ヘロドトス 歴史

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ヘロドトスーウィキペディア

ギリシャ語でヒストリアイ(historiai)は「探究、調査」という意味。従って「歴史」という題名は「探究の書」あるいは「調査報告書」としてもよいかもしれない。

第一巻の冒頭に掲げられている序言を次に示しておく。

「これはハリカルナッソスのヘロドトスが著した探究の書である。本書において、人々の営為の記憶が時のかなたに葬り去られぬよう、 また時にはギリシャ人が、時には異邦人が成し遂げた、偉大で驚嘆すべき幾多の偉業の栄光が失せぬよう、なかんづく両者の争いの原因が忘れ去られぬよう、書き留めた。」

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邦訳目次

ヘロドトス『歴史』は、後世の学者によって九巻に分割され、それぞれ学芸の女神ムーサ(ミューズ)たちの名前が冠せられている。

第一巻 CLIO クレイオ
第二巻 EUTERPE エウテルペ
第三巻 THALIA タレイア
第四巻 MELPOMENE メルポメネ
第五巻 TERPSICHORE テルプシコラ
第六巻 ERATO   エラト    2017.3.5 掲載
第七巻 POLYMNIA ポリムニア 2017.4.25 掲載
第八巻 URANIA   ウラニア  2017.6.7 掲載
第九巻 CALLIOPE  カリオペ  2017.7.25 掲載

用いた底本
*The History Herodotus
 A.D.Godley
 Cambridge.Harvard University Press.1921
*The History Herodotus
 G.C.Macaulay
 Macmillan, London and NY 1890
*The History Herodotus
 George Rawlinson
 J.M.Dent,London 1858
*Inquiries Herodotus
 Shlomo Felberbaum
 work in progress 2003

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ヒポクラテス集典の部分訳を終えてから2年4ヶ月。昨年から塩野七生氏の「ギリシャ人の物語T」を読み始め、年明け早々にその第二巻が刊行されたので読んでみた。 その中で、ヘロドトスの「歴史」に言及されていることが多く、ペルシャ戦役の部分を読んでみたくなったので、ネットで英訳文を探して読んでみた。

第一次、第二次ペルシャ戦役が書かれているのは第六巻の後半から第九巻にかけてである。

読まれる際には、是非とも地中海の地図を手元におき、地名の場所を確認しながらお読みになることをおすすめする。例えば、ペルシャ軍の進軍経路を示してくれているサイトMap showing events of the first phases of the Greco-Persian Warsがあるので、それらを参考になさるのもよろしかろう。

なお、本書に即した詳細な地図がCD-ROM版で販売されているので、一応紹介しておきます。懐に余裕のある方は是非。これは誠に便利です。読書地図帳 ヘロドトス 「歴史」

底本にしたのは上記のうち最初に挙げたGodleyの訳文であるが、文意の理解しがたい部分は二番目以下に挙げた訳文を適宜参照した。従って単一の本に従ってはいないので、その点ご諒承願います。

ヒポクラテスの場合と異なり、いわゆる「逐語訳」のように英文に忠実に訳す、という態度は取らず、また記述のもたつく箇所が散見されるので、それらを一文にまとめたりして、できるだけ滑らかで簡潔な訳文となるように心がけた。

第六巻だけであるが、読んでみた感想は、ヘロドトスは現代ならさしずめ、フリーランスのルポライターではないかという印象を強く持った。ギリシャ世界をあちこち旅して回り、集めた事実や噂話を、捏ねあげた餅を千切っては放り投げるようにして「歴史」の中へ書き込んだように思われる。

もちろん、専門家の手になる訳本があるので、それを読んでいただくとよいのだが、ネットで気軽に読める状態にしておく人間が一人くらいいてもよかろうと思う次第である。以後、できれば第七巻から最後の第九巻まで掲載してみたいと考えております。

最後に、誤訳などお気づきの点をご教示いただければ、有り難いと云爾(シカイフ)。

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