木材の性質は、元となる木の種類によって大きく異なります。丸太の年輪をよく見ると、木の成長が活発な春にできた早材(春材)と、成長が休止する秋にできた晩材(夏、秋材)の繰り返しであることがわかります。これらの細胞の性質は広葉樹と針葉樹で異なり、板材にしたときの性質の差をつくるのです。
広葉樹は堅木(かたぎ・ハードウッド)と呼ばれ、家具で用いられるのはほとんどがこのハードウッドです。それに対して、軟木(ソフトウッド)と呼ばれる針葉樹は、耐水性や直進性に富むことから建築材料としてよく使用されますが、家具においては、イチイ材やパイン材などの一部を除いてはあまり使われることはありません。家具材料として最も需要が多いのはブナ(ビーチ)やミズナラ、ホワイトオークなどです。近年では、杉の間伐材の有効利用も注目されています。
樹種名 |
桐 -キリ- |
欅 -ケヤキ- |
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科目 |
ゴマノハグザ科キリ属の落葉広葉樹 |
ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹 |
産地 |
北海道において植栽。日本へは中国から伝来されたとされ、アメリカにも自生する。最近ではブラジル、パラグアイ、マレーシアなどにも植栽されている |
本州、四国、九州に分配し、朝鮮半島にも分配する。 |
色調 |
くすんだ白色 |
黄褐色 |
性質 |
日本の木材でもっとも軽く、切削等の加工は極めて容易、湿度を通過することが少なくわれ、狂いが少ない。 |
日本を代表する優良材で有名。材に光沢があり、とても木目がはっきりしている。とても硬く強い。
古くより社寺仏閣に多く多く使用され、特に天井、床木、大黒柱が代表的。この半世紀は、民芸品、家具、内装材としてあます所なく使われている。
完全乾燥し、狂いやあばれを落ち着かせるまでに、かなりの時間を要する。
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用途 |
家具材、下駄材、楽器材、箱材など幅広く用いられる |
建築材、家具材、建具材、造形材と幅広く用いられる |
樹種名 |
栗 -クリ Chestnut- |
桜 -サクラ Prumu- |
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科目 |
ブナ科クリ属 落葉広葉樹
学名 Castanea crenata Sieb et Zucc |
バラ科サクラ属 落葉広葉樹
学名 Prumu |
産地 |
日本 |
本州、四国、九州に自生 |
色調 |
灰白色 |
淡い黄褐色〜褐色 |
性質 |
材は重硬で弾力に富む。水湿によく耐える。 |
加工性、着色製ともに優れ、磨くと光沢がでる。 |
用途 |
家具材、建築の土台、土木材、杭木 |
高級家具、楽器材、建築材、造形材、彫刻材などに用いられる |
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