模型道楽 | AIRCRAFT - Henschel129

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MOKEI-DORAKU : Scale Models and Composite Photographs.

Henschel Hs129 B2

ロシアの平原を我が物顔に走り回るT34に対し、ドイツ空軍はスツーカの爆弾投下では無力で
あることを知り、新たな対戦車攻撃機を投入した。
コクピットは装甲板で守られ、胴体下面には30mm機関砲1門を装備したHs129は、低空から戦車の
弱点である後上面を狙って攻撃を仕掛けた。しかし、30mm砲弾の威力は、必ずしも十分では無く、
機体のパワーや信頼性不足から、活躍するには程遠かった。結局、対戦車攻撃機は、Ju87スツーカに
37mm砲を2門搭載したG型へバトンタッチされてゆく事となった。

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Hs129のキットについて

双発とはいえ、単発のスツーカと比べても小型なHs129は、前方の視界以外は非常に悪そうな
デザインですが、大口径の機関砲を搭載した攻撃機として、ドイツ機の中で、魅力的な機体です。
鮫を思わせる機首の形状は、いかにもタンクキラーという面構えをしていて強そうな雰囲気です。
 塗装バリエーションは、砂漠迷彩と冬期迷彩以外は皆ブラックグリーンとダークグリーンの
スプリンターで、面白くありません。キット付属のデカールでもかまわなかったのですが、
ちょっと凝って手描きでブルーのGにしました。
昔の資料では、黄色のGとされていますが、どう見ても胴体の黄帯より濃く、レッド、グリーン、
ブルーのどれかというように見えました。他の飛行隊で赤の白ふち文字を使用しており、
この機体は飛行隊記号の黒い三角と合わせて、レターも赤以外ではなかろうかと、勝手に
推理しました。では、なぜブルーを選んだかと言うと、コクピット後ろの熊の部隊マークの地色が
ブルーだからです。スピナー先端も同じ色で所属が分かるようになっており、機首には白でGを
記入しています。で、考証の続きですが、結局部隊マークも赤という説も見つけ、Gのマークも
どうも赤の可能性が高いように思えて来て、さらには機首のGマークは、歩兵戦闘章であることが
はっきりしたので、泣く泣く後から再塗装しましたのでした。

イタレリのキットは、いつもの調子で、ちょっとダルな筋彫りと、考証ミスがちょこちょこ
ありましたので、長谷川のキットと写真を参考に、ディテールアップを施してあります。
機関砲はアルミパイプを組み合わせてシャープに仕上げ、エンジン下面の吸気口は、
円形タイプに改造。50kg爆弾は、他のキットからトレードしてきました。
今回もフライングモデルですので、機関砲の薬莢排出口を生かし、透明アクリル板を支柱にして、
飛行中の雰囲気が出せるデザインにしてあります。ベースには麻縄をほぐしたものを接着塗装して
平原を表現し、そこにワールドタンクミュージアムのT34をディテールアップしてミニダイオラマ
仕立てにしてあります。
スケールは、同じ1/72では、飛行高度を表現できないので、スケールの差が低空飛行している
雰囲気の演出にうまくマッチしたようです。