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3.数学者の休憩時間 |
●「若き数学者のアメリカ」● ★★★ 日本エッセイスト・クラブ賞 |
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1981年06月 1992/03/26
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本書は、1972年に藤原さんがミシガン大学の研究員として招かれ、渡米した折の体験記。断然面白いです! 感動的と言うことを超えて、凄く共感を抱く本です。 直情径行型の性格。得意絶頂から失意のどん底への急転、劣等感から生じる相手への敵愾心、そして振れの大きい性格。 しかし、それらは藤原さんの性格に帰すべきことではなく、海外に出た日本人に共通する心理なのかもしれません。ただ、殆どの人は、慣れれば忘れるでしょうし、何かに記すということになれば、自分を取り繕い、恰好良く見せかけるでしょう。 この本の魅力は、上記のことだけではありません。藤原さんの文章の素晴らしさにも驚かされました。 ハワイ−私の第一歩/ラスヴェガス I can't
believe it/ミシガンのキャンパス/太陽のない季節/フロリダ−新生/ロッキー山脈の麓へ/ストラトフォード・パーク・アパートメント/コロラドの学者たち/精気あふるる学生群像/アメリカ、そして私 |
●「遥かなるケンブリッジ」● ★★☆ |
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1994年07月 1991/11/01
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「若き数学者のアメリカ」は、藤原さんが単身で渡米したときの体験記でしたが、本書は家族を伴ってイギリスのケンブリッジへ滞在したときの記録です。 前半は、イギリス生活に面食らう話が主体で、さ程のことはありません。 藤原さん本人の、ケンブリッジとオックスフォードでの2回の講演。緊張と屈折感、そこからくるストレス。 |
●「数学者の休憩時間」● ★★ |
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1993年02月 1993/04/29 |
最初の章「人が人を生むために」がとくに面白かったです。「若き数学者のアメリカ」そのままの藤原さんがいることを感じられて、楽しい。
結局、藤原さんは出産現場に立ち会うのですが、出産時のドラマティックな描写は、まさに名文章と言って良いものです。 |
●「名著講義」● ★☆ |
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2012年05月
2010/01/14
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藤原先生、お茶の水女子大学で十数年にわたり“読書ゼミ”を続けてきたとのこと。 ただし、どうも藤原先生の日本および日本人観に、学生たちが誘導されている傾向、無きにしも非ず。 ・新渡戸稲造「武士道」(明治32年) |