第58回日本癌学会総会 記念3講演 「環境とがん・予防と診断」
  〜治す医療広がる
  〜カギは治る決意

 1999.10.20  朝日新聞

(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)
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病理診断の重要性・・・広島大学教授 田原栄一さん
 〜病気の組織 細かく解析


診断の進歩と治療適応
    ・・・国立がんセンター東病院副院長 吉田茂昭さん
 〜診断の進歩と治療適応


内分泌かく乱物質とがん
    ・・・名古屋市立大学長 伊藤信行さん
 〜発ガンリスク心配無用


治療の今

〜カギは治る決意

主婦37歳 乳がん治療記
   〜カギは治る決意
大腸がん増加
   〜開腹なし・神経残す・・体に優しい試み拡大
検診・早期発見へ改革の波
   〜乳房X線撮影・血液で胃検査・肺はCT有効


■講座に寄せて
・・・(財)日本対がん協会常務理事・事務局長 富永久雄さん

「生への一歩検診から・予防第一まず食生活」

 我が国では昨年、28万人を超える方ががんで亡くなっています。死者の三人に一人は何らかのがんで亡くなるという時代に入ってしまったわけです。
 その一方で光明もあります。がんを克服し、社会復帰する人たちが増えていることです。「がんになったら助からない」という時代ではなくなったことも確かなようです。診断・治療法の進歩によるものですが、その生死を分けるのは「早期発見」です。

 ある高名ながん研究者は「がんではないか、と10人から相談されると、だいたい4人ががん。うち2人が助かり、2人は助からない。しかし、助かった2人も、もしあと一、二年放っておけは助からなかっただろう。逆に、助からなかった二人も一、二年早く相談してくれたら助かる可能性が高かった」と言っています。がん検診による早期発見の大切さを訴える話として、示唆に富んでいると思います。

 検珍と並んで、一人ひとりが日ごろの生活習慣を見直すことも、がんの予防に役立ちます。「がん予防の30%は食生活にかかっている。日本では年間40万人以上が新たにがんに罹患していると推定されるが、食生活を見直すことで10万人以上が罹患しないですむだろう」という公衆衛生学者もいます。最近、厚生省ががんを「生活習慣病」の範ちゅうに入れて対策を講じているのもこのためです。

 まず、がんにかからないように努めること、そしてがん検診で早く見つけること、この二点からの予防が、当面の「がん対策」として重要であることを強く訴えたいと思います。

    ◇◇◇◇◇◇

 財団法人・日本対ガン協会(会長=杉村隆・国立がんセンター名誉総長)は、がん予防知識の普及、検診の推進や検診機器の整備、検診従事者の研修、厚生省からの委託事業である「がん無料相談」など、がん征圧運動を進めて41年になる。協会の活動は一般からの寄付で支えられている。個人会員(年千円以上)、法人会員(年五万円以上)のほか、一時的な寄付も受け付けている。問い合わせは同協会(03−3571-5203)へ。

 ホームページ(http://www.mmjp.or.jp/cancer/)にも説明がある。





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