ニホンリス観察の手引き

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5. ニホンリスはどんなものを食べていますか?

ニホンリスは、自然界にある季節季節のいろいろな食物を食べて生きています。何を食べているか調査した報告があります(加藤、1985)。下のグラフにあるように、オニグルミ、アカマツのマツボックリ、ハルニレ、ヤマグワの実、アケビ、ツノハシバミなどが食物となっています。

東谷山や森林公園、小幡緑地では、アカマツのマツボックリのなかにある直径1〜2mmの小さな脂肪に富んだ種子、オニグルミ、ヤマモモ、ツブラジイ、スダジイ、クリ、ソヨゴ等の果実や花などが食物となっているのが確認されています。長野や岐阜では、オニグルミのまだ果肉の付いた黄緑色の実がブドウの房のように木にぶら下がっているのを、リスが齧り取って、食べていたり運んでいるのが目撃されています。マツボックリ、オニグルミの他に、花の蜜や花弁、柔らかい木の芽、葉っぱを食べたり、齧って樹液をなめたりします。これらの植物性の食物だけでなく、カマキリのタマゴ、セミの幼虫等、動物性の食物も食べられています。

図7: 月ごとのニホンリスの食物の変化のグラフ

図7 軽井沢のニホンリスの食物の季節変化(加藤、1985より)


給餌台のオニグルミの消費の季節的変化

守山リス研究会では、東谷山で毎月ほぼ定期的にオニグルミを給餌し、その消費量を記録しています。その結果、季節により一定の変動があることがわかりました。春から夏の終わりまでは、自然界に木の芽、花、実が豊かになる時期です。この時期には、給餌されたオニグルミは食べられない傾向があります。栃木県の井頭公園や、千葉県の野田市清水公園でも、同様な傾向があると報告されています。今後もデータを継続して記録して、この傾向を確認しようと思います。


図8: 東谷山でのオニグルミ消費量の月変動のグラフ

図8 東谷山で与えたオニグルミの消費量の月変動


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