ニホンリス観察の手引き
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10. ニホンリスはどのように木に登ったり降りたりしますか?
ニホンリスや他の樹上性のリスの、前足や後足、爪を観察すると、樹木の上で生活するのに相応しい形をしていることがわかります(図11)。ニホンリスの前足の指は、親指にあたる部分が退化して4本しかなく、物をつかむというより、はさむという感じです。幹の上では丈夫な爪で体を支えます。そのため太い幹を木の上から下に逆さまになっておりてくることができます。東谷山や森林公園の、頻繁に利用する樹木や給餌台には、この4本の爪の跡がはっきりと残っています。
また後足の裏(人の足の裏の長さ)が極めて長いことに気付きます。樹上で十分に足を踏ん張ることができ、また後ろ足で立ち上がることなどは、みなこの足指の骨が長いことによると思われます。
ニホンリス |
体重:220-320g |
頭胴長:18-22cm |
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尾長:15-17cm |
後足長:4.8-5.5cm |
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シマリス |
体重:90-100g |
頭胴長:12-14cm |
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尾長:11-12cm |
後足長:3.3-3.8cm |
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図11 ニホンリスとシマリスの前後足の形態と足跡(子安、1994)
図12 東谷山の給餌台の床板の爪痕
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