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1.京都はんなり暮し 2.孤鷹の天 3.満つる月の如し 4.日輪の賦 5.ふたり女房-京都鷹ヶ峰御薬園日録- 6.夢も定かに 7.関越えの夜 8.泣くな道真-大宰府の詩- 9.若冲 10.与楽の飯 |
師走の扶持、秋萩の散る、腐れ梅、火定、龍華記、落花、月人壮士、名残の花、稚児桜、駆け入りの寺 |
星落ちてなお、輝山、漆花ひとつ、恋ふらむ鳥は、吼えろ道真、天神さんが晴れなら、月ぞ流るる、のち更に咲く、赫夜(かぐよ) |
「京都はんなり暮し-京都人も知らない意外な話-」 ★★ | |
2015年09月
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好きな作家の著書・作品に未読のものがあるというのは、何となく気になるもの。 ここ3年、8月の京都旅行が恒例行事化して京都の街に親しみを感じるようになっていることもあり、恰好の案内書になるのではと思って読んでみた次第。 「茶漬けでもいかがどすか?」というセリフに象徴される京都人の近寄り難さを含め、京都生まれで京都育ちの澤田さんが、京都人の普通の視線から見た京都の街ならびに京都人気質を、非京都人にも分かりやすく紹介した案内書的な一冊。 その所為か、京都人は偉ぶっている?(苦笑)といったような反感を覚えることもなく、素直に澤田版案内を受け入れることが出来ました。また、四季を区切りながらの京都案内という構成もあり、京都の街を案内してもらっているような気分で、結構楽しめました次第。 ちょうど2015年09月に新装版が刊行。京都の街を好きになりつつある方に、本書はお薦めですよ。 ※なお、題名にある「はんなり」とは、京都言葉で「明るくて上品な」という意味だそうです。 |
2. | |
●「孤鷹(こよう)の天」● ★★☆ 中山義秀文学賞 |
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2013年09月
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8世紀後半の律令制国家の時代、大学寮で学び、優秀な官吏となって国の為に尽くそうと決意する学生たち、加えて型破りな学生たちの姿がまず描かれます。 しかし、仏教を狂信する阿倍上皇派と、儒教を基本とする大炊帝とその重臣=押勝派との間で激しい主導権争いが起こり、その争いは学生たちの熱い思いを翻弄していく、という本格的な歴史小説。 まず、時代設定が珍しい。これまで読んだことのなかった時代の青年たちの物語。
630頁と大部な一冊ですが、その期待から一気読み。 |
3. | |
●「満つる月の如し 仏師・定朝」● ★★☆ |
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2014年10月
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本ストーリィの舞台は平安朝、藤原道長の時代。 若き仏師=定朝(じょうちょう)と比叡山の青年僧=隆範の2人を中心とし、末法時代と言われた民の苦しむ世相を背景に実在の仏師の苦悩と昇華を描いた、歴史時代小説。 将来を嘱望される隆範は、道長が建立した寺に仏像が奉納される場で見かけた若き定朝の仏師としての才能に目を見張ります。 しかし、その定朝はどこか仏像を造ることを嫌がっているようだった。 定朝が抱える悩みとは、仏は実在するのか、苦しむ人々を本当に救う存在なのか。そして、仏が実在しないのであれば仏像を造ることに何の意味があるのか、ということ。 隆範とその従者=甘楽丸の言葉に感銘を受けた定朝は、心新たに仏師の道を歩み出し、若くして名声を高めますが、ついに隆範と袂を別つことになります。それは貴族階級出身の隆範と、所詮貴族たちから蔑まれる工人階級に過ぎない定朝との、根源的な溝だった。 そこから後の後半ストーリィこそ、真にドラマチック。 一時袂を別ったにしろ、真に仏の道、あるいは仏の姿を追い求めるという点で2人が同胞であることに変わりはない。再び2人の道が交わるまでの苦悩と昇華に、本作品の真価があります。 その2人の物語と並行し、時に交錯するようにして、道長の横やりにより皇太子の座を奪われ粗暴な振る舞いを続ける敦明親王、そんな親王の身を案じる母后=彰子、彰子に仕える藤原道雅、内侍の中務らの物語が展開されます。 いつまでも粗暴な振る舞いを辞めない敦明親王に、最後はどう対するか、あるいは最後までどう向き合うのか。この部分、観念的なところがある隆範と定朝のドラマと対照的に、それを具体的に表すかのようなドラマとなっています。 私も寺社建築、仏像は好きな方で、独身時代には奈良を中心にいろいろと観て回りました。それだけに、若き定朝の疑問と歩みには共感するところ大です。 歴史時代小説は多くあれど、仏という存在に真正面から向かい合った作品はそうあるものではありません。その点で本書、力作と言って間違いなし。仏像に興味がある方には、是非お薦めしたい一冊です。 ※なお、定朝の現存する確実な遺作は、宇治平等院の阿弥陀如来座像とのこと。また、表題の「満つる月の如し」とは、定朝の造った仏像を賞賛して言われた言葉だそうです。 |
4. | |
「日輪の賦」 ★★★ |
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2016年06月
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7世紀末、亡き夫=大海人大王の遺志を継ぎ、律令を整備し中央集権制を我が国に確立しようとする讃良大王(持統天皇)の孤軍奮闘する姿を描いた歴史長篇。 本書の主人公は、異父兄の事故死により新益京(藤原京)に上り舎人となった阿古志連廣手(あこしのむらじひろて)と、上記讃良大王の2人。 廣手、耀くばかりの都と思っていた新益京が、実は権力者の側にいる者たちは横暴・暴虐の限りを尽くし、下層の民たちはただ耐え忍んでいるのみという現実を知ります。その状況を正すためには何が必要なのか。 律令を整備し、上に立つ者も下民も皆が同じく法の定めに従う。そして他国の脅威に対抗するため、各地の豪族が好き勝手に振る舞うことを正し、中央集権国家制により国を統一する。 何故執拗に讃良大王は豪族たちとの権力争いを続けるのか。その理由を漸く廣手は京の現実を目にして知ることになります。 それから後、物語の主体となるのは讃良大王と、彼女の改革を支えて実現させようと奮闘する様々な階層の者たちの姿。 舎人と大王、2人の主人公を置くことによって、下からの目線と上からの目線により本物語は立体的に展開していきます。 元々私は数多くの寺社の中でも薬師寺が好きで。その建立に関わる天武天皇と持統天皇についても当然ながら関心大でしたので、持統天皇に関わるということだけでも惹きつけられました。 しかも、律令制の整備、中央集権国家建設という我が国の礎を築いた時代の物語となれば、歴史小説としても興味尽きません。 理想の国家建設を目指す若者たちの熱い想い、一方で自分たちの既得権を守るため頑迷な抵抗。そうした対立はいつの時代にもあるもの。それ故に本作品は、歴史ストーリィであると同時にどの時代にも通じる普遍性をもった物語と言えます。 歴史小説好きの方に、是非お薦めしたい傑作! ※困難な時代に女性の身で国を正しく導いたという点で英国のエリザベス一世と共通するものを感じますし、ちょうど観たばかりの映画「リンカーン」にも通じるところがありました。 |
5. | |
「ふたり女房-京都鷹ヶ峰御薬園日録-」 ★★ |
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2016年01月
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澤田さんとしては初めての江戸時代もの。 舞台は京都にある鷹ヶ峰御薬園。公儀の御薬園といえば代表格は小石川御薬園ですが、江戸小石川だけでなく他の地域にも設けられていたとのこと。鷹ヶ峰もその一つで、代々内裏御典医を務める藤林家が預かっている御薬園。 主人公は、3歳の時に母親と死別した後父親によって藤林家に預けられ、鷹ヶ峰御薬園で育った女薬師=元岡真葛(まくず)。 20代初めと若い女性ながら、その育った環境と養父となった藤林信太夫の配慮で著名な医師たちからも学び、薬草学だけでなく医術にも通じているという主人公像。 その真葛と現当主の藤林匡が偶々関わることとなった市中のミステリアスな事件に、真葛がその知識と経験を以て尽くしていく時代物連作短篇集。 そうした主人公のキャラクターの所為か、理知的な印象を受けるストーリィ。情はあるものの情に捉われず、一線を守っているところがあります。その一方で、薬草・医術に通じた主人公として、時には機敏かつ果敢に行動する、でも女性らしい優しさを損なうことはない。そんな姿が真葛に凛とした風情を与えていて、好感のもてる女性主人公です。 だからといって主人公のキャラクターにストーリィがおんぶすることなく、キャラクターの良さとストーリィの良さが琴瑟していて品格をもたらしている、そんな処が本作品の魅力です。 ※小石川御薬園を舞台にした作品に梶よう子「柿のへた」がありますが、主人公像の違いだけでなく、江戸と京都という舞台の違いによるところも大きいと感じます。 人待ちの冬/春愁悲仏/為朝さま御宿/ふたり女房/初雪の坂/粥杖打ち |
6. | |
「夢も定かに」 ★★☆ |
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2016年10月
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聖武天皇の御代、後宮で帝に仕える采女たちを主人公にした、平安版ワーキングウーマン物語。 平安時代を舞台にした時代小説というと諸田玲子「髭麻呂」を思い出しますが、同作品がユーモアミステリだったのに対し、本書は地方から都に出てきて采女として働く女性たちの姿を描いたという点で、歴史小説というよりお仕事小説という印象です。 といっても男尊女卑のうえに、後宮にいるからは宮廷貴族から想われて玉の輿にでも乗るしか立つ瀬がないという時代。お仕事小説、ワーキングウーマンと言っても、現代小説と同様にはいきません。 主人公は、劣等心を拭えないでいる若子に、仕事で立身を目指す笠女、恋多き春世という各々個性をもった同部屋采女の3人。 寮生活という雰囲気で最近読み終えたばかりの折原みと「乙女の翼」を思い浮かべますが、男性優先の世界で働く女性を描いているという点では北原亞以子「恋忘れ草」も連想します。 華やかな後宮といっても、畿内豪族出身の同僚=氏女たちには田舎者と蔑まれるし、職を辞してももはや実家に帰る場所はない。貴族と関係をもっても身分の低さからそう幸運を手に出来る訳でもないと、現代のワーキングウーマンより余程状況は厳しいようです。 最初の頃こそドジばかりという感じの若子でしたが、終盤ではいつのまにか精神的な逞しさをもった女性へと成長を遂げていて、時の権勢者=藤原房前に堂々と渡り合う場面は痛快という他ありません。 そんな若子たちの頑張りの末に現代・雇用均等法時代のワーキングウーマンがいると感じさせられ、澤田さんの力量に陶然とする思いです。 時代小説が苦手な女性読者にも、是非お薦め。 蛍の釵子(さいし)/錦の経巻/栗鼠の棲む庭/綵(あや)一端/藤影の猫/越ゆる馬柵(うませ)の/飯盛顚末記/姮娥孤栖(こうがこせい) |
7. | |
「関越えの夜-東海道浮世がたり-」 ★★☆ |
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2017年11月
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良いなァ、上手いなァ。若手作家なのに、何という上手さだろうか。北原亞以子さんのような円熟を感じさせる上手さとはまた異なり、若々しさを感じ取れるところがまた好い。 その所為かどうか、読み終えた後には、本書に登場した幼い少女や男の子たちの、貧しさに負けない健気な姿が力強く浮かび上がってきます。その点も特筆したい本作品の持ち味です。 収録12篇中、第一に上げたいのはやはり表題作「関越えの夜」。両親・兄弟と幼くして死別し、引き取られた叔母に酷使されながらも健気に働く10歳の少女おさきと、何故か箱根街道を往ったり来たりする少年とも青年ともつかぬ若い武士=主税が邂逅する物語。胸にずっと残りそうな篇です。 「やらずの雪」は底の深い物語、軽くやり過ごすことのできない篇です。 「なるみ屋の客」はクラシックな筋立てですが、胸の熱くなる清新な篇。また「二寸の傷」も同様に、運不運の双方を描いたストーリィですが、最後は幸せな気分に浸ることのできる篇。 そうしたハッピーな篇と対照的に「死神の松」は因果応報のストーリィですが、澤田さんの筆運びの何と達者なことか。それに増して驚かされたのは「恵比寿のくれた嫁御寮」、驚天動地とはこのことでしょうか。 「池田村川留噺」と「痛むか、与茂吉」は共にユーモラスな篇ですが、それだけでは決してない心地良さがあります。 「床の椿」は最後を締めくくるに相応しい篇、最後の最後まで上手い!と唸らされます。 ※なお、冒頭の篇「忠助の銭」に登場する忠助、彼が再登場する篇に乞うご期待!です。 東海道筋を舞台にした連作短篇集と一口に言っても、それぞれに趣向、味わいが異なり、絶賛する他ありません。お薦め! 忠助の銭/通夜の支度/やらずの雪/関越えの夜/死神の松/恵比寿のくれた嫁御寮/なるみ屋の客/池田村川留噺/痛むか、与茂吉/竹柱の先/二寸の傷/床の椿 |
8. | |
「泣くな道真-大宰府の詩(うた)-」 ★★ |
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澤田瞳子さん、私が近年注目し期待もしている時代小説作家ですが、王朝時代という時代小説においては稀な時代に着眼して頭角を現してきた(勿論作品自体も秀でているのですが)と思っていたのですが、さらに最近では江戸時代を舞台にした作品も刊行しているうえに今回はユーモラスな時代小説とあって、一体どこまで羽を広げていくのかと驚くばかりです。 本書は、右大臣にまで上り詰めながら大宰府に左遷(実質は配流)された菅原道真=あの“学問の神様(天神様)”を主役に据えたユーモア感溢れる王朝時代の北九州ローカル版歴史小説。 本書において語り手を務めるのは、婿養子の地元官人でやる気のないことから“うたたね殿”と仇名されている龍野保積、そして大宰府の実権者である養い親を頼って都からやって来た美貌の女流歌人=小野恬子(しずこ)の2人。本来の主役である菅原道真を傍から見る、という趣向でしょう。 大宰府に着任したばかりの道真は、左遷という衝撃かつ絶望感からまるで狂人の如し。確かに京の都と九州の一地方ではさぞ差も大きかったことでしょうが(その辺りは恬子もぽつり)、地元官人からすると何もそこまで絶望しなくたって、と思うところでしょう。 何とか道真の気持ちを落ち着けようとする保積と恬子の言葉から思わぬ展開が始まるのですが、そこから後がユーモラス。 怨霊と化したと言い伝えられる道真からは想像できない活躍ぶりに、ホッとすると同時に、愉快な気分にさせられます。 そう、左遷だって自分の気持ち次第では十分それを楽しむことができる、ということでしょうか。何やら現代サラリーマン社会にも通じるストーリィのように感じます。 菅原道真について知ることができ、さらに気軽に楽しむこともできる、そのうえ文庫書下ろし、とお買い得な一冊。お薦めです。 1.菅公流謫/2.倦み渡る世/3.寒早十首/4.花の色は/終章.西府鳴雷 |
9. | |
「若 冲(じゃくちゅう)」 ★★☆ 親鸞賞 |
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2017年04月
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江戸時代の京の都、奇才と言われた絵師=伊藤若冲の生涯を連作風に描いた歴史長編小説。 なお、今年はちょうど若冲生誕3百年なのだそうです。 伊藤若冲、私はその名前すら聞いたことがなかったのですが、同時代の絵師たちの中でも独特な存在であったらしい。本ストーリィを読んでいると、最初からその観が強い。 京の錦小路にあった青物問屋「枡屋」の4代目店主ながら絵に没頭した揚げ句、40歳の時に隠居して店の経営を弟たちに任せて絵を描くことに専念、絵師としての道を歩んでいく。 大店の隠居ということで生活の心配なく、絵師としては恵まれていたと思うところですが、幾度も壁にぶつかり、また苦しい思いをすることがあっても当然のこと。 それを章毎に一つ一つのドラマとして切り出し、メリハリを利かせているところが、本作品の魅力。それによって若冲という絵師の歩んだ道のり、絵師としての栄光と人間としての苦しみ、それ故の独自性を色鮮やかに描き出して見せたと感じます。 また、長編小説でありながらまるで連作短篇集であるかのような味わい。おかげで読み易く、かつ各章でのドラマはそれだけ鮮烈に若冲という絵師の独特な存在感を際立たせています。 この辺り、澤田さんの上手さと言う他ありません。 登場人物では、若冲と一対の光と影のような関係になる絵師の市川君圭こと弁蔵、若冲をその傍で客観的に見つめ続ける存在として異母妹の志乃を配しているところが効果的で、実にお見事。 読み終えた後も、若冲という絵師、その描いた絵がいつまでも頭を離れない気がします。 鳴鶴/芭蕉の夢/栗ふたつ/つくも神/雨月/まだら蓮/鳥獣楽土/日隠れ |
「与楽の飯-東大寺造仏所炊屋私記-」 ★★ | |
2018年06月
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8世紀、首天皇(聖武)天皇が発願した東大寺の大仏、その造仏作業の現場を舞台にした歴史時代小説。 同じく大仏の造仏作業を描いた作品といえば帚木蓬生「国銅」。同作が全国から集められて作業に従事した工人たちの視点から造仏事業を描いたのに対し、本作では造仏所の炊屋を中心舞台に据えてそこに集まった様々な作業人を描いているところから、江戸時代の長屋を舞台にした市井小説の様な雰囲気があります。 主人公は近江の国から仕丁(作業人)として徴用され造仏作業所にやってきた真盾。郷里に恋人がいるものの独身。 その真盾、早速に炊屋で食事にありついたところその美味さに驚愕、これなら労役にも従事し甲斐があると得心します。 その炊屋、作業場毎に設置されているようですが、公設ではなく認可制の私設食堂ということらしい。 他の炊屋に比べ群を抜いて美味いと評判のその炊屋の主人は、宮麻呂という人物。 その宮麻呂が皆に美味い食事を振る舞うその炊屋を舞台に、気の強い雇い娘の牟須女、仕丁頭の猪養を始めとし、造仏作業に関わる様々な人を描いた群像劇。 人が多く集まれば、当然ながら揉め事も事件も起こります。 とはいえ、上に立つ者が国家事業として大仏建立に熱心であるのに対し、下の者は食の方がはるかに大事という対照が面白い。 主人公の真盾、巨大な仏像を造る意味は本当にあるのか、仏は実在するのかと自答を繰り返しつつ、敬愛するようになった相手=宮麻呂とは一体何者なのか?という疑問を深めていきます。 この真盾は本ストーリィにおいて、行動者というより、読者と肩を並べてこの物語を眺める目撃者の立場でしょう。真盾にしばしば共感を抱くのはそれ故かと感じます。 単なる歴史群像劇に終えず、高僧の行基も登場させ、そもそも仏とは?と考察してみせた処に、澤田さんならではの読み応え、魅力があります。 山を削りて/与楽の飯/みちの奥/媼(おうな)の柿/巨仏の涙/一字一仏/鬼哭の花 |
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