風のささやき

小春日や大地背負いて泣く駄々子

子供たちを乳母車に乗せて遊びに行く途中
とあるマンションの一角に
コンクリート製の鹿の遊具がありました

小さな子供が背中に乗って遊ぶのに
ちょうど良い大きさのものです

最初は仲良く
その背中に乗って遊んでいた
我が家の双子でしたが

いつものごとく
鹿の背中をめぐっての
喧嘩が始まりました

しばらくはその喧嘩の様子を眺めていたのですが
やがて一人が負けて泣き出しました
一人が背中を独占しています

仕方がないので慰めに行こうと近寄ると
地面に寝ころび泣きながら駄々をこねます

抱き上げようとしたのですが抵抗するので
しばらくそのままにして様子を見ました
暖かな小春日和
地面もそこまで寒くないだろうと思いながら

負けた子供はしばらくは
寝ころんで泣きわめきながら
抵抗を続けました

 #2008 冬に