ウィーン

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ウイーン
Wien

 冒頭にも触れたように、私にとってウィーンはちょっと取っ付きにくい町でした。クラシカルミュージックはそれなりに好きだけれど、外国での音楽はロンドンでロックを毎日聴き、ニューヨークで今は亡きジョンケージをソーホーで、ラヴィシャンカールをカーネギーホールで聴く時が、私にとっての経験なもので。でも冒頭で触れたように音楽以外にも見所は一杯あるのです。余り毛嫌いしないで、世紀末のウィーンを楽しみましょう。

 大昔から、この町は中世の城壁を撤去してそこに周回道路を配置したというのは、建築史などで習って知っていましたが、せいぜいパリのように順次拡大していった位に思っていました。実際パリは何度となく城壁を撤去しては拡大していたのですから。でもウィーンは違った。こんなに強固な城壁がかつてあったとは本当に知らなかった。確かにオスマントルコとの壮絶な戦いは知っていたけれど、それがこんな城壁を残していたとは。稜堡を持ち、その外には無人地帯が幅広くとってある・・これではまるでイタリアの中世都市、たとえばルッカのように中世そのものではないですか。それほどにオスマントルコとの戦いは厳しかったのです。トルコ軍も一度は城壁を破り、市内に突入したとか。それでもウィーン側の必死の抵抗により、完全制圧は出来ずに結局は退却。ウィーン制圧は実現されることなく、戦争は終結したのでした。

 そしてようやくオスマンとのの戦いから200年近くを経て、ウィーンはようやくこの強固すぎる城壁の撤去、都市の大改造に乗り出し、郊外まで市街化が連続する事になあるのです。オペラ座、新王宮、国会、楽友会館、市庁舎、公園、美術館、次々とコンペにより作り出される建築群、現代で言うとベルリンの壁が取り払われたようなものかもしれません。
 そんなウィーンの楽しみ方。ホテルに着くと早速オペラはどう?と聞かれたのですが、とりあえず子供がいるんで行くのは無理とだけ答えておきました。あまり興味ないのでとは言いたくないですしね。我々にとっては、ここウィーンでも都市・建築・美術、そして子供たちのお楽しみという構成になるのです。都市はやはりリンクであり、建築はワグナーとその同時代の人たち、美術は美術史博物館にフェルメールを、アカデミー絵画館にボッシュを見に行かねば、そして子供たちのお楽しみはプラターの遊園地。何かあっという間の4泊でした。

構成は次のようになっています。

1 ウィーンのホテル・・アムシューベルトリンク

2 オットーワグナー

3 美術館

4 子供たちのお楽しみ・・プラター

5 食事そしてカフェ

6 ウィーンあちこち

1790年頃のウィーンの地図。城壁と稜堡も凄いけれど、その外側の無人地帯の広がりにびっくりします。1529年のトルコ軍による第1回包囲、1683年の第2回、その度にそこに城壁の外にあった人家はどんどん壊され、無人地帯になってしまった。そしてようやく1699年の条約締結により戦争は終結。それから100年を経ても、まだ遠距離大砲に備えるための無人地帯、城壁、稜堡を守っていたのです。この呪縛から解き放たれるのが1850年代ですから、この地図からまだ50年は城壁の中の生活が続いたのでした。そして、これだけの無人地帯があったからこそ、リングの建設、それに付随した都市の大改造は、旧市内を痛めることなく実施する事ができたのです。
現在のウィーンの地図。一見普通の都市の地図ですが、やっぱりリンクがとても目立ちます。環状道路という発想は、あんまり昔はないのではないでしょうか。トラムに乗ってそこに面した様々な建物を見ながら一回りというのが実によかった。
うって変わって、リングを疾走(?)する観光馬車。結構観光しちゃいました。ルートはリング中央にあるペーター教会前からスタートして、サンシュテファン、アンカー時計、エンゲル薬局、ロースハウスから王宮内を抜け、ブルク門から、リングに出る。そこから北上して、ブルク劇場、ウィーン大学を抜けてから再びリング内に戻ってくる。そんなコースで約40分、50ユーロだったと思います。トラムとは追い抜かされては信号で一緒になり、また離されては追いつきを繰り返していました。
市内中心部で行われている共同自転車利用システム。中古(多分)自転車に派手な色を付け、指定駐輪場(スタンド)に置く。利用者はキーを有料で借り、スタンドにある自転車を好きなスタンドまで利用する。そんなシステムです。日本の新聞には3割位が行方不明とか。3割なら十分だと思いますが。ホテルの裏にスタンドがあり、ちょうど学生(?)が戻しに来たところでした。トラムの周回路線が見えます
ナッシュマルクト。セセッションの向かいに見えてきたので、そのまま覗いているうちに、そのままマヨルカハウスまで行ってしまった。要はその間ずっと続いているのです。こういう所、本当楽しいです。キッチン付きではなかったので、お菓子しか買いませんでしたが。
王宮庭園にあるモーツアルト像。ここも観光しました。
ウィーンのホテル オットーワグナー 美術館 プラター 食事、カフェ ウィーンあちこち



ツアーの組み立て ウィーン プラハ