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(平成11年6月22日最新版)


「後腹膜嚢腫」と言われましたが

足立 憲昭 様

文字化け大変失礼致しました。 再度送付致します。

「000の000で」お願いいたします。

自分の病気をもっとはっきり把握したいと思いメールさせて頂きました。

生年月日 : 昭和00年00月00日生 00歳 女 独身
過去3度の手術経験があります。

1回目:平成3年1月  胆嚢炎で急性肝炎になり黄疸症状が出て結局 胆嚢を切除
2回目:平成7年10月 卵巣のう種で10■程の癒着があり左右両方 の卵巣を部分切除
3回目:平成10年1月 後腹膜のう種で9■程の液体状のものができ ており開腹して切除
(2回目と同病院)
という具合です。

3回目の時は最初、卵巣のう種と診断され開腹したところ後腹膜のう種とい うことが判りました。 今年の1月以来、2回目3回目の手術を行った病院(ちなみに婦人科で す。)で3ヶ月に 1度の超音波検査を受けてきましたが、8月の検査で再び8〜9■程の液体 状のものが できているのが判りました。現在それは12■位になっているそうです。 (00月頭に手術予定です。) 担当のお医者様に原因をお聞きしましたが、現在の医学ではまだ判らないと おっしゃていました。

私が知りたいのは

1.前回(H00.0)手術後、1年もたっていないのにのう種が できるものなのか。
2.腹膜にのう種ができるのに本当に原因がわからないのか。
3.今回手術した後、また再発する可能性はないのか。
4.日常生活で何か気をつけないといけないことはないか。
5.仕事がここ2〜3年かなりハード(平均12〜13時間/日) なので      そういった事も関係あるのか。 等です。 仕事の忙しさで自律神経失調症のようになり、現在神経安定剤や緊張を ほぐす薬、 睡眠薬等を服用しています。そういった精神面の影響もあるのでしょうか? 本などをいろいろと調べてみましたが腹膜についてはほとんどと言ってよい ほど記述が ありません。

お忙しいとは思いますが、アドバイスお願い致します。

(98/ 9/12 13:56 ***県 Qさん)

(98/9/13)

「後腹膜」という[のは腹部(いわゆる「おなか」)の背中側のあたりで 膵臓、腎臓、副腎のほか生殖器などがある部位を指します。

「後腹膜嚢腫」ということですからそこにできた液体の入った良性の袋のようなものを言います。

膵臓、腎臓、腹膜、卵巣などに出来た嚢腫はそれぞれ 臓器の名前を付けて「膵臓嚢腫」などと呼びますので 今回あなたが言われたのは、これらの臓器と直接関係しない 純粋な意味での「後腹膜嚢腫」という意味だったのかもしれません。

一般に普通の「後腹膜嚢腫」が卵巣嚢腫のあとに再発することはめずらしいことですので どういうことなのか首をかしげてしまいます。

まずは今までの手術のときに摘出された標本の病理所見はいかがだったのでしょうか。 単純な嚢胞や嚢腫がそうたびたび繰り返すことはめずらしいのでそのあたりからも検討が必要です。

卵巣と関係しており繰り返しているとなれば「腹膜偽粘液腫」とか「腹膜中皮腫」など ではなかったということも確認しておくと安心です。

手術のときに目で見た状況は大切ですが、正式な病気の診断は手術のときに 取ってきた組織の所見を顕微鏡その他で病理学的に検討してなされるわけです。
そのきちっとした病理診断というのは専門の病理の医師が所見を書きそのコピーが カルテなどに添付されているはずです。

手術だけをしてそういう病理診断をしていないなどという病院は今時ほとんどありませんので 主治医の先生に「病理診断」についても同じ結果であったことを ご確認されておかれてはいかがでしょうか。

原因をお尋ねになって「現在の医学では未だわからない」とのお答えだったようですが
原因よりもむしろ 「今後繰り返す病気なのかどうか」、「悪性の可能性についてはどうか」、 「今後合併症が起こる可能性はどうなのか」などということの方があなたにとってはより重要なのではないでしょうか。
これらのことを是非お尋ねになっておかれるようお勧めします。

今時の良心的な医師であれば自分の受け持ち患者さんの病気に関しては 予後(この病気を持っている人が今後どのような状態になるのか)について 詳しくお話して下さるはずです。
そういったしっかりとした話をするためにも先ほどご説明した「病理診断」がもとになるのです。
もしも主治医の先生がご自分でご経験がなくあなたが初めてのケースであるというような 珍しい病気であれば教科書や文献に書かれてあることをもとに 「一般にはこういうことが考えられています」とか 「文献的にはこのような報告が多いです」ということを お話して下さるはずです。

あなたの仕事がハードだから「後腹膜嚢腫」を繰り返すなどと いうことはまず考えられません。

診断などが正確にされており単純な「後腹膜嚢腫」でしたら 再発を繰り返すことは少ないです。 そのあたりをご担当の先生にしっかりとご確認の上で 必要ならば手術を受けられて、安心してご自分のお仕事、生活に専念なさるようお勧め致します。

足立先生 

昨日 「後腹膜のう種」 で質問させて頂きました 000です。 お忙しい中、早々にお返事いただきまして本当にありがとうございました。 病気と仕事が関係ないと判り少し安心しました。
足立先生のお話をもとに主治医の先生にいろいろとおたずねして みようと思います。

ところでお00の件ですが、今週中(9/18まで)に000で させていただきたいと思っております。もし不都合があれば ご一報下さいませ。
本当にありがとうございました。

PS:最初の送信の時、住所が化けてしまっていました。すみません。    ちなみに ***県00市在住です。


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