東寺、法観寺
Toji, Hokanji
東寺の中心である講堂。一体この中だけで国宝がいくつあるのでしょうか。広角で何とか収まりました。
めくるめく密教の世界がこの中に存在します。
後半は五重塔というくくりにして、二つの寺院をご紹介します。京都の五重塔は東寺、八坂の塔として知られる法観寺、仁和寺、醍醐寺と4基ありますが、国宝が東寺と醍醐寺という内訳で、そうなのか、国宝は二基あるのですね。 東寺 34 58 50.41,135 44 51.65 東寺は国宝の宝庫と言っていいでしょう。その数でいえば多分法隆寺にはかなわないけれど、多分京都では断トツではないでしょうか。世間では五重塔が有名で、まあ普通の古くからのお寺だという印象ですが、実は内部は密教の宝庫であり、その世界観の表現には飽きることがありません。弘法大師の教えを今の世に忠実に再現しているかなり個性ある寺院です。そして建物構成でいうと、大体は寺院の中心は金堂なのに、ここは講堂の方に重きがあるという不思議な構成になっています。 |
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その昔の東寺国宝展の図録からご紹介します。講堂の左側に安置されている五大明王像で、中央は真っ赤に燃えている不動明王です。みんな国宝だ。 | こちらも国宝群。同じ図録からです。講堂の右側の五菩薩像で、中央は金剛波羅蜜多菩薩。左よりかなり穏やかな仏たちです。こちらも国宝揃い | ||||||||
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灌頂院での展示風景。京都新聞サイトから失礼しています。確かに凝った展示にしていますし、独立しても、いやその方が存在感が増すのです。 | |||||||||
五重塔の初層。春秋の特別公開の時期に内部が公開されます。ここも徳川家光の寄進というように、徳川家が京都にはあちこち関わっているのです。 | |||||||||
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御影堂。大師堂とも呼ばれています。寺というより上品な住宅に近い優しい建築でした。これも国宝。 | ちょうど弘法市が開かれていました。こういうのも見出すと切りがない。いやいや荷物は多くしてはいけません。 | ||||||||
法観寺 35 59 54.79,135 46 45.29
八坂神社から南に行くと、観光客がどんどん増えていきます。最近は着物を着て待ちを歩くというのがはやっているようで、至る所に着物の人を見ることが出来るのです.その殆どは外人なのかもしれません。日本人が旅先でわざわざ着てみる気にはならないのではないかと思いますが、どうなんでしょうか。 その界隈に聳えているのが八坂の塔、お寺の名は法観寺ですが、塔しかないといっていい寺です。そしてここの素晴らしい所は塔の内部、それも二層まで上がれることです。五重塔、三重塔の内部に入れるのはいくつかあるし、その中で最も素晴らしかったのは甲賀の西明寺で、一日ずっといてもいい、いや泊まってみたいとさえ思ったのは随分若い時でしたが、そういう経験が出来る所が殆ど無いのが残念です。でも考えてみればそもそも塔は建築というよりもモニュメントですから。水煙と九輪、それと仏舎利を収めるスペースさえあれば、後は飾りなのです。そうやって考えてみれば、平等院に通じるものがあります。 その点ここ法観寺は、内部に入れるばかりか、二層まで登ることが出来る唯一の寺です。外は観光客ですごい人なのに、五重塔にはたまにしか人が入って来ないのは余り興味ないのでしょうか。初層には四方に仏を配置し、壁画も描かれている立派なものでした。ただどこかで修復をしてあげたくなる程痛んできています。アトキンソン氏ではないですが、文化財修復に費用はかけるべきでしょう。そのための一部が拝観料なのですが。 二層は当然何の装飾もありません。後はおまけの塔内部なのですから。でもここから外が見えるというのは貴重な体験です。人間高い所に登りたくなるもので、二層とはいえ、相当の高さはあり、おまけに坂の上にあるものだから遠くまで見渡すことが出来ます。またそれだけ目立つということは、ウィキに「地方から上洛した大名が当寺に定紋入りの旗を掲げることによって、誰が新しい支配者・天下人になったかを世人に知らせたという。」とあるように、ランドマークとして昔から機能していたのですね。 造りは純和風。永享12年(1440年)の再建とありますから、室町中期になるのか。山口の瑠璃光寺の五重塔と同じ時代になります。何か改めて国宝にしてほしい気になりました。全体のフォルムは予想以上に美しいし、この町中にあって室町期の、それも高層の塔が存在するのは結構奇跡なことです。改めてここからどれだけの戦乱、地震、そして大火などを見届けてきたのだろうか、という思いを抱いてしまいました。 |
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二層から京都市内方面を見る。ぞろぞろ人が歩いています。
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観光客が一杯のエリアにすくっと聳えています。この均整の取れたたたずまいは国宝の価値があると思いますが、重文のままなのです。 | 初層には仏と天井画も描かれています。頑張って修復してほしいと思ってしまった。 | |||||||||
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心柱を見上げています。ごつい木組みが右に左に行き交う様は、この塔を精一杯支えている感にあふれていました。 | ||||||||||
四方に仏像を安置。京都で唯一仏を撮影出来たスポットでした。如来様でしょうか 壁画も見えます。 | ||||||||||
二層目の窓を見ています。正統派の和様はやはり美しい。