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診断の進歩と治療適応
最近は、早期のがんがどんどん見つかるようになりました。目を覆いたくなるような進行がんはかりではなく、いろいろなステージ(病期)で、がんが見つかるようになってきたので、それぞれのステージに合わせ、治療を考えていく必要が出てきます。治療のメニューが増えてきているというのが現状です。
小さな早期がんなら内視鏡手術で取ってしまう。エタノールを注入するなどの方法もあります。進行がんになっても、手術による治療はかりでなく、放射線療法、化学療法を組み合わせた治療も行われます。それでもだめだということになった場合には、その治療を継続するだけでなく、症状を緩和する「緩和ケア」も用意されています。
以前は小さながんや浸潤の少ないがんが見つかっても、おなかを開いて切っていました。今は内視鏡で切除できるので、早期に見つかれはメリットの多い治し方ができるようになったのです。
化学療法というのは全く無効である、というようなことを書いている本もあります。しがし、たとえは胃がんの場合、根治はできないにしても、生存期間が延びることは間違いありません。手術が不能な例で生存期間を比べると、化学療法をしなけれは3ヵ月、すれば9ヵ月ないし1年、というのが、現在の世界的な標準になっています。
「手術ができません」と言われても、それで亡く在ってしまうわけではなく、色々な治療をすることによって長期の生存ができること、可能性はゼロではないことを知っておいてほしいと思います。
最近は「オーダーメードの化学療法」といった言葉も聞かれます。遺伝子を詳しく調べることによって、「このタイプのがんはこの薬が効く」といったことが分かるようになるといわれています。
私が強調したいのは、治療を正しく選ぶことが、いかに大変かということです。肝臓がんとか、食道がんとか言われたときに、どのようなステージの、どんな性格のがんなのかという話をきちんと聞く必要があります。そうでないと、自分がどんな治療を受けるべきか判断できません。
最終的には、自分の考える結論に従って治療法を選んでゆくしかないのです。
一番困るのは、「がんになったのだからもうじたはたしない」 「何もしない」という人です。これは「逃避」につながる姿勢です。自分ががんであることを考えたくないのです。私たちはこのような患者さんに対して、少しでも前向きに考えてもらえるようにいろいろ話をしています。みなさんも逃避だけは避けてください。がんの治療法はたくさんあるのです。レストランでメニューを選ぶように治療法を選ぶ時代になってきたのです。そのことをぜひとも覚えておいていただきたいと思います。
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