|
12.言葉と礼節 13.天皇さんの涙 14.文士の好物 |
【作家歴】、米内光政、井上成美、志賀直哉、雪の進軍、七十の手習ひ、蛙の子は蛙の子、葭の髄から、酔生夢死か起死回生か。、春風落月、人やさき犬やさき |
●「大人の見識」● ★★ |
|
2008/02/28
|
ベストセラーになった(私は未読)藤原正彦「国家の品格」に続けとばかり、と言って良いでしょうか、題名も似通った「大人の見識」。 内容としては、上記2作等のエッセンスをまとめたもの、と言って良いでしょう。 なお、本書の中で始めて知り、感銘を受けたのは
131頁。 日本人の見識/英国人の見識/東洋の叡智、西洋の叡智/海軍の伝統/天皇の見識/ノブレス・オブリージュ/三つのインターナショナリズム/孔子の見識 |
●「言葉と礼節−阿川弘之座談集−」● ★★ |
|
2012年03月
2008/09/04
|
阿川弘之氏が繰り広げる、佐和子さんを含む8人との7つの座談を集めた一冊。 三浦朱門さんとは食道楽について。お2人の元・健啖家ぶり、なかなかのものです。 志賀直哉を初めとし、錚々たる作家たちのエピソードを語り合った、雑誌「群像」の編集者を20年勤めたという大久保房男さんとの「文士の魂」は、本書中の白眉。 半藤一利さんとの座談はどうしても太平洋戦争が中心、原武史さんとは宮脇俊三さんを偲びながら汽車・鉄道の話。 座談・対談好きな方にはお薦めの一冊。 不思議に命永らえて(+三浦朱門)/「たかが経済」といえる文化立国を(+藤原正彦)/好きな日本語、嫌いな日本語(+村上龍+阿川佐和子)/文士の魂(+大久保房男)/昭和史の明と暗(+半藤一利)/鉄道は国家なり(+原武史)/日本の将来を想う(+半藤一利+養老孟司) |
●「天皇さんの涙−葭の髄から・完−」● ★★ |
|
2011/02/01
|
副題は「葭の髄から・完」、その「完」という言葉に惹かれて手に取ったエッセイ集です。 久々に阿川さんのエッセイを読んだという思いなのですが、読み始めて第一に感じたことは、書かれている内容が古いことばかりだなぁ、ということ。 嬉しく読んだのは「歳月九十九」。広島に住む嫂のことを語った篇です。阿川さんというより、佐和子さんのエッセイでおなじみの、広島の伯母ちゃん。年は重ねられたものの、相変わらずお元気そうで、久しぶりに近況を聞けて嬉しかった。 読み進む内、次第に阿川さんの文章に滋味を感じ、楽しく味わって読むようになりました。 |
14. | |
「文士の好物 座談集」 ★★☆ |
|
楽しいなぁ。 何と言っても顔ぶれがいい! みな第一級の人物ばかりですから。それ故にまた、内容の質も極めて高い! 新たに収録された座談ではなく、あちこちに収録されている座談の中から阿川さんが関わっているものを抜き出してまとめた一冊ですが、内容が良ければ全く気になりません。 話題もバラエティに富んでいますし、そんな数々の座談をこの一冊でまとめて読めるのですから、むしろ嬉しいという気持ちです。 ・鉄道&旅話題は、沢木耕太郎さんと日本鉄道旅行地図帳編集部との座談にて。貧乏旅行を語る沢木さんに、聞かれて答える阿川さんは豪華船クルーズ旅についてあれこれ(「貧乏だけど贅沢」1982)。 さらに地図帳編集部となると、戦前の満州・朝鮮半島まで含めた鉄道史的な話となり、ワクワクする程楽しい。 ・一転して斎藤孝氏とは国語教育問題等々。お二人の言わんとするところには賛成だなぁ。小中学生ではいろいろな小説を読ませて、想像すること、思うこと、をさせた方が良いと思いますよ。 ・食い物話題は、開高健さんと向田邦子さん。特に開高健さんとはお互いに張り合っているかのようなやりとりが、すこぶる楽しい。 ・高松宮久子妃とは「高松宮日記」刊行をめぐっての裏話、その周辺ごとあれこれ。井上ひさし&小森陽一氏との“志賀直哉”をめぐっての座談と合わせ、内容が深くて濃く、感銘と興味は尽きません。 ・最後の佐和子さんとの座談は「阿川佐和子のこの人に会いたい8」に収録された篇。 食事の最後に美味しい緑茶で席を終える様な、すっきりとした後味の良さが残ります。 ファンだからこその嬉しく、楽しい一冊。 贅沢な旅−沢木耕太郎と/鉄道閑話−「日本鉄道旅行地図帳」編集部と/"やさしい"国語教科書が日本語を滅ぼす−斎藤孝と/ああ好食大論争−開高健と/ひじきの二度めし−向田邦子と/「高松宮日記」あの日あの時−高松宮久子妃と/志賀直哉−井上ひさし・小森陽一と/擱筆の弁−阿川佐和子と |
読書りすと(阿川弘之作品) へ 阿川弘之作品のページ No.1 へ