TRAVELL DIARY / AFRICA 5-2

SENEGAL / MALI [2]


■■■ セネガルへ ■■■

5月5日(水)、パリ到着。
ホテルにチェックイン後、コンサートや展覧会のスケジュールをチェック。ヴヴヴ、、、来週はCAETANO VELOSO CONCERT、6月にはSALIF KEITAが2夜公演、、、見たい。取りあえず今晩は何もないようなので、帰路に立ち寄るレコード・ショップの下調べ。

5月6日(木)
パリ市内でアフリカ音楽の文献を何冊か購入後、空港へ。

夜20時、ようやくセネガルの首都ダカールに到着。
機内では、サン=テグジュペリの『人間の土地』を読んできた。ちょっとハマリ過ぎか?
もうすぐ着陸という頃、数多くの明かりが視界に入ってきた。この光の数でダカールがかなりの大都市であることが分かる。ヨハネスブルグ、ハボローネ、ハラレ、ナイロビ、カンパラ、アジスアベバ、そして、キンシャサ。これまで訪ねたアフリカの首都とはまた異なった顔を持つようだ。

夕方は思ったより涼しいナ。機内から出た第一印象。

イミグレを抜けると身分証をつけた空港職員風の連中に取り巻かれた。
「入国ビザは持ってないのか?それならスモール・マネーでケリをつけてやる」
「バッグはどれだ。おれはここの職員だ。おれにまかせろ、心配ない。」
「ここでバッグを開ける。金を出せば手続きを簡単にしてやる。」
何だこいつら、全部サギ師じゃないか。(日本人はビザ不要。これまで数多くの空港を抜けてきたが、怪しまれてバッグを開けられた記憶もない。)

一切無視して到着ロビーへ。今度は「チェンジ・マネー」の嵐。ゲートを出たすぐ右にCD機があったので、試しにCITICARDを入れてみると、簡単に現金が引き出せた。このときはこの1枚のカードが今回の旅を左右することになるとは夢にも思わなかった。

空港を出ると次はドライバーと宿の紹介屋たちが腕を引っ張ってくる。空港周辺のこうしたシステムは世界中どこでもよく似ている。気がつくと英語でタクシー料金の交渉を始めていた。これなら、わざわざフランス語を仕込んでくることもなかったし、ファックスでホテルを予約してこなくても何とかなったのでは?

初めての国だと、すぐには治安状況が分からない。こういったことは他人の話より自分の勘が頼り、探りを入れるためドライバーに「君は信用できない」と言ってみると、いきなり運転免許証を預かれと言って手渡してくる。どうやらセネガルの人々は根本の性格はかなり良いように感じた。

■■■ 首都ダカール ■■■

5月7日(金)行動開始。

最初の問題はいかに正確な情報を掴むかだった。日本で調べて分かったことは、せいぜいYOUSSOU N'DOURが4月にアメリカ公演を行っていることくらいだった。何となく彼がまだ帰国していないという悪い予感がしていた。

ホテルを出ると土産物売りやサギ師がやたらと声をかけてくる。
英語の堪能な奴ほど調子が良くて、何を質問しても、
「YOUSSOU N'DOURもBAABA MAALもCOUMBA GAWLOもダカールにいる」
「ライブに連れていく、バンドのメンバーにも会わせてやる」
と答える始末、要するに金が欲しいだけだった。

それならばと声をかけてくるカセット売りに聞いてまわると、今度は逆。誰に尋ねても、
「YOUSSOU N'DOURはまだ帰ってきていない」
「LEMZO DIAMONOはガンビアをツアー中だ」
「BAABA MAALもCOUMBA GAWLOも今はパリにいる」
「BAOBABのメンバーたちは今どうしているか分からない」
結局ハッキリしたことが分からないまま時間ばかりが過ぎていった。

情報集めをしながらカセットを見てまわったが、紹介されるものは日本でもCDが手に入るものばかり。これじゃあ時間の無駄なので、自分の好みでいろいろ試聴することに。正直、この炎天下、何10本も聴いた上で、値段交渉するのはとても骨が折れる。

カセット・ショップでもライブ情報が掴めない。
こうなるとあとは直接行くしかないと考え、夜遅くに、だめもとでTHIOSSANEへタクシーで向かった。知っての通り、このTHIOSSANE(チョサン)はYOUSSOU N'DOURが所有するライブ・ハウスで、毎週金・土曜日に彼が出演するところである。

しかし着いてみると、やはり閉店中。近くの男に尋ねると今晩も明晩もライブはないと言う。YOUSSOU N'DOURがいないときはKINE LAMかLEMZO DIAMONOかが代わりにライブをやるはずだと思い出し、そのことを尋ねても店は休みだと言うばかり。

幸いなことにその男、THIONE SECKの店ならば知っているというので連れていってもらった。(入場料:3000CFAフラン)店の前でTHIONE SECK本人にも紹介されたのだが、長身のなかなかの紳士だった。

深夜0時をとうに過ぎた頃、ステージに登場、美声は相変わらずである。しかし大人が踊るにはほどよいのだろうが、この単調さ、時差ぼけの体には堪える。すまないと思いながらも眠りに沈んでしまった。

5月8日(土)

相変わらずライブの情報が何も入ってこない。
カセットをいろいろ聞かせてもらっても、若手のものには良いものが見当たらない。
出発前にレコードは探しても無駄と聞かされていたが、だめもとで探してみた。
しかし、ようやく何枚か見つけても欧米の80年代のポップスばかりだ。

やっぱりだめか。

それでも全く収穫がなかった訳でもない。
ダカールでFEMI KUTIのライブを見れたのは、全くラッキーだった。

FEMI KUTI LIVE IN DAKAR [1]

FEMI KUTI LIVE IN DAKAR [2]

FEMI KUTIのライブが終わった後、念のためにTHIOSSANEに電話してみたが、応答なく今日も休業。やはりYOUSSOUはダカールにいないのか、、、。

一体何をするためにここまで来たのだろうか?
以前、THOMAS MAPFUMOのライブが見たくてジンバブウェまで行ったことがあるが、このときも彼とはすれ違いだった。、

マリに移動するまでのあと3日間どうすごせばよいのか考えてしまった。

深夜、諦め気分でホテルのフロントマンに何かイベントはないか新聞をチェックしてもらったところ、、、ニッコリしてひとつの新聞を差し出した。そしてひとこと「TOMORROW」と言う。

YOUSSOUのライブがTHIOSSANEで行われると言うのだ。
広告の日付けを見ると5月9日、確かに明日だ。
「だけど明日は日曜日じゃないの?」
「あれだけあちこちチェックしたのに、こんな情報は全くなかった」
「街の音楽好きな連中もカセット売りたちも、YOUSSOUはいないと口をそろえていたはずじゃないか」
「THIOSSANEにはそんな告知は出ていなかったし、周りにいた連中も予定はないと言っていたはず」

とにかくYOUSSOUは帰っていた!!
そして、彼のライブをこのダカールでようやく体験することができる!!!


SENEGAL/MALI : [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]


TOP

CONTENTS

BACK