風のささやき

冬ぬくし地蔵に尋ねる分かれ道

随分と暖かな午後でした
何枚も着込んだ衣服に
少し汗ばみながら
僕は田舎道を歩いていました

目的も無く散歩がてらに歩いていたので
真っ直ぐだった道が二つに分かれると
どちらに行こうか迷ってしまいました

その分かれ道のところにはちょうど
赤い涎掛けをしたお地蔵様
とても穏やかな顔をしています

まるで僕が行くべき方向を
知っているような気がして
僕は背中に暖かな陽射しを感じながら
お地蔵様に道を尋ねていました