木材の性質は、元となる木の種類によって大きく異なります。丸太の年輪をよく見ると、木の成長が活発な春にできた早材(春材)と、成長が休止する秋にできた晩材(夏、秋材)の繰り返しであることがわかります。これらの細胞の性質は広葉樹と針葉樹で異なり、板材にしたときの性質の差をつくるのです。
広葉樹は堅木(かたぎ・ハードウッド)と呼ばれ、家具で用いられるのはほとんどがこのハードウッドです。それに対して、軟木(ソフトウッド)と呼ばれる針葉樹は、耐水性や直進性に富むことから建築材料としてよく使用されますが、家具においては、イチイ材やパイン材などの一部を除いてはあまり使われることはありません。家具材料として最も需要が多いのはブナ(ビーチ)やミズナラ、ホワイトオークなどです。近年では、杉の間伐材の有効利用も注目されています。
樹種名 |
タモ |
チーク -teak- |
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科目 |
モクヒイ科トネリコ属 落葉広葉樹
学名 Frazinus mandshurica var. Japonica |
クマツヅラ科Tectonacc属 落葉広葉樹
学名 Tectona grandis.L.F |
産地 |
日本 湿地帯に多く自生。 |
東南アジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシア |
色調 |
明るい褐色 |
褐色、黄褐色、茶系の縞をもつものもある |
性質 |
人気のある材料でよく使用されている。木は硬いが狂いも少なく加工しやすい。
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世界的にとても有名な高級銘木である。産地名を取りタイチーク、インドネシアチークとも呼ぶ。
木質は重硬で、木理はおおむねまっすぐ、伸縮、反張が少なく表面はワックスを塗ったような肌触りから耐久性、特に腐食に強い。その為、船舶の内装材、甲板材としても使われている。縞のあるものとないものがあり、その時代のはやりにより左右される |
用途 |
家具材、造作材、器具材、ベニヤ材、土木材など。 |
家具材、キャビネット材、船舶材、建築材、床材に用いられる |
樹種名 |
ニヤトウ -Nyatoh- |
楢 -ナラ Oak- |
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科目 |
アカテツか Palaquium広葉樹
学名 Palaquium spp |
ブナ科コナラ属 落葉広葉樹
学名 Quercus crispula |
産地 |
東南アジア、フィリピン、タイ |
日本に生殖、朝鮮にも分配 |
色調 |
淡紅褐色 |
くすんだ灰褐色
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性質 |
木質は重硬。木理は通直、肌目も比較的細かい。乾燥、加工もしやすい。
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この木の特徴として、斑(ふ)が全面に入る。縦方向に入るものを縦斑、横方向を横斑といい、特に大きいものを虎斑という。
この斑を好むケースもあるが、ほとんどの場合は敬遠されるため、斑の多い材は歩留まりが悪い。
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用途 |
家具材、建具材、建築材、装飾用内装材、造形材、楽器材など。 |
家具用材、洋酒の樽材、建築材(床材)、枕木、器具材。ブナともに曲げ木の材料に適す。 |
樹種名 |
ニレ -Elm- |
バーズアイメープル |
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科目 |
ニレ科ニレ属 落葉広葉樹
学名 Elums davidana Var |
カエデ科 落葉広葉樹 |
産地 |
北海道、本州、中国、朝鮮、シベリアなど広域に生育 |
北アメリカ |
色調 |
黄白色〜淡褐色 |
クリーム色、白色から薄い赤茶色 |
性質 |
ねばりがあるので曲げ木にてきする |
バーズアイメープルはハードメープルの中の特定の柄の通称。
杢目の中に小島の目のような小さな玉粒が一面にあるのが特徴。その為、鳥眼杢とも言われる。玉粒が強く、多く全面に均等に入るものは珍重され貴重品である。
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用途 |
器具材、車両材、家具材、造作材、ベニヤ材、枕木など幅広く用いられる |
家具、内装造作材、楽器
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