風のささやき

冬 時候

冬 時候

時候

冬の晴浮かぶ飛行機白一転

季語:冬の晴

底冷えて列を離るるまた一人

季語:底冷え

病室や小春日の窓眩しかろう

季語:小春日

今朝の冬子らはトランプ家ごもり

季語:今朝の冬

節分や鬼の寝るなり乳母車

季語:節分

春隣朝日に眉寄せ眠る子かな

季語:春隣

冬の夜の子の歯ぎしりや何悔し

季語:冬の夜

髪切や節季の疲れにうたた寝る

季語:節季

初冬やシャワーの熱を上げし朝

季語:初冬

釣り竿も鼾かくよな小春かな

季語:小春

でっぷりと小春の船が波曳きぬ

季語:小春

息切らし冬のはじめの徒競走

季語:冬のはじめ

首痛しノッポのビル先小春空

季語:小春

立冬や夜霧か白く吐く息か

季語:立冬

節分や子に仕込むなり怖き鬼

季語:節分

しばれた手もむ度ほぐれ子の笑顔

季語:しばれ

大寒やごめん言わぬ子睨みおり

季語:大寒

起きぬ子や声かけ続け寒き朝

季語:寒き朝

滑り台並ぶ子増えて日脚伸ぶ

季語:日脚伸ぶ

待つ風に身は縮むなり寒の闇

季語:寒の闇

春近し山で座したる眩しさは

季語:春近し

冬至にてべっこう色の立ち木なり

季語:冬至

起きてこぬ数え日の朝日もどかしき

季語:数え日

せちがらさ胸に沸き立つ冬初め

季語:冬初め

底冷えす子に額つけ温かし

季語:底冷え

冬至なり葉は足元にカサリかな

季語:冬至

小春日や大地背負いて泣く駄々子

季語:小春日

子を背負う温さ嬉しき冬初め

季語:冬初め

我侭を叱る甲斐なく暮早し

季語:暮早し

子の頬の赤らみ告げる冬初め

季語:冬初め

年暮る安らかさに謝し募金する

季語:年暮る

配達の手の赤らみや冬の朝

季語:冬の朝

はや冬はすすけて襟の汚れかな

季語:冬

鴉さえ逃げることなし氷点下

季語:氷点下

肩も凝り仕事積もりて師走かな

季語:師走

小春日や生にぽつぽつ落ちてあれ

季語:小春日

ビー玉の冴える青さや金魚鉢

季語:冬

祖母逝くや鮮やか過ぎて冬花火

季語:冬

小春日や皺ほころばす老婆かな

季語:小春日

仏壇の炎に智慧あり冬の朝

季語:冬の朝

冬ぬくし地蔵に尋ねる分かれ道

季語:冬ぬくし

冬めきて喉の痛みに起きる朝

季語:冬めき

冬の水触れるの嫌で寝起きの手

季語:冬

呼びあいて寒さ忍ぶか雀たち

季語:寒さ

凍つる風心と水と乱しおり

季語:凍つる

丸くなる鳩寄る辺なき寒暮かな

季語:寒暮

亡き母の夢まだ凍むや目覚め時

季語:凍む