TRAVELL DIARY / AFRICA 5-5

SENEGAL / MALI [5]


■■■ ダカール出発 ■■■

5月12日(水)

ダカール最後の朝、レコード発送の大仕事が残る。
郵便局で手続きする時間がないので、ホテルのフロントに相談したが、いきなり輸出入専門会社を紹介される始末でどうしようもない。

幸い近くにDHLが見つかり、ここから日本に送ってしまうことにした。
送る荷物をみせると受けた受けた、、、恐らく受け付けの女性もこんな荷物を持ってきた客は初めてなのだろう。すっかり面白がられ、プレゼントが貰えた上に、ボスの目を盗んでこっそり値引きまでしてくれた。

それにしても60kgも日本に送るとなると結構な金額、かなり痛い出費だ!おかげで今年一杯は生活が苦しそうだ。

■■■ セネガル音楽の考察:過去 ■■■

今回のレコード探しを通じて気付いたことがいくつかある。あくまでも今回出会った少ない人々のレコード・コレクションを通じてのことであり、サンプルに片寄りのあることは否定できない。

 @ダカールが大きな国際的港湾都市として非常に長い歴史をもつことを実感した。

イギリス、フランス、アメリカのポップスや、ジャズ、クラシック、アラブ音楽など、世界各地の音楽が絶えず流入してきた様子が窺われた。

実はPAPA WEMBAとCOUMBA GAWLOの最新盤の選曲にピンと来ない思いを抱いていた。ともに"FA FA FA FA FA(SAD SONG)"を収録していたからである。今回、ROLLING STONESやJACQUES BRELとともに、OTIS REDDINGシングルがたくさん出てきた。西アフリカでもOTIS REDDINGやJAMES BROWNは結構聞かれていたらしく、COUMBA GAWLOのような若手までもがOTISを歌うには、このような基盤があった上でのことだと納得した。

 Aナイジェリアとガーナが少なかった。

コンゴやケニアがフランス経由で入っているのに比較して、ナイジェリアとガーナが意外と少なかった。特にハイライフのレコードはほとんど手に入らなかった。セネガルでも英語圏アフリカの音楽は流通しにくかったのかも知れないが、今回知り合った人々の指向も影響しているのだろうか。

 BCAPO VERDEのレコードもたくさん見つかった。

これは地理的条件を考えると当然だろう。(ただし、時間がなくチェックし切れなかった。)

 C最大の不思議は、BAOBABSTAR BANDのシングルが全く出てこなかったことである。

彼等のコレクションのバランスからみて、発売されていれば誰も持っていないことはないはず。1枚もリリースされていないということも考えにくく、よく分からない。

 Dセネガルの中年以上の世代にとってBAOBABSUPER EAGLESは特別な存在であると想像させられた。

60年代のDEXTER JOHNSONあたりのレコードを聞くと、キューバ音楽のコピーという印象しか受けない。それに対して、自国の人間が初めてオリジナルなポップスを演奏したという誇りには特別なものがあるのではないだろうか。

■■■ セネガル音楽の考察:現在 ■■■

実は今回買ってきたレコードやカセットを未だに聞き終えていない。
ここでは、現地で感じたことを数点、要約するだけにしておきたい。

 @YOUSSOU N'DOURの存在の大きさを改めて知らされた。

日本にいるとセネガルでは彼だけが突出した存在と受け止められるが果たしてそうなのか少々疑問だった。しかし、旧譜を聞いても、彼の音楽に匹敵しうる音楽は非常に少なかった。
そして現在、ダカールの街を歩いていると随所で彼の歌声が聞こえてくる。タクシーに乗っても車内に流れる音楽はYOUSSOUだし、若者がヘッドホンできいているテープもYOUSSOUが多かった。

 ACOUMBA GAWLOの人気が予想以上に高い。

若手で良いアーティストが誰かいないか尋ねると決まって彼女の名前が挙がる。逆に言えば、その次がまだ登場していないのかもしれない。最新カセットも相当聞いてみたが、KINE LAMなど従来から活躍している歌手やグループのものの方が出来が良かった。しかし、このような短期滞在では実際のところはっきりしたことは言えない。


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