模型道楽 | Tools

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MOKEI-DORAKU : Scale Models and Composite Photographs.

模型で使う工具について

模型を始めた頃は、子供でしたから、箱を開けるなりすぐにパーツを手でもいで傷つけたり、爪切りで切って、本体に爪痕を残したり、きれいに作るより、一刻も早く全体が見たい気持ちでいっぱいでした。そのうち小学校の図工で使う「ボンナイフ」を使い始めましたが、今のカッターが無かった頃ですから、錆びてほとんど切れなくなるまで何とか使うのが普通でした。

現在は、できるだけリアルにかっこ良く見せたいと思って、細心の注意で仕上げるわけですから、当然工具類もそれなりに使いこなします。これらの工具は、模型専用の物ばかりではなく、ホームセンターで手に入る物もありますが、似ていても、模型用に細密な仕上げをされていたりしますので、出来るなら模型用とうたってある製品をご購入ください。

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<カッター>
模型制作で一番多い作業は、「切る」という作業でしょう。切れ味を維持する事は、刃物で正確な作業をする上で重要です。刃先が折れて切れ味が鈍っている刃物を無理して使うと、思わぬ怪我をする事がありますので、十分注意してください。
一番上から、30度の鋭角なカッター(細密な切り出し用)と、普通のカッター。両方使い分けると便利です。切るだけでなく、カンナがけのように削ったりする事もあります。
三番目は切り出し用のデザインカッター。これは、刃先が30度のものを付けていますが、替え刃として60度のものもあるので、加工部分に応じて付け替えます。替え刃は1枚ごとに別れていれるものを、ねじ式のホルダーで固定して使います。刃を折るタイプとは、刃の向きが違いますが、こちらは押してきったりしやすいので、火であぶって延ばしたランナーから、アンテナを切り出すような作業に向いています。
一番下は、エグザクトナイフ(商品名)。海外では一般的な模型用ナイフとして有名なようですが、日本では入手しにくそうです。様々な形状の刃先が別売りで揃っている所が魅力です。ただ、刃の厚みがあるため、あまり細かな作業には向いていないような気がします。厚みが有る分、カッターの用に刃先が折れないので、砥石で研いで長持ちさせると良いでしょう。

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<ヤスリ>
金属ヤスリは、プラスチックを削って整形する用途に用います。写真はホームセンターで入手した、一般的な棒ヤスリセットです。様々な断面、局面のヤスリがあるので、どのように整形するか、目的に合わせた物を使い分けていきます。一番上の1本だけは、別に模型屋で購入した精密加工用の棒ヤスリです。針のように細いので、砲身の中を丸めるような加工に向いています。
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こちらの金属ヤスリは、上から目立てヤスリ(細密用)、一般的な目立てヤスリ、下が鬼目ヤスリです。
目立ては、平に整形する場合と、細いV字型の溝を削ったりするような時に活躍します。ヤスリの中では一番便利な気がして、愛用しています。
下の荒い目のヤスリは、がんがん削り込む必要が有る場合に効果的ですが、気をつけないとスレートのようになってしまいます。表面になる部分には、あまり使う事は無いでしょう。

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<ピンセット>
カットした細かいパーツを、所定の位置に取り付ける時に必要なのが、ピンセットです。安いピンセットだと、先端の合いが悪く、挟んだパーツを飛ばして紛失する原因になったりしますので、できるだけ良いものを購入してください。最近では、模型用でパーツをしっかりホールドできるという製品が出て来ていますので、そういうのも良いでしょう。デカールを貼る時にも使いますが、その場合は、あまり尖ったピンセットだと、デカールを破く原因になりますので。ご注意ください。

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<ハサミ>
ハサミは、デカールのおおまかな切り出しや、紙のような素材を切る場合に使用します。上は、エッチングパーツの切り出し用で、真鍮版のような固い素材が切れる、頑丈な刃を持っています。下の黒いハサミは、フッ素加工してあるため、刃に汚れが着きにくく、切れ味も鋭いお気に入りのツールです。一般的な工作用ハサミは、大き過ぎるので、模型用としては、あまり出番は無いかもしれません。

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<ニッパー>
ニッパーは、模型のパーツを、ランナーから切り離したりする時に便利です。カッターで切ると、細いパーツを折ってしまう事がありますが、ニッパーだと、両側から挟んで切り出すため、パーツ部分に負荷をかけにくくなっています。切り離すのに便利だと言っても、金属線のような固い素材を切ると、刃が欠けてしまうので、あくまでプラスチックのような素材に使いましょう。

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プライヤー>
曲げ加工は、主にエッチングパーツのような金属板を加工する場合が多いでしょう。真鍮やアルミ、ピアノ線、燐青銅といった、金属線を曲げる時にもつかいますが、あまり固い物を曲げると、すぐに先端が痛んでしまいます。そういう場合は、痛んでもいいような、安いヤットコ(上)を、ホームセンターで入手しましょう。また、もう少し大型の、一般工具のプライヤーでも良いでしょう。
下の製品は、シリウスの模型用工具ですが、細密加工用なので、丁寧に扱います。

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<ドリル/ピンバイス>
模型に、機銃孔のような、極小の孔を空けたいという場合は多いですが、その際には、極細のドリルと、それを固定するピンバイスが必要です。タミヤのドリルセットはケース付きで5段階の太さがありますので、小さな孔はこのセット一つで十分です。これより大きな孔は、ホームセンターで売っているドリルセットでも良いでしょう。

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<エアブラシ>
昔は、エアブラシといえば、オリンポス社のピースコンと決まっていましたが、無くなってしまった現在、グンゼやタミヤの物が、模型用として入手しやすいでしょう。細めの0.2mmクラスなら、細かい迷彩柄を吹けますし、0.3mmなら、1/35の戦車全体や、飛行機のような、中程度の面積に使いやすいでしょう。それより広い面積を塗装する場合、より大きな口径のハンドピースが有ると便利ですが、広く塗れるということは、塗料が飛び散りやすく、使用する塗料の量も多いわけで、どこで塗装するのかが問題になるかもしれません。

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<エアコンプレッサー>
エアブラシとセットで必要なのが、エアコンプレッサー。最近では、小型化、静粛化されていて、深夜でも運転音が気にならないような機種も出ています。写真は一般的なタミヤの製品ですが、日中なら気にならない程の運転音です。エアブラシと一括購入すると良いでしょう。模型用の機材としては高額商品ですので、後悔しないように、自分に合った製品を探しましょう。