ニホンリス観察の手引き

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11. ニホンリスはどのように繁殖しますか?

リスの繁殖期間は、通常2月から8月と言われています。1頭のメスがオスを受け入れるのは、たった半日から1日くらいだけです。妊娠期間は40日ほどなので、2〜3月に交尾をして妊娠すると、3〜5月に出産します。時には、年に2回、春だけでなく秋にも出産する場合もあるようです。

1回の出産では、1〜5頭の子リスを生むようです。オスは、子育てにかかわるような行動はしないようで、オスとメスの生活圏(ホームレンジ)がピッタリ重なることはありません。子リスは、一定の大きさに育つまでは、母親と一緒に生活し、母親と一緒に動きまわって食物や危険への対応について学ぶようです。しかし子リスが生まれて半年ほどたつと、親とほぼ同じ姿となって、独立します。リスのホームレンジの大きさは、食物のなる樹木の量により変わると思われますが、巣から食物までの距離が、200〜300m、時には500m以上離れていると言われています(芝崎、1994)。

子リスの成長の様子

生まれたばかりの子リスは、体毛が全く生えていず、うすいピンク色の皮膚に覆われています。

生後1日生後2日生後18日生後40日
生後1日の仔リスの絵生後2日の仔リスの絵生後18日の仔リスの絵生後40日の仔リスの絵

リスの寿命

ニホンリスの寿命は、生息環境によって大きく異なりますが、意外と短く、約3年〜5年と言われています。食物が豊富で、カラス、タカ、ネコなどの天敵が少なければ、長生きできることもありますが、逆の場合では、長寿を全うすることは困難になります。

最近では、道路を横切る際に、交通事故にあって死亡する事例も増えています。リスが安全に道路を横断できるように、道路上で街路樹が交差する「緑の橋」などが必用と思われます。


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