News >「仕事日記」2007年11月


11月6日(火) リー・オスカー 新宿ピットイン
大川君と古沢さんにリーがしきりに“ポケットを作ってくれ。でないと俺は吹けない”という。
昔から山岸の言っていたポケット(進行するリズムの定期的な落とし所、とでも言えば良いか)ということが判りかけた気がする。打ち上げでもリーにしつこく聞いた。一人でできることじゃない、というのが一番印象的なコメントだった。
11月7日(水) 鑑賞 テアトル銀座 小原孝
ミュージカルショーのバックでお手伝いをするのだろうと思っていたら、なんと小原孝のショーではないか。看板張ってテアトル3日間はすごい。

その後ピットイン。リー・オスカーバンドに乱入。大口純一郎氏と久闊を叙す。
11月9日(金) 観劇 国際フォーラムC 国府弘子
東京フィルを従えて自作をトリオとともに。格好いいではないか。前田憲男先生が世良譲さんのために書いたものの当人に断られた、といういわくのピアノコンチェルトメドレーも楽しめた。

常連だという月島のもんじゃ焼きで打ち上げ。三好功、島健とともに飲めるのも久しぶり。なんといってももんじゃがうまかった。
11月10日(土) 若草中学50周年記念行事
僕は8期生だか9期生だったそうだ。同級生に近鉄バッファローズに行った羽田君とか甲斐君もいるのだが、音楽系では佐山だということになって、記念式典でアトラクション。中学2年生でおぼえたHymn To Freedom、自由への讃歌が今は音楽の教科書に載っているということでコーラス部も歌い、僕もピアノソロで演奏という楽しい演目になった。
松岡さんという若草の元教頭で国立音楽大学同調会大阪支部(長?)さんが司会進行。面白く盛り上げてくれた。司会付きはラク。クセになりそう。
11月11日(日) 観劇 経堂KAKKATAK 横田
銀河鉄道の夜、でご一緒した横田さん。そのときは演出助手というポジションだったがご自分でも劇団を主宰していてそれがタテヨコ企画。現代口語演劇というものの面白さ、ないしはストレスのなさに慣れてきたので先日の三文オペラのような絶叫型が辛いのかも知れぬ。
11月16日(金) 松田昌Duo 静岡区役所ライブ
飛鳥クルーだった長谷川嬢来訪。嬉。結婚して実家の清水に暮らしているとの由。そりゃぁ婿でもお迎えで?などまた悪いクセでつい立ち入ってしまったら“相手はアフリカ人なんです。”

月の砂漠がとてもよかった、と随分熱心なマダム。知り合いの店でジャズのライブもしている、というまでは無関心だったが、店名が“ノンシャラン”というのでフックした。能天気、というほどの意味だろうフランス語でも特に好きな語感の単語。Sophistcated Ladyのサビにも印象的に出てくる。ひょっとしたらといって別れ、軽打ち上げの後に訪ねると、看板にカタカナ。大丈夫かいな、と入ればマスター、ママ、常連さんとみな気のいい人たちで箍を緩めたプライベート飲みができて愉。
11月17日(土) 松田昌 静岡市立千代田小学校100周年記念コンサート
松田昌 ピアニカ
中村シン パーカッション
佐山雅弘 ピアノ

クラリネットポルカ
楽しいバス旅行
マサ坊旅に出る
七つの子
ボクの夢私の夢
ゴッデス・リズム(パーカッション・ソロ)
ジャンケン即興
トルコマーチ
アンダルシア
ドラえもん
春待人
世界に一つだけの花
11月18日(日) Duo w/佐々木昭雄
こんなに上手な人がいたのか。エレクトーンプレイヤーながらジャズオルガンに焦点を当てて活動。といっても先生業を主にしているらしい。
バラードのベースの音切りに感動。わかっていてもなかなかあそこまで安定した音符は出せない。そういうことがほかのエレクトーンプレイヤーに見受けられないのは、ある意味佐々木さんを始め講師陣の怠慢ではないかと問うたところ、教えてはいるのだがなかなか皆さん上手になってくれない、とのこと。
11月21日(水) 国立音楽大学講義 国立音楽大学生徒独奏会
みんなうまくて驚いた。特に去年のボクの講義にきていた野口君。マイルスのコピーを宿題にしたらコルトレーンの場所を小節線なしの全部四分音符で、ノート(音の高さ)だけは完璧に譜面にしてきて、あぁ彼にはこう聴こえているのだな、と感動したものだが、そのリストが超絶技巧。むずかしいことを、ということではないがジャズを伝える方の者として生半可では申し訳が立たないのだ、と再認識。
11月22日(木) 韮山前日入り
地元のジュニアオーケストラとリハーサルの後、居酒屋へ田舎には稀な、というと怒られそうだが、実際青山にあってもおかしくないメニュー、サービス、そしてお味。焼き鳥を適当に12本、にんにく焼きは必ず入れて、との注文に青森産とかいう特大のニンニク3個の串が人数分即ち4本12玉出てきたところはご愛嬌か。

泊めていただいたお宿が素晴らしい。エスカレーターを降りて突き当たりの部屋までの廊下が畳敷き。2mにひと箇所ずつ小さい床の間をしつらえて草花で季節感。柔らかで丁度良い温度の温泉は24時間入れて我々のような時間帯の者にも有難い。朝ごはんはお部屋でいただく。これもラク。本番前にすっかりのんびりさせていただいた。
11月23日(金) M’s 韮山時代劇場
大ホールでなく、敢えて映像館をライブハウスのよう見立てたステージと客席の設え。主催者の工夫と愛情を感じる。
お客様のノリも最初から温かみのある熱心なもので、とて親密感あふれるコンサートになった。全国でも珍しいほど韮山とは縁深いのだが、そもそものきっかけを作ってくださった石橋女史もこの日は見えていて嬉。
11月24日(土) 大分前日入り
なんとこの日も超豪華お宿のスペシャルルーム。窓一面ガラス張りは10mほどもあるだろうか。眺望はすべて海。中空に満月。部屋風呂(!)から眺めるうちに思い立って大浴場に行くと、そこは僕の部屋の真下で同じ景色が今度は露天で楽しめる。

オーナーの久保さんは元ジャズ喫茶“マタドー”マスター。三好君などとも親交があるそうだ。レストランの壁に飾ってあるLPレコードのジャケットにビル・エバンスのYou And The Night And The Musicなどあって通ぶりを偲ばせる。暖炉の間でナイトキャップをいただくのだが、本当に薪をくべているのに驚くのを見て“これがやりたくて旅館をつくった”と曰う。ダンディである。
11月25日(日) ゴールドベルク変奏曲 大分・ビーコンプラザ
譜面を置いてしっかりと弾けた。後半で一箇所スタック。去年の京都を踏まえて今年は譜面を見ながら弾く練習、というのを重ねてよかった。不思議なことに覚えている曲でも譜面を置いて弾くのとそうでないのとで演奏回路が変わるのだ。

リクエストを受けた映画音楽やシャンソンには半ば諦めの気持ちもあったのだが、本番でやってみると案外に入り込めて、これは使える!と感触。収穫は多かった。
11月27日(火) 内科訪問
遂に来た糖尿の日々。検査の時はお食事されてましたね、と言われたので寝坊しておなかクウクウだったのを良く覚えてます、と答えると“それでは立派な糖尿です。”血糖値が119、126から糖尿病なので、僕の場合空腹時セーフ満腹時糖尿ということになるらしい。“インシュリン生活に入れば後戻りはできないので今のうちですよ。”
11月28日(水) 国立音楽大学 今福 サンバスクール
素晴らしい体験授業だった。今福健二。素晴らしいミュージシャンであるとともにゲスト講師に最適任。来年もきっと授業に取り入れよう。
名古屋音楽大学でできないか。
11月29日(木) 劇伴
1ポンドの福音。高橋留美子原作。日テレ土曜21時〜 2008年1月〜3月放映。
井筒昭雄、川島可能という作曲家二人はいずれも20代かと見受けられる若手ながら、必死に搾り出したかのようなメロディラインは真似できぬもの有之。テクニックも然りながら搾り出された経緯を持つかどうかが、音楽のほかの要素からメロディというものが特に異質ならしめる所以か。ある人曰く、芝居の通行、メロディメイク、誰でもできることで誰よりも抜きん出る、これ才能の極みならずや。
11月30日(金) Jazz Piano Paradise 芦屋ルナホール
高校生の時に菊池雅章セクステット即ち峰厚介さん、村上寛さんを初めて観た、とともにジャズに憧れて客席に座っていたホール。故郷に錦というのとはちと違うが感慨があった。

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2007年