はよほどのことがない限りしない方がいいとも いわれました。)
「慢性扁桃腺炎」(または「慢性扁桃炎」とも言います)の原因は大概は「急性 扁桃炎」の後遺症によります。ご質問者のように若い方によくみられます。
タバコ、粉塵などの空気の汚れも関係しているとも言われています。 また、鼻で呼吸すべきところを口で呼吸してしまう癖のある人にも見られます。 「後鼻漏」と言って鼻の奥からのどへ分泌物が流れやすい人にも多いとも考えら れています。
「慢性扁桃炎」の症状としては通常「軽い咽頭痛、違和感」、「口臭」、「頭痛」、 「倦怠感(だるい、しんどい感じ)」、「肩こり」、「食欲不振」などが多いで すがご質問者のように「のどの違和感」、「顎の奥の重い感じ」、「首筋から肩 や上腕にかけての筋肉痛」などもみられます。
ですからご質問者の症状は、もしも診察の結果、耳鼻科的にも整形外科的にも (「変形性頸椎症」や肩のあたりの病気など)他の病気が見つからなければ「慢 性扁桃炎」によるものが考えやすいです。
「にきびみたいに膿がついて時々出てくる」のは口蓋扁桃の「陰窩膿栓(いんか のうせん)」でしょう。口蓋扁桃炎のうちでも「陰窩性(いんかせい)扁桃炎」 という種類の病気で主にみられます。
治療法で注意をしなければいけないのは「病巣感染(びょうそうかんせん)」で す。扁桃炎がからだの他の場所の病気の原因となっていることがあり、そう言う 状態を「病巣感染」と言います。
「病巣感染」としては子供の場合は心臓、腎臓の病気が主ですが、
成人の場合は「IgA腎症」、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」、
「胸肋鎖骨過形成症(きょうろくさこつかけいせいしょう)」などの病気の原因
になることがあります。
尿に蛋白や血液が混じっていないか、手のひらや足のひらにできものができない
か、首の下、胸の前の骨に出っ張りが出ないかなどは気をつけてみておいておか
れると良いです。ご質問者の場合はそのような記載がありませんので多分大丈夫
とは思いますがもしも心当たりがあれば必ず主治医に申し出るようにしましょう。
「病巣感染」について詳しくは「扁桃誘発試験」や「打ち消し試験」などの諸検
査で判定してもらえます。血液検査を行い参考にすることもあります。
扁桃が大きすぎてご飯が食べることが難しかったり、息もしにくかったりと言う 場合はもちろんですが「病巣感染」と考えられる場合も手術を積極的に考慮すべ きです。
昔は扁桃を取ると免疫力が弱くなるのではと考えられた時代もありましたが今は そのようなことは余り言われません。腕の良い耳鼻科医に手術をしてもらえば安 全ですし、ほとんど後遺症は無いとされています。実際、私の患者さんでも優秀 な耳鼻科専門医にご紹介をして手術をしてもらってくる人も多いです。皆さん経 過は順調です。
「病巣感染」が無く、発熱など扁桃炎の強い症状が年に3回以下の場合は患者さ んの状況などで総合的に判断をしますが手術をしないで様子をみることが多いで す。
扁桃炎の原因となる過食、疲労、睡眠不足、気候の変化、寒冷に気を付け、人ご みを避けるようにします。
水道水や塩水でもよろしいが、イソジンガーグルやハチアズレというお薬を使っ
てのうがいでかなりすっきりして気持ちの良いものです。
耳鼻科ではレーダー吸引管というもを使って先ほど述べた膿栓を吸い出してくれ
るところもあります。
ご質問者も書かれていましたが抗生物質入りのトローチなどしょっちゅう舐めて いると「菌交代現象」と言って抗生物質に抵抗力を持った細菌が勢力を持ってし まいいざ急性炎症を起こしたときに抗生物質が効きにくくなることがあります。 ですから抗生物質の使用は信頼できる医師に相談されてからが安全です。
薬としては慢性期の扁桃炎では抗生物質よりもダーゼンなどの消炎酵素剤を内服 して様子をみます。
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