メイルで行ったり来たりしていたレポートにたっぷり写真を貼り付けました。
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会社友人へ送ったレポートです
TO:哲ちゃん
FROM:荒川 & 石黒

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=笛吹川 東沢 釜の沢 遡行レポート=

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遡行日: 97年10月11、12日

メンバ: 高沢さん、鈴木さん、石黒、荒川

コース: 1日目:西沢渓谷入口→山の神→魚留の滝→千畳のナメ→両門の滝→ビバーク

2日目:ビバーク→甲武信小屋→甲武信ガ岳→甲武信小屋→戸渡尾根→西沢渓谷入口

【初日偏】by arakawa

7:00に西沢渓谷入口の駐車場に集合ということで、 余裕をもって家を3:00に出ることにしていたが、 3:00に起きたことは起きたが、どうやら昨日飲み過ぎたらしく ちょっと吐き気が。。 車を出す前に、携帯から石黒にTEL。 予想とおり寝ていたらしい声で出た。

石黒>一応、起きていました。ちゃんと3:00AMに起きたもんね。

駐車場に着くとすでに車が結構いた。登山者も結構いたが、なかに渓流シューズを 履いた人たちもいたので、結構東沢に行く人も多そうだなと準備を急ぐ。 でも結構寒い。 朝飯をかっ込むでパッキングをして出発。 ん?出発は8:00をまわっていたような?>詳細は石黒お願い。

石黒>たしか出発は7:40くらいだったと思います。結構ゆっくりしてました。

石黒>ここで、早速チタン中華鍋を披露。やはり、脅威的に軽いです。

西沢との二股の吊り橋を通って、東沢への分岐。そこからは細い山道を 延々と歩く。途中、丸太を2本並べたところがあったが、どうもやらしい。

石黒>渇沢を渡る丸太橋なのですが、横板が半分くらい既に腐り落ちていて、

石黒>残っているものもいつ踏み抜くかわからない状態。下までの高さも

石黒>結構あって一本丸太の上を渡るのも危険に感じたので一度下に降りて

石黒>崖を登ることになりました。

ちょっと一旦降りて、登れそうなので、高沢さんに空身で先にいってもらい、 確保をしてもらうことになった。まだハーネスを装着していなかったので、 ロープを体に直接縛り、シュリンゲで簡易ハーネスとしたが、登っている途中 どうも緩いせいかロープにテンションをかけてもらわないとずりおちてしまう。

石黒>我々はこのようにして登っていたのですが、後続のオジチャン、

石黒>オバチャンパーティはうまく高巻いてさっさと先に行かれて

石黒>いまいました (^o^;

どうにか通過したところで、オレ以外はハーネスを装着。 そこからまただらだらとアップダウンを続けていくと、ふと左下に ホラの貝を発見。すっごい迫力のゴルジュ。前回9月の予定では、 時間に余裕があったら東沢下部にも挑戦なんて言っていたが、 あれはかなりの難関。あそこに行く人はすごい。やっぱりトイレ掃除用の 吸盤が必要か。ちなみにガイドでは中級とのこと。本当かいな? (^^;;)

石黒>いや、一見の価値はありますね。

またそれからしばらく歩くと川原に出た。多分このあたりが山の神だろうと 思うが、それらしきものがない。そこでちょっと休憩して、石黒はワラジを履く。 私もハーネスを装着。

石黒>今から思うとちょっとワラジを履くのが早過ぎたかな。魚留の滝に

石黒>着いてからでも良かったかも知れない。ワラジを履く時、紐をエイッ

石黒>と引っ張ったらブチッと切れた :-O

石黒>とりあえず結んで何とか履いたけれど、

石黒>これはほんの前兆に過ぎなかった。

石黒>某店のワラジは全然駄目だ…。

さー。入渓! 東沢遡行のはじまりだーーーい。 紅葉もきれい。ビンガもすごい! こりゃー 千畳のナメが楽しみだ。 はじめに乙女のナメ滝。あまり高くはないが、滝の落ち口の水に太陽があたって きらきらとすっごくきれい。

次は、東ノナメ滝。これは100m(?)あるらしく結構でかかった。

石黒>ゴーロ歩きはちょっと面倒だけど、両側から流れ込むナメ滝は息を飲む

石黒>ほどの美しさです。水が一枚岩の上を滑り落ちる様子は静かな美しさ

石黒>を感じます。

西ノナメ滝の手前で昼飯。今日はスパゲッティ。 ここで、例のチタン鍋登場。やっぱ軽い。

調味料も各種そろっている。

鈴木さん持参の鍋で2袋分をつくるらしい。結構な分量である。

石黒>スパゲッティ300gを2袋ゆで、ゆであがったところで中華鍋で

石黒>カルボナーラ風に仕上げる。当然卵も入る。 石黒>因みに卵は今回12個持参した。味つけはカレー風味でうまかった。

できあがったのを見てもかなりの量。こんなに大量のスパゲッティを見るのは はじめてだった。本当に食い切れるのか思ったが、みんなの食欲のすごいこと。 皆子どものように、こぼしながら食っている。あっという間になくなった。

石黒>こぼした麺はゴミとして回収しましたので御安心を。

 ウワアア、滑る〜!
荷物が大きくて重たいのでちょっとしたところが苦しい。

昼飯後は、西ノナメ滝、魚留の滝を越えるとそこから千畳のナメ。

石黒>魚留の滝で既に右足のワラジが擦り切れて崩壊寸前となっていた。

最高!!!!1枚岩のナメが続く。紅葉のトンネルを歩く。

石黒>本当に来て良かったと思うひと時でした。はば10mはある一枚岩の

石黒>緩い傾斜の滑べり台の上を静かに水が滑べりおりていく。

石黒>紅葉も見頃と言ってもいい状態だし。

この当たりからかな。結構石黒のワラジの崩壊が始まる。

石黒>右足が先に壊れると思っていたら、左足が先に崩壊。おかげで立った 石黒>姿勢のまま5mほど滑べり降りた。指の付け根のふんばるところが

石黒>擦り切れて前後に分解してしまった。

石黒>応急処置で前後さかさまに履き何とかしのぐ。

両門の滝:右側の滝の左岸を登るののだが、食い意地でかさばったザックが、時折バランスをとる邪魔をした。ゴロンと滑ったら下まで止まらないモンね

後は、6m曲がり滝を巻き。ヤゲンノ滝。6mの滝といくつかの滝を越え、 広河原を歩くが、すでにゴーロ歩きに皆嫌気を指していた。

石黒>広河原に入ってほぼ完全なワラジを発見、早速回収する。

石黒>この頃右足も前後に分解。応急処置でしのぐ。

とりあえず、あと30分くらい歩こうというになったが、ちょっと歩いたら、 良さげなテン場を発見。そくここにしようと決まった。

テン場に着くと、作業を分担して、シート張り等を高沢さんと鈴木さん。 焚き木拾いと焚き火つけをうちらが担当した。 焚き火もつき。さーーー食事の準備。 今夜はキムチ鍋だ。 つまみは、高沢さんのタマネギを使ったやつ。 あと、私が持っていったミョウガと梅干しと鰹節合え。

石黒>このツマミはヒットでした。うまい。

鍋にいろいろいれて、作りはじめるが、キムチを入れたところで、 キムチに入っていた白菜が切っていないことに気づく。 しょうがないので、小さい包丁で鍋のなかで切る。が、そのおかげで 豆腐が。。。 あと今回は、キムチ鍋の新パーツ。肉ワンタンを入れた。 でも、なんだかよくわかなかった。

石黒>ちょっと煮込み過ぎてワンタンが融けちゃったようです。

白菜の量せいか、白菜が大きいせいか

みんな飽きてきたようだ。最後にうどんをいれて食べようかと思ったが、 もう食えん。

石黒>キムチが多過ぎたのが敗因でした。でも寝る直前にも摘み食いして

石黒>ました。味自体はうまかったんですが。

石黒>うどんは翌日の朝に回すことに決定。

暗くなってきてからは、かなり冷えこんできて、キムチ鍋と酒と焚火で 体をあたためる。食事のあとは焚火を囲んで宴会。

石黒>会長持参の一升紙パックはなくなったのかなぁ。

が!!!!! ふと焚火を見つめると、石黒が濡れた足袋を乾かしていたやつが 炎のなかで燃えているではないですか! あーーと思い、すぐに出したがすでに遅し。 かかとの当たりはすでに崩壊していた。だかそれでも動じない石黒であった。

石黒>ここらへん酔っ払いですので、全く危機感がありませんでした。

石黒>下り用の靴もないし、ようするに靴下も含め履物は足袋とワラジ

石黒>しかないという状況だったのに。

石黒>酔っ払いながら、コハゼがないだけならワラジをしっかりつければ

石黒>大丈夫だぁと楽観しておりました。肝心のワラジが崩壊していると

石黒>いうことは棚にあげながら…

ちゃんちゃん。2日目に続く。

石黒>果たして無事に登れるのか。

あーーーーーーーーー疲れた。2日目は石黒君お願い。頼んだ。

石黒>じゃ、引き受けた。

【二日目編】by ishiguro

目が醒めると時間は5時半を回っていた。寝ついてから夜中に一度も起きない のは山では久しぶりだった。

早速焚火に火をつけ、キムチ鍋を温め直してキムチうどんの作成にかかった。 うどんは二玉しかなかったので、うどんを食った後おもちを追加することにし た。一晩おいたキムチ鍋は味が円やかになってうまかった。むろん、卵が4個 入ったことはいうまでもない。

飯も食ってパッキングをして、出発の準備をしたら既に8時をまわっていた。 さて、燃えてしまった足袋ですが…

とりあえず、崩壊したワラジを右足に、拾ったワラジを左足に装着して足袋ご と固定することで何とかいけそうと判断。無謀にも?!出発したのでした。

ゴーロを一時間も歩くと傾斜もきつくなり、そしてまたナメ滝が連続して現れ るようになります。ゴーロを歩いているうちにまたもやワラジの崩壊は進み最 後のナメの辺りではすっかり右足は崩壊して、急ぎシュリンゲで足袋を固定す るという荒技に出ました。当然フリクションは全く期待できないのでテープや 補助ロープで確保してもらいながら登ることとなりました。

ナメの傾斜も急でマジに恐かったっす。

で、ほぼお昼過ぎに甲武信小屋に到着。そこで早速昼飯にかかる。メニューは 「カツ丼」。いままで、このような無謀なメニューがあっただろうか。 ご飯は朝会長のコッヘルで炊いて、会長がボッカしました。カツは持参。これ を中華鍋で玉ねぎ、そばツユ、酒で一煮たちさせ卵をとき入れてあっという間 にカツ丼完成。

全部食べる

なーんとこの時テレビ埼玉の取材版が甲武信小屋の取材に来ていて、しっかり カツ丼調理シーンを撮られてしまいました。果たして放映されるのだろうか。 3月OAといっていたな。また、中華鍋まで持参してカツ丼をつくる変な人たち をひと目見ようと小屋の人たちが全員見に来る始末。小屋におすそわけをした ら喜んでもらえた。

鍋の蓋についた卵も舐める

カツ丼を食って空身で甲武信岳を往復。頂上は風が冷たかった。そんなこんな で小屋を後にしたのは2時すぎになってしまった。

東沢を振り返る
           奥に見えるのが鶏冠尾根:山渓に載っていた東京マタギ氏の真似をするのは誰?

戸渡尾根を下り、途中で地図に記載のない「徳ちゃん新道」(徳ちゃんとは甲 武信小屋のおっちゃんの事らしい)を下り6時少し前に駐車場に到着。大満足の 二日間であった。

広瀬湖を望むこの地下足袋は“踵が無い”

なお、某は最後までかかとが燃えた足袋のまま駐車場まで降りたという。

おわり。

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写真担当:高澤のあとがき

※因みに、荷物を減らす為、夏用シュラフにシュラフカバーで臨んだ、わたくし高澤は、着るもの全部着込んだ上に、石を幾つも焼いてシュラフの中に抱え込んで寝たが、寒くて夜中震えていた。翌朝の沢はベルグラが朝日に輝いて綺麗だったです。それから、徳ちゃん新道は大変気分のいい下山道でしたね。所々であまりに気持ちがよいので、凄いハイになっていました。そう、沢を登って体中の毒を出した後は、ロケーションの良い下山道、これが欠かせません。至福の時です。滝を登るのなんて怖くてやだモンね。高巻きなんて最低! なんてね。


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