Toddler Penguin's Place >> 今月の言葉 >> 2000
いままでの言葉:2000年
- 12月の言葉:「「嫌い」っていった瞬間に,その作品の入り口で自分が突き返される」by 川本三郎
- 「「丸谷式書評」の研究 川本三郎×三浦雅士」 「本の話」1995年11月号
- 引越をしたので色々なものが続々と出てきます。
- 先月を受けて,書評を書く方の芸談。こういうのを読むと,もともと書けない書評/映画評の類いがますます遠くなってしまうけど。
- わりと安易に「ダメ」出しをしがちなんで気をつけなきゃと反省。ただ,この洪水の中でどうすればいいんだろう。明日から一冊の新刊が出なくても死ぬまで困らないと思う。そういう世界に生きている。
- このページはメモ,アニメページは心覚えと戯れ言。それだけでは来てくださった方に申し訳ないので資料的価値を持たせるように心掛けております。
- 11月の言葉:「褒められたり貶されたりに右往左往するのは無様ですからね。」by 佐藤亜紀
- 「座談会 出版産業はほんとうに作家の味方なのか?」季刊本とコンピュータ 2000秋
- 『本とコンピュータ』って「大衆文化に理解あります」みたいなのが鼻について嫌なんだよね。全共闘とかゆー世代の人たちがやってるらしいからしょうもないけど。きっとグレシャムの法則とかマタイの法則とか信じてるんだ(笑)
- このセリフはかっこいいんだけど、そこまでの座談会がもの書きの評価されたがりが現でかっこわるい。まるでぼくを叱ってっていう14歳のガキみたい。
- ふつーの職業でそんなほいほい他人様にあれこれ言ってもらえる事ないじゃない?ま、そういうどっか唯我独尊なキャラがないと文筆業なんて商売やってけないのかも。
- とはいえ、自分自身も評価してもらうの大好きだし(そう悪い成績ではないだろうと予測できる試験なんか進んでうけちゃう)、Webの○○占い人気なんてのも他人にどう見られてるか気になってしょーがないって性向の現れなんでしょう。
- 小田光雄も保坂和志も読んだことなし。佐藤亜紀は『バルタザールの遍歴』のみ読んだんだけど内容忘れました。同じファンタジー大賞の『後宮小説』や『酒仙』はしっかり覚えてるのに。
- 10月の言葉:「天が下のすべての事には季節があり,すべてのわざには時がある。」by 伝道者
- 「伝道の書」第3章第1節
- そもそもは乾くるみ『匣の中』(講談社,1998.8)を読むために,竹本健治『匣の中の失楽』(講談社,1991.11)を読んだわけです。新本格派自体には何の興味もなく,ただたんにfjが出てくるから人に借りました。作者がしつこく書いているので順番だからと『匣の中の失楽』を読み,これは大学時代に読んでいればミステリー者になっていたかも,と思ったわけです。これがちょうど一年前。
- そしてこの9月。引越前の忙しい時についに『虚無への供物』に手を出してしまったのです。正しくない順番で読むと嵌まれないという証明をしてしまいました。パズラーでこうなんだから,ましてSFは……。そういうの超えてなきゃ,って意見もあると思うけどやっぱ,損したなって思ってしまいます。
- 9月の言葉:「「物語」というからには、やはり筋立てが独創的で面白く、かつ語りにテンポがあり、読んでいて夢中になれるものであるべきだ。」浅羽莢子
- 「マリ・クレール」1994年5月号・特集 物語のルネサンス
- そうなんだよぉ、そういう話がオレは読みたいんだ見たいんだ。<魂の叫び(笑)
- 引っ越しのため古い雑誌を片付けていて発見しました。かつての「マリ・クレール」はいわゆるバブリィな女性誌でありながら、とても濃ゆい文学特集をすることでも有名でした。
- アズュラーンの浅羽莢子さまはファンタジーを担当されています。
- 8月の言葉:「もの書きとして自分の文章を発表したとたん、それまで一緒にいた、ものを書かない人との間に、決して消すことのできない一線が引かれてしまう。もう、一生消せない。」by 絵里子@『木曜組曲』
- 恩田陸『木曜組曲』(徳間書店 1999.11)4-19-861093-2
- ことほどさように、書いたものを発表するということは恐ろしいことであり、烙印を押されるということです。さて、私も含めたWebページ作成者やメールマガジンはどれほどの覚悟を持っているでしょう。まぁ、一度発表したものを改竄する作家だっているわけだし、読む方の「書かれたもの」への信頼なんてすでに地に落ちてるけど。
- 一ヵ月ちょっと前にようやく読みました。おっかないおばさんたち(って同じ年くらいなんだけど)の若草物語って感じの推理小説です。恩田陸の書くものって翻訳小説のようで、すらすら読めます。既存の作品へのオマージュだったりするし。未読の方は『六番目の小夜子』(新潮社)からどうぞ。
- 7月の言葉:「一日か二日前、ひどいときは数分前の出来事さえ懐旧の対象にしてしまうんだ」by ジョルジュ・シャトーブリアン@『黄昏郷』
- 野阿梓『黄昏郷』(早川書房 , 1994)
- いまさらですが、涼元悠一『青猫の街』(新潮社 , 1998.12)を読みました。インターネット検索小説(違)で面白かったです。で、その中で30そこそこのSEが「若い者(モン)が昔を振り返ってもバチが当たらん時代が来たのさ」というセリフを吐いたところで、ばばっと連想が働き、『黄昏郷』を読み返しておりました。
- 思考回路の無駄遣いっつーか、本以外にはこの記憶力、まったく働きません。図書館屋でよかったと思う瞬間です。
- で、『黄昏郷(おうごんきょう) The domain of Arnheim』です(とってつけたよーだ)。これの第1章部分がSFマガジンに載ったときはそりゃあ衝撃でした。激しく読者を選ぶようで実はそうではないのだけど、偽悪的な表面(お目目キラキラの挿絵に「柱」までついてたのだよ)に、ハードSFな人とかはひいちゃったでしょうね。これを中学生の分際で読んでしまった身の(不)幸といいましょうか、もう「一生ついていきます」になっちまいました(褒めてるんです、ほんとうです、信じてください)。
- 6月の言葉:「理性を重んじるわれわれは、神に頼る習慣を持っていないんだ」by 森の熊さん@『月と炎の戦記』
- 森岡浩之『月と炎の戦記』(角川書店 , 1999.7)より
- 人がみなこの熊さんだったら、世界はどんなに平和でしょう。でも、熊さんはご飯を食べそこなってしまうのです。
- 日本神話ものというのに、どいつもこいつも理屈っぽい、森岡キャラたち。小説だけどキャラっていうしかないぞ、こういう登場人物は。
- 5月の言葉:「見くびるんじゃねェよってカンジですね(はぁと)」by 猪八戒@『最遊記』←石田彰声で読むように。
- 峰倉かずや『最遊記』四(エニックス 1999.4)より
- ま、アニメみてますと温厚な私でもこう思うことあります。でも、甘く見られてるとわかってもはまっちゃうことがあって、その情けないことといったら(;_;)
- 最初はツボを押されるいい作品にはまるんだけど、その内はまってる状態が気持ち良くなって、はまれそうなものを探す本末転倒に陥ってるんじゃないかとそれが心配。あと、世の中のお母さん方がいうように「テレビばっかりみて」お馬鹿になったんじゃないか、とか。
- ちなみにこの猪八戒、端正な美形でふだんはニコニコしてます。それが微笑みながら、しっかり親指下向けてこう言うわけで、これでびびっとこなきゃって場面です。もちろん、まだアニメはここまできてません。声は頭の中で響きました(自爆)
- 4月の言葉:「なにもかわらないことなんて、ないよっ」by 新星勉くん
- 『ウルトラマンティガ&ダイナ&ガイア 超時空の決戦』
- いやぁ、だめもとで身上調書に書いたら、そのとおりになったんですよ、ってそういうことではなくて。
- 宿舎のTVケーブルが強風で切れちゃって(泣)、撮りだめしていたビデオ消化。やっとみた、平成ウルトラマン総出演映画。仮面ライダー派のオレも燃えました。しまった、ファイナル・オデッセイの上映が終わってしまう(^^;
- 悪い上級生%未来はプロモデラーを筆頭に悪いヲタクが世界を滅ぼしかける話が、ヲタク心にあふれた映像&シナリオで語られるという(笑)。若干、無理もあったけど、子供のことだし(そーなのか?それでいーのか?)。
- 3月の言葉:「小説に道徳やメッセージが必要なんてブルジョワ的発想だ」by フィリップ・K.ディック
- 「ザ・ダブル・ビル・シンポジウム―「プロのSF作家と編集者への質問状に答える」(1969)(『フィップ・K・ディックのすべて ノンフィクション集成』フィップ・K・ディック 飯田隆昭訳 ローレンス・スーチン編 ジャストシステム,1996所輯)より
- さすがディック先生、ぴぴっとくるお言葉がいっぱい。いわく、
「人は大人になりうるばかりでなく、大人としての教養を身につけ、その上SFも楽しむこともできる」
「1930年から今日にいたるSFの古典をすべて知らない新人作家は悲しい存在といえる」
「SFと認めるかどうかは、本質的には個人の解釈による」
- ディックの小説は2長編1短編集しか読んでません。『ブレードランナー』にははまりましたが。映画館で3回見たのは後にも先、のことは分からないけど、これと『帝都物語』だけ(ぉぃ)
- 2月の言葉:「望まれない記録は、不用な記録なのよ。」by ドース・ヴェナビリ
- アイザック・アシモフ 岡部宏之訳『ファウンデーションへの序曲』上(早川書房 1997.11)より
- 「図書館が出てくるSFリスト」の方もご覧いただければ幸いです。
- 逆リンク検索というのを使ってみまして。どうやらこのサイトで他の人の役にたっているのは「星雲賞リスト」だけの模様。これもSFファングループ連合会議がWebサイトを立ち上げるまで、でしょうね。時刊新聞社にもあるし。
- ま、当然ですね。他のページは作っている人間の「夜中に突然、襲ってくる疑問」解決くらいにしか使えませんもの。フツーの人(ってどんな人)はジムの姓が思い出せなくて寝返りをうったりしないんでしょうねぇ。
- トップページにも書いてありますが、リンクはご自由にどうぞ。こちらも勝手に張らせていただきますので。
- ところで、歴史学者で図書館の授業を持っているドースがクールで、数学者のセルダンはこだわってるというのがおもしろいです。
- 1月の言葉:「文章は、用いる言葉の選択で決まる。日常使われない言葉や仲間うちでしか通用しない表現は、船が暗礁を避けるのと同じで避けねばならない。」by ガイウス・ユリウス・カエサル
- 『ユリウス・カエサル ルビコン以前』 塩野七生(新潮社,1995.9)
- ウェルキンゲトリクスをやっつける前にのんびり書いていた『類推論 デ・アナロジア』からの言葉だそうです。HPなんて書く奴に読ませてやりたいです。自戒をこめてということで。
- 正月休みというと『ローマ人の物語』。前後から攻めていったのであとは『ユリウス・カエサル ルビコン以後』を残すのみ。
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