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(平成11年7月11日最新版)


頭痛で困っています

以前に質問させていただきました。いろいろ参考にさせていただいています。ベー チェット病で質問しましてお返事を頂き帝京大学の先生を教えていただきました。大 変良い先生を教えていただき本当にありがとうございました。

以前の病院では痛風と診断されていて5年以上病院へ通い、ようやく本当の病名が はっきりしたところでした。
帝京大学病院で以前の病院の薬を見せたところ、治療とは全く関係のない薬を渡され ていた事が分かりましたし、治療方法・検査方法も以前とはまったく異なり、安心し て見ていただくことができています。
症状も良い方向に向かっているようです。今では完治を目標にしています。

------質問------

私の母(現在49歳)当時42歳に更年期と診断されました。
中学生の頃より頭痛があり、更年期になってからかなりひどくなりました。
職業は自営業。父が4年前に肝硬変で亡くなりその後任をしています。
顔色も普段から悪く、暑くても汗をかかず、極端の冷え性でもあります。

症状:頭痛の始まりは目の奥から。傷みは、ずんずんでもなく絞られるようでもなく 説明できないような痛み。決まって左側(左側頭部)。顔のむくみ、嘔吐、飲食する と嘔吐の繰り返し。朝方、痛みによる前兆(この時まだごく軽い症状)。熱は6度7 分くらい。平熱は6度5分前後。
薬:エキセドリンを規定量服用している。ただ、食事・水分共に何もとっていませ ん。
頭痛の間隔:月に5回くらい。頻繁なときは1日おきくらいに。

頭痛の解説をHP上で見ました。治療方法があると書いてありましたが、薬のみでの治 療方法ですか。原因は何なのか全く分からないので、原因を突き止めたいと思ってい ます。髄膜炎の可能性も考えられるとありましたが、それはどのような検査でしょう か。

病院へ行くと更年期と決めつけられてしまい、あまり詳しく検査などしてもらえませ ん。病院を選びたいと思っていますので、近くに頭痛に詳しい先生はいますか?頭痛 の完治はあり得ないのでしょうか?
埼玉県***市在住なのでこの近辺で先生がいれば良いのですが・・・

長くなってしまい大変に申し訳ございません。お忙しいところすみませんが、お返事 の方宜しく御願い致します。
尚、**の際には下記の名でしますので、確認の方を御願いします。

ベーチェット病についてのご報告ご丁寧にどうもありがとうございました。
どうぞお大事になさってください。

早速ですが今回のご質問お答えします。

頭痛は単純なようでいて種類も多く実は大変に厄介な病気です。

日本人に一番多く単に「肩こり」などと関連し、簡単な病気とされている「緊張 型頭痛」であってもなかなかその頭痛を治すのに苦労することがあります。

お母様の場合まずはいろいろと検査をしておかれると安心です。

まれではありますが「脳腫瘍」や「動脈瘤」が頭痛の原因になっていることもあ ります。頭部CTやMRIを念のために撮ってもらっておかれると良いでしょう。 大きな公立病院よりもむしろ脳外科のある私立の中小病院の方が待ち日数も少な く気軽に撮ってくれることが多いです。

「目の奥から」痛む場合は「緑内障」の検査もしておかれると安心です。 「緑内障」というのは昔は「あおそこひ」と言いましたが眼圧(眼球の中の液体 の圧力)が高くなって頭痛や目の痛みで始まり場合によっては視力も低下する眼 科の病気です。眼科で眼圧を測ってもらうなどの診察を受けておかれると安心で す。

吐き気を伴う慢性の頭痛としてはやはり「偏頭痛」がありますが「緑内障」でも 吐き気があることがあります。

頭痛の治療には頭痛の種類によって随分と違いますのでまずは正確な診断が必要 です。偏頭痛の場合は「酒石酸エルゴタミン」など特効薬があります。

髄膜炎は普通は急性に起こってくる病気ですのでお母様の場合は考えにくいと思 います。診断には「腰椎穿刺(ルンバール)」と言って背中から脊髄の水を抜く 検査を行います。

埼玉県でしたら埼玉医科大学附属病院(0492−76−1111)の神経内科 で「頭痛」に力を入れていますので相談されると良いかもしれません。
「頭痛」についての診察希望であることを告げて何曜日に受信すれば良いかお電 話でお尋ねの上受診されると良いでしょう。

On Fri, 28 May 1999 11:55:13 +0900


夜中に息苦しくなります

On Mon, 17 May 1999 10:44:58 +0900

年齢 3*才 男 身長173CM 体重71kg 職業 プログラマー

「*****の**でお願いします」

昨年、9月か10月頃より、内臓が下に引っ張られる感じがした後 に、息苦しさ(呼吸するのに努力を要する)が出始めました。

特に時間や行動を問わ ずその症状は出ます。その頃大変仕事が忙しく、夜中までの残業をこなしており、そ のストレスとも考えました。
しかし、度々起こる為、病院の内科にかかり、心電図、 肺機能、耳鼻科の検査を受けましたが、異常は見つからず、診断名もありませんでし た。

出張もあり、出張先での夜にも苦しさの為、救急病院にもかかりましたが、その 度の心電図、血液検査の異常はありませんでした。最初、症状が出始めた時は本人も 不安とあせりで、血圧や脈拍数が上がったりしましたが、今は落ち着いて対処できる のでその様な事はありません。

症状をもう少し詳しく言いますと、息苦しさと共に、 鼻の奥が詰まる時もあり、それに対して市販の点鼻薬は効果があります。共に、痰が 絡まりますが、量は多くありません。色はきれいです。時々、嘔気を感じる事もあり ます。私達は仕事が楽になれば無くなるだろうと思い、最初の受診から様子を見てい ましたがそれは、忙しくなくなっても変わらず、回数は増えてきています。

今は、日 に2回から3回起きます。日が経過すると本人もどうにかして軽減させようとして、 いろいろ試しているようで、今は、体幹、首筋を揉むと凝っている感じがして(肩が 凝っているのを揉むと気持ちいいように)少しはいいようです。その苦しさは長い時 で2時間、短い時で30分位続きます。消失した後はまた普通に生活しています。

最近 もう一度耳鼻科にかかりましたが、あまりいい感じの対応はしてもらえず、特に検査 は異常なしです。

コンピューター関係で大変ストレスがかかる仕事も関係しているか とも思いますが、こう度々息苦しさや不調が続くと、本人、家族とも不安を抱えてし まいます。

今は何処かの病院にかかって原因を見つけたいと思いますが、いったい何 科にかかっていいものか、どういう方向から原因を探していいものか、またこのよう な病気があるものか全く見当がつかず、困っています。

その他、本人の身体の事 は、小学生に頃よりアトピー症状(全身)があり、検査をして特にアレルギーは見つ からず、多少のハウスダストと言われました。現在、アルメタ軟膏を使っています。 夜眠っていてもポリポリ掻く状態、覚醒時も何処かしらよく掻いています。歯科治療 中。坐骨神経痛あります。両親とも高血圧あります。子供の頃帯状包疹をしていま す。

ずらずらと書いてしまい、とても分かり難い文章になってしまったのをお詫び します。

インターネットでここを見つけ「ここだ・・・」と思いました。どうかいい アドバイスをお願いします。パソコンを始めて日も浅く、不慣れなことでご迷惑をお かけして失礼しました。今回もちゃんと届くかどうかとても心配です。

先生の御返事 が早くて驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。先生もお体にお気を付けください。

呼吸という生命に関ることだけに大変ご心配のこととお察し申し上げます。

「息苦しさとともに、鼻の奥が詰まる時もあり」とかなり場所が特定されてお り、しかも「点鼻薬は効果がある」とのことですのでどうも気持ちだけの、気 のせいの病気では無いように思います。

最も可能性が高いのは鼻の奥の「アレルギー」や単純な「炎症」です。

この場合は規則正しい生活、具体的にはアルコールの多量摂取や煙草などを控 えて生野菜なども入れた質素な食生活をして日頃からうがいを励行するなどの 注意をするだけで随分と良くなります。車の排気ガスなどから遠ざかるなどの 注意も有効でしょう。

しかし、最も気になるのは「喉頭浮腫」です。

アレルギーや炎症、場合によっては遺伝的に「C1インヒビター」という物質 が不足して起こることもあります。日本にはこの遺伝的なものは少ないのです がアレルギーや炎症、その他原因不明のものは結構みられます。

ご質問者の場合、アトピーがあるとのことですのでアレルギーと関係している 可能性もあります。

「喉頭浮腫」の場合、呼吸が急にできなくなりとっさの処置により命を取り留 めることが多いです。

しかし、稀ではありますが場合によっては命にかかわることもあり、用心に越 したことはありません。
信頼のできる大きな病院の特に耳鼻科の主治医を決めておかれることをお勧め します。「どのような夜中でも救急車で来院して下さい」とはっきり言って下 さるドクターを探して決めておかれることが大切です。

アドバイスありがとうございました。 咽頭浮腫というあまり聴きなれない言葉で 不安を感じておりますが、一度専門的な病院で みてもらおうかとも思います。 これをきっかけに、主人も喫煙を止めてくれればとも思っています。



「リンパ球性間質性肺炎」と言われましたが

足立憲昭 先生

はじめまして。ホームページ上からご相談の依頼をしました*****です。

突然のメールで失礼致します。あまりに珍しい病気とのことで情報がなく、途 方に暮れながら、わらにもすがる思いでインターネット上を検索したところ、先 生のホームページを見つけました。

閉鎖的と言われる日本の医療現場において、 このような活動をしておられる先生に大変感銘致しました。

私は28歳主婦です。昨年4月ごろ地区の健康診断を受けたところ、胸部X線に異 常(右下肺葉)がみられたため、病院にて精密検査を受けました。2カ月程経過を 見たところ、陰影が大きくなったため(直径で2-3cmから5cm程度の拡大であった ように記憶しています)、急きょ検査入院となり(昨年7月末)、気管支鏡検査を2 度受けました。1回目は患部の表面の組織を採取しましたが、特に問題となる結 果が得られませんでした。そのため2回目にやや深部にいたる組織を採取し、そ の結果「リンパ球性間質性肺炎の可能性を念頭に置く必要があると思われます。 今後の病変の広がりに留意して下さい。」との診断を受けました。
その際の病理組織学的診断は以下の通りです。

Interstitial fibrosis
No malignancy seen

Section of the lung biopsy specimen shows mild thickening of alveolar septi and Infiltration of foamy macrophages In the alveolar space.
Lymphoid folliclular formation Is occasionally observed.
No neoplastic evidences are noted.

なお血液検査、たん検査、ツ反においては有為所見はないとのことでした。ま た、私自身に自覚症状は全くありませんでした。外科手術を含めて、治療方針が 検討されたようですが、最終的にはプレドニゾロンを服用して様子を見ることに なり、8/20より1日30mgを2週間服用したところ、陰影に改善が見られたため、 徐々に量を減らし、17.5mgになったところで(9/19)で退院。その後、外来で経過 を見ながら薬の量を減らし、2/12で服用を終わりました。その2週間後の検査で は変化が見られなかったので安心しておりましたが、2ヶ月半後の5/14のCT検査 では、病変が広がっており(X線検査ではわからない程度でしたが)再度プレドニ ゾロン5mgを服用するように言われました。

主治医の先生はとても良心的で入院時より私の疑問にも時間を割いてよく聞い て下さるのですが、あまり症例がないためか、ほどんどの疑問に対して「わから ない」という答えが返って来てしまいます。プレドニゾンは一度のみはじめます と長い期間やめられない薬と認識しておりますので、今回、再び飲み始める前に 自分の中で病気を少しでも理解し、納得した上で病気に立ち向かいたいと思って います。

そこで以下の点についてお伺いしたいと思います。

1) 他の病気の可能性(アレルギーとの関連性) 私はもともとアレルギー体質(アトピー性皮膚炎、花粉症)なのですが、高校生 の頃から毎年4月末から5月初めにかけて必ずおこるアレルギーのような発作があ ります。まずおなかが痛くなり、下痢をして、ほぼ同時にせき、鼻水が出て、気 管がヒューヒューします。今年は4/16に起こったのですが、初めて嘔吐も加わり ました。ただし、この発作自体は30分位でおさまり、おさまるとケロッと何事も なかったかのように落ち着くのです。昨年陰影が拡大した前後にもこの発作があ り、また、今年の発作の時期は、陰影が拡大した期間と重なります。このような 発作で肺に異常が起こることもあるのでしょうか。あるいは、この発作とは関係 なく、アレルギーの反応によって肺に異常が生じる可能性はあるのでしょうか。

2) リンパ球性間質性肺炎とはいかなる病気なのか。 どういった定義のもとにこの病気だと診断されるのでしょうか。また、どの程 度深刻な病気なのでしょうか。

3) 他の治療法は? プレドニゾロン(ステロイド)服用により一時的には陰影の改善が見られたので すが、服用を中止すると再び広がってしまうのでは、一生プレドニゾロンを服用 しなければならないのか、という不安が残ります。 また近い将来、妊娠を希望していますので、薬の服用、CT検査や、X線検査の たびに浴びる放射線に関して私自身と子供への影響も心配です。 患部が小さいこともあるかもしれませんが、自覚症状が全くなく、また、5月 から7月までは陰影の広がりがみられたのですが、入院してから検査結果が出る までの1ヶ月間はほとんど変化がみられませんでした。 そこでこの場合、特に治療の必要がない、あるいは全く別の治療方法という選 択肢は考えられないのでしょうか。

4) 専門医は? 私のような症状・病気の専門医は関東圏に、あるいは日本にいらっしゃるので しょうか。

お忙しい中、無理なお願いばかりで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願 い致します。

メール拝見しました。 単純ではない病態のようでさぞご心配のこととお察し申し上げます。

以下にご質問項目に従いお答えしますのでご参考になさって下さい。

1)アレルギーの反応により肺に異常をきたすものとしては分かっているもの だけでも「花粉症」、「気管支喘息」、「過敏性肺臓炎」、「好酸球性肺炎」、 「アレルギー性肺血管炎(Churg-Strauss症候群)」などいろいろとあります。

アトピーと特に関係があるとされるのはアレルギーマーチとして「花粉症」、 「気管支喘息」などがありますが他の疾患もしっかりと鑑別する必要があるで しょう。

2)「リンパ球性間質性肺炎」は検査で得られた標本を顕微鏡で調べた結果出 てくる病名です。「シェーグレン症候群」など特殊な膠原病に多くみられるこ となどは知られていますがこの結果が出たから深刻な結果になると決め付ける ほどの検査結果ではありません。

3)もしもアレルギーが関与している(病気の原因に関係している)ものであ ればステロイドがとても効果があるでしょう。 ステロイドという薬はアトピーの場合は一度使い始めてしまうと中止するとき にリバウンドといって返って病状が悪くなる現象が知られています。 しかし、膠原病などでステロイドを使う場合はさっと投与してできるだけ早く 中止するように医師が気をつけていることが多いです。 だらだらと使用することは返って少ないです。

それから呼吸器の特に「気管支喘息」その他の気管支の病気の場合はステロイ ドの内服ではなくて吸入療法が進歩してきています。ステロイドの吸入療法は 内服療法とは違い副作用がとても少なく、慣れた先生の指導さえちゃんと受け ればとても安心です。

「全く別の治療方法という選択肢」としてステロイドの吸入療法は試してみる 価値は十分にあると思います。但し、これはかなり慣れた先生でないとうまく 行かないことが多いです。

4)東京医科歯科大学の吉澤靖之教授は「過敏性肺臓炎」にお詳しいですし、 都立広尾病院呼吸器科、慈恵医大附属第三病院内科第二呼吸器グループ、 国立国際医療センター呼吸器科などが関連領域で有名です。

そろそろ呼吸器の専門の医師に相談する時期かもしれません。


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(このページを始めたのは1996年6月 末からですが,この数字は10月8日午後5時からのカウントです。)

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