風のささやき

配達の手の赤らみや冬の朝

朝早くいつもの道を歩いていました
肌に当たる風が冷たく
寒さが身にしみるように感じられました

つい最近まではこんなに寒くなかったのにと
ぼやきともつかない独り言が口を衝きます

道の傍らに小さなトラックが
停まっていました

近くの飲食店に届けるのでしょうか
食材のダンボールが積んであります

荷物をおろしている人の手を
ちらりと見たら
力が入っているせいもあるのでしょうが
随分と赤らんでいます

その瞬間に
寒さが一層身に染みるように
感じられました