ベールの彼方の生活
第四巻『天界の大軍』 リーダー霊 ⇒ アーネル霊(名前を改めてアーネルと名告る)
GVオーエン(George Vale Owen)著
近藤 千雄(こんどう かずお)訳
潮文社 発行
前巻の〝あとがき〟の最後のところで私は〝いよいよ翻訳に取りかかる時は、はたして自分の力で訳せるだろうかという不安が過り、恐れさえ覚えるものである〟と述べた。
結局四度この不安と恐れを味わい、いまやっと全四巻を訳し終えた。長い長いトンネルをやっと抜けたという事実は事実であるが、そこにホッとした安堵感も満足感もない。
はたしてこんな訳でよかっただろうかという不安とも不満ともつかぬ複雑な感慨が過る。
とくにこの第四巻は訳が進むにつれて私の置かれている立場の厳粛さと責任を痛感させられることになった。単に英語を日本語に直す訳者としての責任を超えて、天界の大軍が一千有余年の歳月をかけた地球浄化の大事業に末端的ながらも自分も係わっているという自覚から遁れるわけにいかなくなった。
これは自惚れとか尊大とかの次元を超えた、いわく言い難い心境である。本通信の重大性を理解してくださった方ならば、そういう自覚と責任感なしに訳せるものではないことはご理解いただけるであろう。...