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2015-1-24

今月の言葉

 毎月気に入った言葉を巻頭言代わりに書いています。更新はだいたい水玉模様のページといっしょにやっていたのですが、これからはどうしたら。

書名にamazon.co.jphontoへのリンクを貼りました(amazonはアフィリエイトです)。適宜、ご利用ください。

1月の言葉:「映像であろうが絵であろうが、人が見るものにヒエラルキーはない」by 天明屋尚
from 「日本画に批判精神を」 (日本経済新聞, 2015年1月21日夕刊 16面)
今年の年賀状:綿の花を背景に、タタールの植物羊を配してみました。花の色が濃すぎて手書き文字が読みにくくなっってしまって、もらった人はごめんなさい。

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2014年の言葉

12月の言葉:「もともと、地図のない探検なんて、とても本気にはなれないし、どの探検譚を読んでも、地図は秘密の場所にかくされているのだから」 from 須賀敦子『遠い朝の本たち』電子版 (筑摩書房, 2013.11)[amazon | honto]
11月の言葉:「思うんだがウォールワース 学問というのは本来何の役にも立たんものだよ」by バジル・ウォーレン卿 from 坂田靖子『バジル氏優雅な生活』第2巻 電子版(白泉社, 2013.5)[amazon | honto]
10月はお休みしました<(_ _)>
9月の言葉:「シェイクスピアの詩人としての鋭い感性があたかも将来を見通していたとでもいうかのように、『テンペスト』の中で描かれた奴隷であるキャリバンをタラの干物に仕立て上げるというメタファーが、現実の世界でいよいよ具現化していく。」
from 越智敏之『魚で始まる世界史』(平凡社, 2014.6)[amazon | honto]
8月の言葉:「感動をもらった、元気をもらった。おかしいと思いません?」by 菊地信義 (てこぺんの記憶による) at 「装幀=菊地信義 とある「著者50人の本」展」@神奈川近代文学館 ギャラリートーク
7月の言葉:「勝ちたいなら、走れ。」 from Number Plus 永久保存版 ブラジルW杯総集編(文藝春秋, 2014.8) [amazon | honto]
6月の言葉:「夕暮れどきとは神と人が、遊びと現実が融け合うときであったのだ」 from 小松和彦『神隠しと日本人』Kindle版(角川学芸出版, 2013.7) [amazon | honto]
5月の言葉:「そうよ、彼にしてみればよくよく思案した上でのことなの!女房、住居、衣料費、子供、どれもこれも費用のかさむものばかり。となると本代を削らなくちゃならない。そこであの人は古本のほうをえらんだってわけ!」by エレオノール・シジスモン嬢 from オクターヴ・ユザンヌ ; 生田耕作訳「シジスモンの遺産」 紀田順一郎編『書物愛 ; 海外篇』(東京創元社, 2014.2) [amazon | honto]
4月の言葉:「天分は書くなと言っても、義憤が詩を書かせる。」by ユウェナーリス from ペルシウス, ユウェナーリス作 ; 国原吉之助訳『ローマ諷刺詩集』(岩波書店, 2012.5) 「諷刺詩」第一歌 [amazon | honto]
3月の言葉:「小説『翁丸物語』には翁丸らしい犬はどこにも出てこない。出てくるのは豊後(大分)から来た一匹の伊勢参宮犬。翁丸は人の興味をひくために題名に名を借りただけで、小説の中身とはまったく関係がない。」  from 仁科邦男『犬の伊勢参り』(Kindle版)(平凡社, 2013.7) [amazon | honto]
2月の言葉:「だけど、今日び、世界は理解できないものを許さないでしょう。」 by 雑賀満喜子の長兄 from 恩田陸『ユージニア』(Kindle版)(角川書店, 2013.7) [amazon | honto]
1月の言葉:「終末の予言のすべてが本当であるはずがない。真実があるとしても、せいぜいひとつあればいいところだ。」 by レイフ・ヘルガーソン from ケヴィン・ハーン ; 田辺千幸『鉄の魔道僧2 魔女の狂宴』(Kindle版)(早川書房, 2013.10) [amazon | honto]

2013年の言葉

12月の言葉:「『ティル・オイレンシュピーゲル』の話のなかに、名前はでてこないけれども、明らかにブレーメンだと思われる町の話があるんです。オイレンシュピーゲルはそこにやってきて、十数日間泊まって、この町の人間のことは全部わかった。いろんなことがわかって、うんざりしちゃって、小石をいっぱい拾ってきて、道路にまいて歩いた。」 by 阿部謹也 from 網野善彦, 阿部謹也『対談 中世の再発見 : 市・贈与・宴会』(Kindle版)(平凡社, 2012.1) [amazon | honto]
11月の言葉:「じゃあぼくたちは、先祖が本を燃やした理由を誤解していたわけだ」 by ヤム・ハーディ from マイクル・コーニイ ; 山岸真訳.『パラークシの記憶』(河出書房新社, 2013.10) [amazon | honto]
10月の言葉:「どうにかしてこのしょっぱい仕事から僕を逃しなさいよ!」 by フォスフォフィライト from 市川春子『宝石の国』1(講談社, 2013.7) [amazon | honto]
9月の言葉:「もちろん事実じゃない。神話だ。ぼくがこしらえたんだ。」 by ウォルター・カムストンの遺言に記されたチェスター・カムストンの言葉 from クリストファー・プリースト ; 古沢嘉通訳「ピケイ(2) たどられた道」『夢幻諸島から』(早川書房, 2013.8) [amazon | honto]
8月の言葉:「むしろ、こうした当たり前のコミュニケーションこそ「非日常」であり、最上のフィクションになっている可能性がある。」 by 岡本健 from 『n次創作観光 : アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性』(NPO法人北海道冒険芸術出版, 2013.2) [amazon]
7月の言葉:「いまでは、ユーザーの音楽の趣味から、音楽以外の好みも予測できるようになってきました。」 by ジム・ルケーシー(The Echo Nest CEO) from WIRED VOL.8 「Music of Our Times」 [amazon | honto]
6月の言葉:「貴殿がわが正体を一般読者にお洩らし被成し一事は甚だ迷惑に存居る次第に御座候、蓋し苟くも記録管理人たる拙者の職務に種々面白からぬ支障を招くのみか、委員会にて五月蝿き物議を醸し、火蛇は如何なる程度の法律的義務ありや、従って官吏として如何なる程度の誓約をなし得るものなりや、…」 by 王室記録管理人実は火蛇のリンドホルスト from E.T.A.ホフマン ; 石川道夫訳「黄金宝壷」(東雅夫編『世界幻想文学大全 幻想小説神髄』(筑摩書房, 2012.12) [amazon | honto]
5月の言葉:—なぜ風味やアロマについて語る人がこれほど多いのでしょうか?「アロマや風味について語ることのほうが、詩的だと思っているからさ」by ジム・クラーク from Jeff Potter著 ; 水原文訳『Cooking for Geeks : 料理の科学と実践レシピ』(オライリー・ジャパン, 2011.9.) [amazon | honto]
4月の言葉:「ちくと待てい 俺が頭か/聞いておらん」「え だって こないだ 真ん中 座ったじゃない」by おとよ&よいちー from 平野耕太『ドリフターズ』2 第12幕 アクティブ・ハート (少年画報社, 2012.10.) [amazon | honto]
3月の言葉:「彼は最初のうちは驚きながら、それからだんだんと憤りを感じながら、自分の行為を平凡で市民的で日常的なものにまた戻してしまう熱心な試みを聞いたのである。」 from デュレンマット ; 増本浩子訳「故障 : まだ可能な物語」『失脚/巫女の死 : デュレンマット傑作選』(光文社, 2012.7.) [amazon | honto]
2月の言葉:「このとき同寺に伝来した他を圧する膨大な文書も消失したと思われ、後の中世史家は残念だ残念だといいながら、勉強する量が減ったことに内心ほっとしているとも言う。」 from 本郷和人『人物を読む日本中世史 : 頼朝から信長へ』(講談社, 2006.5.) [amazon | honto]
1月の言葉:「ただ腰掛けるのみにて、座敷にも上がらず、今時分、夜の長き時は、かえって伽の者となる故、好都合じゃ」 by 泉屋銀七の母・妙心 from 「小面の怪」『江戸奇談怪談集』 / 須永朝彦編訳. (筑摩書房, 2012.11) [amazon | honto]

2012年の言葉

12月の言葉:「生きている者の多数は、死んだっていいやつじゃ。そして死ぬる者の中には生きていてほしい者がおる」 by 灰色のガンダルフ from 『旅の仲間』上 / J.R.R.トールキン ; 瀬田貞二・田中明子訳. (評論社, 1992)[amazon | honto]
11月の言葉:「終わらせなければ、始まらない」 from 『009 Re: CYBORG』ついに公開!神山健治監督インタビュウ(「SFマガジン」2012年12月号)[amazon | honto]
10月の言葉:「故に三下りの三味線で二上りを唄うような調子はずれの文章は、既に文章たる価値(あたい)の一半を失ったものと断言することを得(う)。」 from 泉鏡花 ; 東雅夫編『おばけずき』(平凡社, 2012.6)[amazon | honto]
9月の言葉:「ああボクはどうして大人になるんだろう/ああボクはいつごろ大人になるんだろう」 from 會川昇『UN-GO 因果論』(早川書房, 2012.1)[amazon | honto]
8月の言葉:「火のないところに煙が上らぬ如く、文字のないところから文学は生まれないのだから、文学者の生活の中に書物が或面積を占めて割り込んで来るのは当然である。」 by 柴田宵曲 from 森銑三・柴田宵曲『書物』(岩波書店, 1997.10)[amazon]
7月の言葉: 「これまでわたしが出版してきた本の四分の三は、わたしがいなければ絶対に世に出ていなかっただろう。」by チェルトナム氏 from H.R.ウェイクフィールド「彼の者、詩人なれば…。」『ゴースト・ハント』(東京創元社, 2012.6)[amazon| honto ]
6月の言葉: 「それ自身が目的である行為ほど正直なものはなくって、正直ほど厭味のないものはないんだから、万事正直に出られないような我々時代の、こむずかしい教育を受けたものはみんな気障だ」by 広田先生 from 夏目漱石『三四郎』(青空文庫, 2000.7, 2004.2) 底本:角川書店, 1951[amazon| honto ]
5月の言葉: 「自分自身が「理解しているが、納得はできていない」という状態にあるのではないかと疑ってみるのは、良い練習問題になるでしょう」by 菊池誠 from『もうダマされないための「科学」講義』(光文社, 2011.9) 第1章「科学と科学ではないもの」[amazon| bk1 ]
4月の言葉: 「いいんだよぉ、人は信じられないことに直面したとき勝手に脳内補正してくれるから。」by 反ノ塚連勝 from『妖狐×僕SS』第12話「二人になった日」
3月の言葉: 「煎じつめれば、本書の作中人物たちは「事実は小説より奇なり」という格言を真に受けているのであり、実際は逆が真だといくら説いても聞く耳を持たなかった」by フェリペ・アルファウ from フェリペ・アルファウ ; 青木純子訳『ロコス亭 : 奇人たちの情景』(東京創元社, 2011.6.) [amazon| bk1 ]
2月はお休みしました<(_ _)>
1月の言葉: 「恰も為天ゲネシス未済アポカリプスの如く」by アースウェイト from アレイスター・クロウリー ; 江口之隆訳『ムーンチャイルド』(東京創元社, 2011.9.) [amazon| bk1 ]

2011年の言葉

12月の言葉: 「ミァハはネットの全書籍図書館(ボルヘス)から読みたいテキストのデータをダウンロードして、わざわざ製本業者に書籍化してもらっている。」by 霧慧トァン from 伊藤計劃『ハーモニー』(早川書房, 2010.12) [amazon| bk1 ]
11月の言葉: 「「芸術は欺瞞するところが多ければ」、とツッカーリは重ねていう、「それだけいっそう完全なものとなる」。」 from グスタフ・ルネ・ホッケ ; 種村季弘、矢川澄子訳『迷宮としての世界 : マニエリスム芸術』(岩波書店, 2010.12) [amazon| bk1 ]
10月の言葉: 「文字はフジワラという名前のトウフ・ショップが使っていた車であることを物語っている。」 by クラヴィス・シェパード大尉 from 伊藤計劃『虐殺器官』(早川書房, 2010.2) [amazon| bk1 ]
9月の言葉: 「おまえ…カタカナ使えば頭いいと思ってんだろっ」by 如月弦太朗 from 『仮面ライダーフォーゼ』第2話「宇・宙・上・等」(2011/9/11)
8月の言葉: 「きわめて限定された機能——会社を規則通り運転する能力——しか持ち合わせてない人の形をした自律作業体。」by 菜摘夏海 from 北野勇作『かめ探偵K』(アスキーメディアワークス, 2011.5.) [amazon| bk1 ]
7月の言葉: 「The future is already here.  未来はすでにここにある」 by Chris Anderson (1961- ) from 長崎義紹「クリス・アンダーソン、WIREDの神髄を語る」WIRED Vol.1 (コンデナスト・ジャパン, 2011.7) [amazon]
6月の言葉: 「残念ながら流し読みや速読では、読んだつもりになっているだけで、文体はまったく賞味できない」 by 大瀧啓裕 (1952- ) from 「斬新多彩な神話群 : Clark Ashton's Myth」クラーク・アシュトン・スミス『ヒュペルボレオス極北神怪譚』(東京創元社, 2011.5) [amazon | bk1 ]
5月の言葉: 「静物画のモチーフは驚くほど限定的であり、長い因習による呪縛には根強いものがあるのだ。」 by 宮下規久朗 (1963- ) from 『食べる西洋美術史 : 「最後の晩餐」から読む』(光文社, 2007.1) [amazon | bk1 ]
4月の言葉:「『最悪というのはよくない言葉じゃな。』と、わしはじいさんにいった。」by ガンダルフ from 『指輪物語 : 旅の仲間』(評論社, 1992.7) [amazon | bk1 ]
3月の言葉: 「一体成功といふことばかり目がけて用をする人間が殖えると,彼等は成功さへすればいゝんだから,為さざるところなしといふことになつて,自然反撥作用を生ずる。」 by 三田村鳶魚 (1870-1952) from 「侠客の話」(柴田宵曲編『侠客と角力』筑摩書房, 2010.10所収) [amazon | bk1 ]
2月の言葉:「いいものじゃないわよ,魔法少女なんて」by 巴マミ from 『魔法少女まどか☆マギカ』第3話「もう何も恐くない」(2011-01-22) [amazon | bk1 ]
1月の言葉: 「人間がほんとうに求めているのは<いま生きているという経験>だと私は思います。」 by ジョーゼフ・キャンベル (1904-1987) from ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ ; 飛田茂雄訳.『神話の力』(早川書房, 2010.6) [amazon | bk1 ]

2010年の言葉

12月の言葉:「そうあるべきであって,そんな勿体ない飲み方をするものは,早く消えてなくなって,もっと酒を飲む資格があるものに席を譲った方がいいのである。」 by 吉田健一 (1912-1977) from 「酒と人生」『舌鼓ところどころ』(中央公論社, 1980.1) [amazon | bk1 ]
11月の言葉: 「平安朝から鎌倉あたりの人は迷信が深くて、そして無学で、偽説の製造や訛伝の受売が大好物でありますから,割引して受け取らねばなりませぬ。」 by 幸田露伴(1867-1947) from 「神仙道の一先人」東雅夫編『幸田露伴集 : 怪談』(筑摩書房, 2010.8) [amazon | bk1 ]
10月の言葉: 「生まれっぱなしでpureなのはいいが,あのままじゃ戦国を生き抜けねぇ。」 by 奥州筆頭・伊達政宗 from 『戦国BASARA 弐』 第九話(TV朝日, 2010-09-05)
9月の言葉: 「オレは殿様じゃない自分は初めてみた。びっくりするほど何もないな」 by 志葉丈瑠 from 『侍戦隊シンケンジャー』 第45幕「影武者」(TV朝日, 2010-01-10)[amazon | bk1 ]
8月の言葉: 「グレアム・グリーンはポール・ホガースのこうしたイラストレーションが自分の作品の表紙に使われるのはうれしいが、本がよく売れているのはひとえに自分の名前のおかげだと自負していた。そこでグリーンはアートディレクターのデビッド・ペラムに電話をかけ、標題と著者名だけの表紙にしてはどうかと持ちかけた。」 from フィル・ベインズ著 ; 山本太郎監修 ; 斎藤慎子訳 『ペンギンブックスのデザイン 1935-2005』(ブルース・インターアクションズ, 2010.3)[amazon | bk1 ]
7月の言葉: 「一々出版業者を煩わさなくても、小さな出版物が、手軽に個人的に作られて、一部の人々に配布したりすることの出来る日の来るようにと願われる。」by 森銑三 (1895-1985 ) from 森銑三・柴田宵曲『書物』(岩波書店, 1997.10)[amazon | bk1 ]
6月の言葉: 「そのことで不安を感じたりはしないと決めただけの話で、うけいれたのとは全然違う。」 by フランシーン(1985?- ) fromグレッグ・イーガン ; 山岸真編・訳『ひとりっ子』(早川書房, 2006.12)[amazon | bk1 ]
5月の言葉: 「知識の蛇の道が図書館をめざし、坂道をうねうねとのぼってくる。」 by ヴァーナー・ヴィンジ(1944- ) from『レインボーズ・エンド』(東京創元社, 2009.4)[amazon | bk1 ]
4月の言葉: 「書き手が内容を理解していれば、言い切りの形で簡潔な文章を書くことができるはずです」by 石黒由紀(1967- ) from『ドキュメントハックス—書かない技術 : ムダな文書を作り方からカイゼンする』(毎日コミュニケーションズ, 2007.9)[amazon | bk1 ]
3月の言葉: 「何かとあることだが、その許可をとりつけるほうが、銀河空間を踏破するよりはるかに面倒なことがある。それは,官僚制度のほうが航宙学よりはるかに進歩の渡合が高いからだ。」by 泰平ヨン from スタニスワフ・レム ; 深見弾, 大野典宏訳『泰平ヨンの航星日記 : 改訳版』(早川書房, 2009.9)[amazon | bk1 ]
2月の言葉: 「そうでなくとも毎日いろいろなことで考え苦労しているので、さらに小説など読んで精神的にもいろいろと深く思いを巡らし苦しむことはないだろうという気持ちが強い。」by 長尾真 (1936- ) 「新春エッセー 国民読書年を迎えて」(図書館雑誌2010年1月号vol.104, No.1)
1月の言葉: 「人間の生は,本来の性質からして,なにかに賭けねばならない。」 by オルテガ・イ・ガセー (1883-1955) 寺田和夫訳.「大衆の反逆」『世界の名著』56(中央公論社, 1971.4) [amazon | bk1 ]

2009年の言葉

12月の言葉: 「35歳以降に発明されたものはすべて自然の秩序に反するものです」 by ダグラス・アダムズ (1952-2001) "The Salmon of Doubt" Andy Hunt著 ; 武舎広幸,武舎るみ訳.『リファクタリング・ウェットウェア : 達人プログラマーの思考法と学習法』(オライリー・ジャパン, 2009.4.) [amazon | bk1 ]p.116から孫引き
11月の言葉: 「そう言う風に、今も昔も、小説の読者などには、そう言う頑迷不霊な愛読者があったもので」 by 折口信夫(1887-1953) from 「もののけ其他」『文豪怪談傑作選 折口信夫集 神の嫁』(筑摩書房, 2009.9.) [amazon | bk1 ]
10月の言葉:「だって,コーンウォール人には尻尾が生えているのに」by サビン・バリング・グールド(1834-1924) from 『ヨーロッパをさすらう異形の物語 : 中世の幻想・神話・伝説』(柏書房, 2007.10.)[amazon | bk1 ]
9月の言葉: 「明日死ぬかもしれない人間が、大人になる必要ってあるんでしょうか」by カンナミ・ユーイチ from 映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』[amazon ]
8月の言葉: 「必要に応じて,自分とほかの人との間に、一種の壁を作ってくれます」 by メアリー・ルー・アンドレ from メアリー・ルー・アンドレ著 ; 権藤ひとみ訳『私を美しく変えるワードローブ整理術』 (ダイヤモンド社, 2005.7.)[amazon | bk1]
7月の言葉:「兎さ。いちばん抵抗力のある生き物は兎族だからね」 by ジョン・S. オズボーン科学士官 from ネヴィル・シュート ; 佐藤龍雄訳『渚にて : 人類最後の日』 (東京創元社, 2009.4)[amazon | bk1]
6月の言葉: 「一体何階建てたらうちの父さんにバベられるか…ものすごくハイリスクなチキンレースだと思うもの…」 by 聖イエス from 中村光『聖(セイント)☆おにいさん』第3巻 (講談社, 2009.3)[amazon | bk1]
5月の言葉:「最初はリストになかったものをやって,あとからリストに入れて完了扱いにした経験のある人には、私の言いたいことがわかるはずだ。」by デビッド・アレン from 『ストレスフリーの整理術 : はじめてのGTD』(二見書房, 2009.1)[amazon | bk1]
4月の言葉:「自分が悪をやりたくてやってるわけじゃなくて,仕方なくやってる悪って言うのはいっぱいあって,その程度の悪って言うのはみなさん手を染めている筈なんです。」by 宮台真司 from BSアニメ夜話「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(2009年2月26日放送)
3月の言葉:"+ Gelassenheit - Gelassenheit" "+ ehrgeizig - ehrgeizig" vom werder.de: die offizielle Werder Bremen website
2月の言葉:「目的は絶対、手段は自由」by 西堀榮三郎
1月の言葉:「両談同様にて、何れか実、何れか虚なる事をしらず」from 根岸鎮衛 「耳嚢」巻一 from 柴田宵曲編『奇談異聞辞典』(筑摩書房, 2008.9.)[amazon | bk1]

2008年の言葉

12月の言葉:「人間,五十ともなると優しさ,皮肉,いやらしさ,多くの逸話が鬱積しているものだ。」 by ホルヘ・ルイス・ボルヘス from 「「千夜一夜」の翻訳者たち」(土岐恒治訳『永遠の歴史』 筑摩書房, 2001.3.)[amazon | bk1]
11月の言葉:「好きなくせにいじる。やっぱり倒錯的だ。」「好きだからいじるんだよ。」 from 小笠原博毅「終章 サッカーの詩学と政治学に向けて」 (有元健, 小笠原博毅編『サッカーの詩学と政治学』(人文書院, 2005.10.)) [amazon | bk1]
10月の言葉: 「青年期に小説を読むことで身代わりの犯罪体験をしたものが分別のある大人になるように、」 by ド・クレヴィソー勲爵士 「アトゥンの指紋」 from T.S.ストリブリング ; 倉阪鬼一郎訳『カリブ諸島の手がかり』(河出書房新社, 2008.8.) [amazon | bk1]
9月の言葉: 「そして,わたしは彼にとってエキストラの一人にすぎず、彼と喜びを共有することによって、それを二倍にすることができるただの他人だと知ったのだった」 by セヴェリアン from ジーン・ウルフ ; 岡部宏之訳『新しい太陽のウールス』(早川書房, 2008.8.) [amazon | bk1]
8月の言葉: 「しかるにじつは,<<驚異>>を創るのは,ある現象の原因を説明することのできない,わたしたちの無知なのだというべきです」 by ティルベリのゲルウァシウス from 池上俊一訳『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』(講談社, 2008.7.) [amazon | bk1]
7月の言葉: ♪Wenn nicht jetzt, wann dann?♪(If not now, when then? 今ではないとしたら,それは何時?) von de Hoehner und die Deutsche Handball Nationalmannschaft
6月の言葉:♪"Dieses Jaaaahr geht das Fussballwunder weiter." von Revolverheld "Helden 2008"
5月の言葉: 「言うまでもなく内容はひどいもので,稀に古書目録などに載っているのを見つけると,極力入手して焼き捨てるようにしている。」 from 南條竹則編訳『アーネスト・ダウスン作品集』(岩波書店, 2007.5.) [amazon | bk1]
4月の言葉: 「ただ,あまり眼が利き過ぎるのも寂しいものだ——と思わせるふしが無いでもない。」from 須永朝彦『日本幻想文学史』[amazon | bk1]
3月の言葉: 「宜しく頼むと云われても,これは余ほどの難物である」from 岡本綺堂『飛騨の怪談』 [amazon | bk1]
2月の言葉: 「 英国とわが国は,昔から仲のよくない親戚づきあいのような関係性にある。」by カール・ハウスホッファー from 『伯林星列』 [amazon | bk1]
1月の言葉: 「私は健康の衰えやらその他の人の世の禍いやらから,なんとか笑い(マース)の力で身を守ろうと,不断の努力を重ねながら生きている身でございます。」by トリストラム・シャンディ

2007年の言葉

12月の言葉: 「人類が月に立つ以前のことだ」from UEFAチャンピオンズリーグマガジン(2007-10-29?)
11月の言葉: 「謎を出しておいて,その答えは半分しか出さない,そんなことは推理小説では許されない。これに反して,実人生では正解を出す義務は誰にもない。」 from ディクスン・カー ; 岡照雄訳『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』「殺人愛好倶楽部会員のための序章」(東京創元社, 2007.3. 978-4-488-11826-6) [amazon | bk1]
10月の言葉: 「われらは夢みた。距離はいつも夢みさせる。」 from 三島由紀夫「英霊の聲」(東雅夫編『三島由紀夫集 雛の宿』筑摩書房, 2007.9. 978-4-480-42361-1) [amazon | bk1]
9月の言葉: 「店員はただ,考えるまでもなく持てる限りを人に与え,喜ばれると驚くという,滅多にいない人種のひとりだったのだ」 from ジョナサン・キャロル「秋物コレクション」(浅羽莢子訳『パニックの手』東京創元社, 2006.5. 4-488-54709-5) [amazon | bk1]
8月の言葉: 「おお,光り輝く残酷なものよ,」by サー・ジー・ヴォヴォカ from ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア ; 浅倉久志訳 『輝くもの天より墜ち』(早川書房, 2007.7.) 978-4-15-011623-1[amazon | bk1]
7月の言葉:「ですから,勇気をお奮ひなさい!避けられないことを嘆いたり,恐れたりするのは子供らしい臆病未練でせう」 by マーガレット妃 from シェイクスピア『ヘンリ−6世 第3部』第5幕第4場 坪内逍遥訳『新修シェークスピヤ全集』12(中央公論社, 1934.8.)
6月の言葉:「それはついに終末子が内在化されるにいたった年の出来事だった」by エンクルマ・フバルであり…… from ロバート・シェイ&ロバート・A.ウィルソン ; 小川隆訳『イルミナティ ; I . ピラミッドからのぞく目 ; 上』(集英社, 2007.5. ) 978-4-08-760528-0 [amazon | bk1]
5月の言葉:「ここに,一人でいることを想像すると,ほとんど背すじが寒くなる。だがそれは,不思議に,誘惑的に,ぞくぞくさせる。」by カレル・チャペック from 飯島周編訳『チェコスロヴァキアめぐり 』(筑摩書房, 2007.2. ) 978-4-480-42293-4 [amazon | bk1]
4月の言葉:「ちゃんと働いているけれど,他人に迷惑をかけている人よりは,働かないでも,周囲に迷惑をかけない人のほうが,僕は良い状態だと思います。」by 森博嗣 from 『大学の話をしましょうか : 最高学府のデバイスとポテンシャル 』(中央公論新社, 2005.10) 4-12-150195-0 [amazon | bk1]
3月の言葉:"Halten Sie mich fuer verrueck, alten Sie mich fuer uebergeschnappt!" (狂ったのかと言ってくれ,気は確かかと言ってくれ!) von ヘルベルト・ツィンマーマン (Juli 4, 1954) aus ウルリッヒ・ヘッセ・リヒテンベルガー ; 秋吉香代子訳『ブンデスリーガ : ドイツサッカーの軌跡』(バジリコ, 2005.11. ) 4-901784-92-7 [amazon | bk1]
2月の言葉:「彼らは不可解にも,キックの位置から壁までの距離を測る能力を失っているのだ」 from ケン・ブレイ『ビューティフル・ゲーム : 世界レベルのサッカーを科学する』(NHK出版, 2006.4.) 4-14-081112-9 [amazon | bk1]
1月の言葉: 「彼にとって虚構とは,おのれの人格という不愉快な現実からの必要な逃避であった。」 from エリス・マコーマック「フーガ」(増田まもる訳『隠し部屋を査察して』(東京創元社, 2006.5) 4-488-50403-5 [amazon | bk1]

2006年の言葉

12月の言葉
「つらいことやら,楽しいことは,
いつの世にもあることさ。
そとの世の中は争いばかり,
それでもわしらは死にはせぬ」
from バラージュ・ベーラ「青ひげ公の城」吟遊詩人の前口上
11月の言葉:「僕はあの人の飽くまで穏健な、目前に提供せられる受用を、程好く享受していると云う風の生活を、今でも羨ましく思っている。」from 森鴎外「百物語」
10月の言葉:「戦争と機械文明からの逃走,禁欲主義,絶え間ない放浪,官能的な理想郷への憧れ,私的な妄想への引きこもり,大きく騒がしいものから小さく静かなものへの移行。」by ブルース・チャトウィン『どうして僕はこんなところに』
9月の言葉:「本 livre: どんな本にしろ,かならず長すぎる」by G.フローベール
8月の言葉:「ここで憑き物に逆襲されるとは!」by 水木大先生 from 荒俣宏「ミズキ幸福探検隊が決行した最後のニューギニア探検」(「怪」vol.0021, 2006年7月)
7月の言葉:「その人間は幻想的なものへ進むべく運命づけられているということである」by トーマス・オーウェン『黒い玉』序
6月の言葉: 「サッカーの国の人は,それで一年のうちどれくらいを棒にふってるんでしょうか」by 水玉螢之丞 (SFマガジン2006年7月号「今月の執筆者紹介」から
5月の言葉: 「納期遅れは必ず返品になっていたので」by 浅倉久志 (SFセミナー2006「超SF翻訳家対談」における発言)
4月の言葉: 「読者は描かれたアクシデントを楽しみながら,しかし,決して不安になったり脅かされたりすることなく安心していることができる。」by 穂村弘 from 「「薬」としての本」(11)
3月の言葉: 「この時は来ない」from エドマンド・スペンサー『妖精の女王』 第6巻「サー・キャリドアの礼節の物語」第5篇第2連の脚注
2月の言葉: 「……とか言って/僕ら四十あたりまで/このまんまだったら/どうしましょうね」by 猪八戒@『最遊記RELOAD』
1月の言葉: 「どこか遠い,有限の世界で進化したとき,トランスミューターは生きのびるためになによりもいちばん価値のある特質を受け継いでいた」from グレッグ・イーガン『ディアスポラ』

2005年の言葉

12月の言葉: "Multos fortuna liberat poena, metu neminem."
11月の言葉: 「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」 from アンヌ・モレリ ; 永田千奈訳『戦争プロパガンダ10の法則』
10月の言葉: 「机の上の惨状に,あなたの人生が凝縮されている」 from マリリン・ポール 『だから片付かない。なのに時間がない』
9月の言葉: 「轆轤首が屏風に上がる話は『北窓瑣談』にもあり,にっこと笑う例は『百物語評判』にある。独創的な行動を取ることはむづかしいらしい」 from 柴田宵曲『妖異博物館』
8月の言葉: 「SFとは、つまるところ共同体を描く文学であり、個人の性格を掘り下げる文学ではない。」 from ウ ィリアム・テン ; 浅倉久志訳「ふたりのウエルズ : 火星人最初の襲来」
7月の言葉: 「本というのは,個人にせよ,公の施設にせよ,永遠に持っていられるものではない。」from 室謙二「いろんな,本がある」
6月の言葉: 「これまでの自分を形づくったすべての記憶が紙を介して指先に伝わり、胸の中で弾けて蘇ってくるのだ。」by 瀬名秀明 from 「おれの夢の女」
5月の言葉: 「もっといえば、伊豆箱根、と一括りにされるのだから、きっと同じ県だと大方の関西人は思っている。」 from 柏井壽『「極み」のひとり旅』
4月の言葉:「いくら人柄が良くても、評価の対象にはなりません。」from 梅森浩一『「クビ!」論』
3月の言葉: 「人間はなぜか評価する力だけは備わっていますから、何も考えてなさそうな人でもあなたの企画の良し悪しを、悔しいかな結構的確に指摘します。」from 加藤昌治『考具』
2月の言葉:「われわれ自身が一個のghostであるということ、まったく不可解な幽霊であるということを、今日では認めざるをえない」by 小泉八雲 from「小説における超自然の価値」
1月の言葉「しかしどのような代に生まれるかは、決められないことじゃ。わしらが決めるべきことは、与えられた時代にどう対処するかにある。」 by ガンダルフ

2004年の言葉

12月の言葉:「私はもう四十になる年寄りだ。長く生き過ぎた。」 by オクル
11月の言葉:「待て、しかして希望せよ」by モンテ・クリスト伯
10月の言葉:「乱暴な仮定をしすぎるという非難もあるだろうが、どうせ受け入れられる主張ではないので気にすることはない。」by モーリス・シャトラン ; 南山宏訳
9月の言葉:「エルフ語の研究は世界中で現在も進行中だ。」 by 伊藤盡
8月の言葉:「最初にこの讃歌集を編纂した人物は、どうやら学殖に乏しく、また本文批判の能力や手腕をまったく欠いていたものと見え、」by 沓掛良彦
7月の言葉:「しかし不適切であることを確定するのが難しい場合があるからといって、明らかに不適切な読み方を容認してしまう理由にはならないだろう。」by 加藤隆
6月の言葉:「日本古典に盲目なる通弁翻訳家の一夜漬にはその味がないので繰返して読む気がしないのです。」by 日夏耿之介
5月の言葉:「カミングアウトしない?」from 筑波大学おたく系サークル連合新歓ポスター
4月の言葉「……ただ一点を除いては黙してこれを看過することにする。その一点とは、……この本が短かすぎるということである。」by J.R.R.トールキン from 『指輪物語』著者ことわりがき
3月の言葉:「その浩瀚なエラティックな批評文で糊口を過した彼は、そのためにひどく宿敵を作つたと評伝家は伝へてゐるが、その点は鏡花には全くなく、むしろこの文の筆者の身の上にどうやら似てゐるやうすである。一笑。」 by 日夏耿之介 from 「『高野聖』の比較文学的考察」
2月の言葉:「文部省の木っ端役人どもから、おまえの仕事を社会的に正当化してみせろと、うるさく要求されることなんかなかった時代」 by ルーカス・ファイスト@『ケンブリッジの哲学する猫』
1月の言葉:「用例: "Enthusiastic fans tend to have a narrow mind." (訳: 熱狂的なファンは、心が狭くなりがちだ。)」 from 『もえたん : 萌える英単語

2003年の言葉

12月の言葉:「したがって私が客観的にと言ったのもいわば言葉の綾であって、ひとがよく客観的な話だと言いながら話しているうちにしだいに主観的なものになっていくように、私が話そうとしているこの話もしごく難しいものなのである、と言うのもすべてが主観に、その当時の主観に関するものである、と言うのもすべてが主観に、その当時の主観に関するものであり、私が覚えているそのごく僅かなことが現在の主観同様にすっかり混乱を招くものだからである、そしてそのために私は現在まったく逆になっているものと混乱してしまう不利のある表現を用いたのであるが、それはしかし共通であるところのことを明るみに出すという利点もあるのである。」by Qfwfq氏@「プリシッラ 1. ミトシス(間接核分裂)」
11月の言葉:「……科学的発見からの心理的逃避、新しく発案された写真の持つ正確さに対する潜在的嫌悪感、これらの要素の多くをこれほど凝縮している絵画ジャンルは妖精画をおいてほかにない」by ジェレミー・マース&ルパート・マース from 『フェアリー・テイル : 妖精たちの物語』展覧会図録
10月の言葉:「無気力は無気力なりに結構着実に進歩の歩みを続けて行くのが市民の動きです。」by 鈴木棠三 from 『江戸巷談藤岡屋ばなし』続集
9月の言葉:「私は自分の辿って来た道をふり返ってみて、そこにひとつとして大きな感情の起伏を見出すことが出来ないのに驚く。平坦なのだ。」from 氷川瓏「洞窟」
8月の言葉:「空想的な本に描かれた死というものが、とても恐ろしく思えるのは、子供の時だけだからである。」by ヘンリー・ライダー・ハガード
7月の言葉:「宇宙局だってお役所でしょ。いちいちムダが多いのよ」by Foundation2ステルヴィアの女医さん
6月の言葉: 「この世に幸せな英文学教授などいるのだろうか」by ダニエル・グリン@『不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ』
5月の言葉:「捜せ、そうすれば、見いだすであろう。」(「マタイによる福音書」7:7)
4月の言葉: "One day Alan and I were talking about style and Alan mentioned that the Hobbit dwellings are very 'arts and crafts,' and I said, 'What's that?'" by John Howe
3月の言葉:「この世に出てきたときと同じようにして出ていくんだ。ぎゃあぎゃあわめいて、じたばたあばれて」by 三等技術員デイヴィッド・リスター@『宇宙船レッド・ドワーフ号』
2月の言葉:「初対面でここまで好きになれる相手はめったにない」by 十牛@『霊玉伝』
1月の言葉:「しっかりと買い求めるのが幻想文学愛好者の仁義というものであろう」by 石堂藍

2002年の言葉

12月の言葉:「ピエロ[・ディ・コジモ]の世界が空想的なものに思えるのは、それを形成している要素が非現実のものであるからではなく、むしろその反対に、彼の解釈の真摯さそのものがわれわれの経験不可能な遠い時代を、われわれに納得させるだけの迫力をもって、想い起こさせるからである。」from エルヴィン・パノフスキー『イコノロジー研究』
11月の言葉:「図書館と金をいっしょにして考えるのは好きじゃない」from リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』
10月の言葉:「どの対決も知っていたが、そのうんざりするほど知りつくしている感覚が心地よかった」by リチャード@「<トースト>レポート」
9月の言葉:「お客さんが見慣れちゃってる顔はSFには向かない。」by 押井守
8月の言葉:「……SFファンにはマントが型通りになびくのはつまらないんじゃないかなと思うのね。」by ひかわ玲子
7月の言葉:「結局のところ勝ち目はギャップにある。」by 星野スミオ
6月の言葉:「だから道具立てが時代おくれだからって古い作品が必ずしも一読の価なしと見捨てられまい。いいものはいつまで経ったっていいにきまっている。」from 佐藤春夫「探偵小説小論」
5月の言葉: 「ある種の人々——おそらくはとりわけ英国の人々——は、少年少女向けのがらくたに対して息の長い興味を有しているものなのだ。」by エドマンド・ウィルソン
4月の言葉: 「……つまり、本に狂うということは、だれにでも簡単に実践できる“日常の狂気(エブリディ・マドネス)”なのだ。」by 荒俣宏
3月の言葉:「魔法の指輪というものは———さよう、魔力がある。」by ガンダルフ
2月の言葉:「こうした古墳の存在から漠然と考えられていた超自然的なものの存在に対する感情や、そこがかつてどんな場所だったのかといったことなどを、多くの人々にはっきりと再認識させたのは、J.R.R.トールキンだった。」from シャックリー『石の文化史』
1月の言葉:「「できなかった」という言葉は、一括変換で「今後の課題とする」と書き直すのが普通である」by 山内志朗

2001年の言葉

12月の言葉:「殲滅戦が好きだ電撃戦が好きだ打撃戦が好きだ防衛戦が好きだ/包囲戦が好きだ突破戦が好きだ退却戦が好きだ掃討戦が好きだ撤退戦が好きだ/平原で街道で塹壕で草原で凍土で砂漠で海上で空中で泥中で湿原で/この地上で行われるありとあらゆる戦争行動が大好きだ」by“最後の大隊”指揮官“少佐”@『ヘルシング』
11月の言葉: 「品定めは、つねに最上のものを、つとめて体験し、それにしたがって他を知り、ふさわしい使い勝手を掌中に収めていなければなりません。」by 辰巳芳子
10月の言葉:「愛だろ、愛っ」by 永瀬正敏
9月の言葉: 「♪おおイングランド。私のライオンハート。」by ケイト・ブッシュ
8月の言葉: 「わたしは南部に住むコマーシャル・ライターで、質のいいコマーシャル・フィクションを書こうとしているだけだ。文学を書こうとは思っていない」by ジョン・グリシャム
7月の言葉: 「ある本を贔屓し、ある本を軽蔑せよということですか?……」稀覯本収集家ビクトル・ファルガス@『呪いのデュマ倶楽部』
6月の言葉: 「人間関係なしの情報だけの世界というのが、僕の昔からの夢ですよ」by 東浩紀
5月の言葉: 「……常に挙措を計り合うて片時も離れる事なく、夜も一つの衾(夜具)に臥し、厠へさえも打ち連れて行くほどであった。」鈴木桃野『反古のうらがき』より「怪談」
4月の言葉: 「てめぇらにできるのは長生きくらいだ」 「長生きって大事だよね。ああして長生きすると、観音っていってもらえるんだもん」 「大事なことは死なないことだね」
3月の言葉:「今日書きまくっているような流行作家は、あれは三流四流なのであって、」by 平井呈一
2月の言葉:「我々は幻影(ゆめ)とひきかえに知識を買って、高い払いをすることになる。というのも、ほんのわずか知恵をつけただけで、たいそう多くの楽しい夢想が飛んでいってしまうからである。」by リチャード・ミドルトン
1月の言葉:「なつかしい未来」

2000年の言葉

12月の言葉:「「嫌い」っていった瞬間に、その作品の入り口で自分が突き返される」by 川本三郎
11月の言葉:「褒められたり貶されたりに右往左往するのは無様ですからね。」by 佐藤亜紀
10月の言葉:「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。」by 伝道者
9月の言葉:「「物語」というからには、やはり筋立てが独創的で面白く、かつ語りにテンポがあり、読んでいて夢中になれるものであるべきだ。」浅羽莢子
8月の言葉:「もの書きとして自分の文章を発表したとたん、それまで一緒にいた、ものを書かない人との間に、決して消すことのできない一線が引かれてしまう。もう、一生消せない。」by 絵里子@『木曜組曲』
7月の言葉:「一日か二日前、ひどいときは数分前の出来事さえ懐旧の対象にしてしまうんだ」by ジョルジュ・シャトーブリアン@『黄昏郷』
6月の言葉:「理性を重んじるわれわれは、神に頼る習慣を持っていないんだ」by 森の熊さん@『月と炎の戦記』
5月の言葉:「見くびるんじゃねェよってカンジですね(はぁと)」by 猪八戒@『最遊記』
4月の言葉:「なにもかわらないことなんて、ないよっ」by 新星勉くん@『ウルトラマンティガ&ダイナ&ガイア 超時空の決戦』
3月の言葉:「小説に道徳やメッセージが必要なんてブルジョワ的発想だ」by フィリップ・K.ディック
2月の言葉:「望まれない記録は、不用な記録なのよ」by ドース・ヴェナビリ@『ファウンデーションへの序曲』
1月の言葉:「文章は、用いる言葉の選択で決まる。日常使われない言葉や仲間うちでしか通用しない表現は、船が暗礁を避けるのと同じで避けねばならない」by ガイウス・ユリウス・カエサル

1999年の言葉

12月の言葉:「心にかけつつも完了しないのは、怠慢である。」by 幸田文
11月の言葉:「それが、手段のほうにばかり気をとられているから、バカバカしい筋にうんざりしたり、…遅い運びにイライラしたりするのです」
10月の言葉:「サラリーマンだって、地球を救う正義の味方になれる!」
9月の言葉:「ひとつ言えることは、探したい本があるときは、「フォース(理力)を使え」ということです。」by 岡崎武志
8月の言葉:「近頃の新聞はチットでも訳のわからんことがあると、すぐに、ヘンタイ何とかチウって書きおるでな」by 荒物屋の隠居@「いなか、の、じけん」
7月の言葉:「あれがパブ—居酒屋(イン)です。C・S・ルイスやトールキンが友人のインクリングたちと会っていた場所ですわ」by ドラゴン・レディ@『3001年終局への旅』
6月の言葉:「現代は明らかに技術ロボットを必要としている。世界が機械ロボットを必要としているのは、生命よりも機械を信じているからであり、生命の奇跡よりも技術の驚異に心を奪われているからなのである。」カレル・チャペック
5月の言葉:「だれかコスタキを見た者は?」by スメランデ@「蒼白の貴婦人」
4月の言葉:「帰れ!」by ユウシロウ&ミハル@『ガサラキ』
3月の言葉:「一九九九年なんて永久にやってこないような気がしていたのである。」by 木田元
2月の言葉:Verba volant、 scripta manent.
1月の言葉:「俺たちゃあきらめが悪いんだ。」by ロッソ@『DTエイトロン』

1998年の言葉

12月の言葉:「天命をもって主上にお迎えする。これより後、詔命に背かず、御前を離れず、忠誠を誓うと誓約申しあげる」by 延麒六太@『東の海神(わだつみ)西の滄海 十二国記』
11月の言葉:「重要なことのすべては視覚的に、あるいはアクションによって表現される」by スタンリー・キューブリック
10月の言葉:「許してくれなんておこがましいんか。かなわんで、じっさい…」by ニコラス・D・ウルフウッド@『トライガン』
9月の言葉:「おたくな話題通じる程、おもしろい事ないもんな」by まるいち製作室の誰か@『まるいち的風景』
8月の言葉:「エドは今まで苦労したことがありません。」「本当はあるかもしれませんが、全然覚えていません。」by エドだよ〜@『カウボーイ・ビバップ』
7月の言葉:「物語るという営為、あるいは物語に耳傾けるという行為には、ある種侵犯しがたい神聖さがともなう」by 赤井敏夫
6月の言葉:「戦争は自然の状態である」by ナポレオン・ボナパルト
5月の言葉:「期待などにこたえてもらったところで、得られるのはたかだか「満足」にすぎぬからだ。」by渡部直己
4月の言葉:「こんな面白い旅行は初めてだったぜ。未知の世界。そうとも、先生。あの人はいくらでも未知の世界を切り開いていくんだ。そして気軽におれたちを連れていってくれる。」byカリ@『バベル-17』
3月の言葉:「何かが人間から、その存在の意味と意欲とを奪おうとする」by石丸寛
2月の言葉:「「おはなし」に夢中になっているときのコドモは、自分がいまどこにいるかなんて考えたりはしないものです。」by水玉螢之丞
1月の言葉:「あらゆるものの90%はクズである。」(スタージョンの法則)

1997年の言葉

12月の言葉:「神、と呼ばれる何か」「悪鬼じゃねぇの」「さあね。同じことだろう?』by グリフィス&ガッツ@『ベルセルク』
11月の言葉:「この魔法の領域にじわじわ溶け込んでいくことによって、彼らはだんだん違った人種になりつつある—そんな雰囲気さえ感じられる。」by スティーブン・ミルハウザー
10月の言葉:「やっぱりね、ネオテニーじゃないけど、完成しすぎてしまうと変幻できなくなってしまうんですよ」by荒俣宏
9月の言葉:「この女なら、本を間違った棚に戻した人間は殺すに違いない」by ジョナサン・キャロル
8月の言葉:「いさぎよく、かっこよく、生きていこう」from「輪舞〜revolution〜」
7月の言葉:「まあ、ゼロスは魔族なんだからそれくらいするでしょ」by リナ・インバース@『スレイヤーズTry』
6月の言葉:「きっかけがつかめたという以上に、背表紙を見るたびに超自然的作用によって本の内容が少しずつ頭の方へ移動していたではないか、と疑いたい感じがある。」by 木村泉
5月の言葉:「作家と魔法使いならよく知っているが、名前こそが肝心なのだ」by U.K.ル・グィン
4月の言葉:「いっしょに困るっていう手もある」by 某レファレンス担当
3月の言葉:「梅花は雨に/柳絮は風に/世はただ虚に」
2月の言葉:「過剰な期待に応えたくなるではないかっ」by ゼクス・マーキス@『新機動戦記ガンダムW』
1月の言葉:「もっとカラフルで絢爛豪華に展開する魑魅魍魎を見たい」by 東野司

1996の言葉

12月の言葉:「そんなことで気が済んでいるうちは陽気な変態だっ!」by 超能力探偵・榎木津礼二郎@『絡新婦の理』
11月の言葉:「逃げろ!バカがむちゃするぞ!」by ウリバタケ・セイヤ@『機動戦艦ナデシコ』
10月の言葉:後付けの星座は外付けの性格
9月の教訓:私に聞かずUlrichに聞いて
7月の教訓:「たがが緩んでいようが腐っていようが」by渡良瀬二等陸佐@『ガメラ2 レギオン襲来』
6月の教訓:積ん読いちゃだめだ、積ん読いちゃだめだ、積ん読いちゃだめだ!

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