木材の性質は、元となる木の種類によって大きく異なります。丸太の年輪をよく見ると、木の成長が活発な春にできた早材(春材)と、成長が休止する秋にできた晩材(夏、秋材)の繰り返しであることがわかります。これらの細胞の性質は広葉樹と針葉樹で異なり、板材にしたときの性質の差をつくるのです。
広葉樹は堅木(かたぎ・ハードウッド)と呼ばれ、家具で用いられるのはほとんどがこのハードウッドです。それに対して、軟木(ソフトウッド)と呼ばれる針葉樹は、耐水性や直進性に富むことから建築材料としてよく使用されますが、家具においては、イチイ材やパイン材などの一部を除いてはあまり使われることはありません。家具材料として最も需要が多いのはブナ(ビーチ)やミズナラ、ホワイトオークなどです。近年では、杉の間伐材の有効利用も注目されています。
樹種名 |
檜 -ヒノキ- |
ブナ -beech- |
|
 |
 |
科目 |
ヒノキかヒノキ属 常緑針葉樹
学名 Chamaecyparis obusa |
ブナ科ブナ属 落葉広葉樹
学名 Fagus crenata |
産地 |
本州中部〜屋久島に分配 |
日本 |
色調 |
淡い黄白色〜淡紅色 |
白色または薄いピンク系の白色 |
性質 |
狂いが少なく、加工性は良い、耐湿、耐水性に優れ、保存性が高い。 |
イス用材としては有名で、曲げ加工に適している。
ツキ板としては最近特に人気のある樹種。特徴として全面に小さなフ(斑)が入っている。
|
用途 |
寺社建築をはじめ高級建材として使われるほか、造作材、建具材、家具材、曲げ物材など幅広く用いられる。 |
家具材(主に脚物金物)、スキー板、ベニヤ板、玩具材などに用いられる |
樹種名 |
ホワイトアッシュ -White Ash- |
ホワイトシカモア -White Sycamore- |
|
 |
 |
科目 |
モクセイ科 広葉樹
|
カエデ科 落葉広葉樹 |
産地 |
北米全域に生育、中東部に多い |
ヨーロッパ中部、西アジア |
色調 |
白色、淡黄白色 |
白色、乳白色 |
性質 |
日本のタモ、塩地と類似。色が白く目が荒いのが特徴。木質は重く強靭で硬さにすぐれ、衝撃にも強いという特性を備える。木理は比較的通直、表面仕上げより中庸、容易に曲げることができ、仕上がりがきれいで加工性に優れている。
|
乳白色のツヤのある独特な風合いをもっている。時に波状(チヂミ)の木目をもつ。強いチヂミの物は珍重され高価である。
古くからヴァイオリンの裏甲板としても珍重されている。(ストラディバリウス等)
木理は比較的素直で加工もしやすい。国内では柾目が多く、海外では板目が多く使われる。
|
用途 |
家具用材、建具用材、ドア材、合板材、玩具材など |
高級家具、楽器材、内装材、室内装飾建具、フロアーなど。 |
樹種名 |
マホガニー -Mahogany- |
ローズウッド -Rose wood- |
|
 |
 |
科目 |
センダン科広葉樹 |
マメ科 Dalbeegia属広葉樹 |
産地 |
中米及び南米に分布 |
東南アジア |
色調 |
淡紅褐色〜淡橙褐色 |
紫色、紫赤色、黒紫色の縞あり |
性質 |
材の加工性や寸法安定性、耐久性に優れている |
世界を代表する高級銘木の1つである。唐木類で非常に硬い為、加工は困難。
木質は重硬、木理はやや交錯、仕上げは良好で光沢があり、高級感は他を圧する。
|
用途 |
家具材、彫刻材、模型材、内部装飾材、高級車のダッシュボードやハンドル、シフトレバーにも用いられる |
高級家具材、指物、唐木細工、象嵌、突板、ナイスの柄など。 |
|