News >「仕事日記」2007年4月


4月3日(火) 国立音楽大学オリエンテーション
山下、栗山、金子と国立ジャズ科の中心人物3人が応用演奏科の生徒を集めてお話をする。僕も少々喋らされたが、お三人の熱意にあらためて頭が下がるばかり。
4月6日(金) Show店街組曲スタッフ打ち合わせ ダイジョースタジオ
 
4月8日(日) M’s 岡山・酒蔵
All The Things You Are
My Shining Hour
I’m Old Fashioned
But Beautiful
Daddy Blue
Ladies In Mercedez
Up Jumped Spring
A Night In Tunisia
P-Bop
Deep Blue
Blue Keys
Joy Spring
All Blues

西脇、米子など西日本一帯からお客さんたちが集まってくれたのが嬉。M’s久々の狭い場所、というより酒蔵というのがそもそも珍しい。しかし、寒い。酒を貯蔵しているのだからそりゃぁ温かくは出来ないだろうということに後から気付く。

楽屋が素晴らしい。昔ながらの日本家屋。8畳間に続く12畳間をあてがわれ、床の間を背にガラス越しの中庭を眺めながら譜面の整理などする。二年ほど前に鉄輪温泉で2〜3泊させてもらった時のことを思い出していい気持ち。
4月9日(月) 展覧会鑑賞 和田誠Vs安西水丸 ことわざバトル
仙寿院の和田誠事務所に寄って表紙コンサートやCDの打ち合わせなど済ませて青山のギャラリーに向かうのに和田さんは“さぁ行きましょう”と歩き出すので“歩くんですか!?”

歩いてみるもんである。細い道ばかりをたどるとこんなアスファルトばかりの町でもちょっとした情緒的なおうちの横を通ったり土もたまには踏んだり。曼荼羅の裏の公園でPONTAが電話しているのに遭遇。この何ヶ月も会わなかったところへ先日坂井紅介と話していたばかりなので“縁”とか“流れ”みたいなものを感じてチト恐ろし。リハ後の余った時間だと言うのでお誘いして画廊へ。道すがら後ろより呼ぶ声あり、坂本スミ子さんが熊本から出てきていたのだそうでこうなるとオカルトである。

展覧会はとても素晴らしくほしい絵もあるにはあったのだがいち早く売り切れ。打ち上げでは山下勇三さんと久闊を叙しつつ相変わらずの辛口トークに酔う。あまり話したことのなかった水丸さんを喫煙場所へお誘いすると、ことのほか多く話せて嬉。春樹さんより随分年は上で、ピーターキャットに知人を通じて呼び出されたのが初対面だとか。元はと言えば春樹さんが水丸さんのファンだった様子である。

日付が変われば和田さんの誕生日だと言うので11時頃からの二次会はアップライトピアノのある店。レミさんも来合わせて、清水ミチコ、阿川佐和子というお馴染みの面子が歌ったり騒いだり。和田さんも歌っちゃったりしているうちにハッピーバースデイタイム。こういうことになるだろうと予め三木俊雄を展覧会から誘っておいたのが功を奏していつ終わったか覚えてないくらいに楽しかった。
4月10日(火) 木野雅之(Vln)依田正史(Pf)デュオコンサート鑑賞
ピツェッティ:婚約した娘に与える3つの歌
プーランク:バイオリンとピアノのためのソナタ“フェデリコ・ガルシア・ロルカの思い出”
ブロッホ:バール・シェム
シマノフスキ:ロクサーナの歌
ベートーベン:バイオリンとピアノのためのソナタ第9番イ短調

僕でなくちゃんとしたクラッシックピアニストが演奏している木野雅之さんを聞きたくてスケジュールをフォローしていたらこの日しかなかったので静岡に出向いた。足は使ってみるものである。得るところ感じるところが実に多かった。あれはこう弾くのか、これはそう聞くのか、そして何より俺は俺のように弾くのが結局は一番いいのだという確信が持てる。音楽家が人様のコンサートにいく一番の収穫は実はそこにあるんじゃないかとも思う。プーランクが格好良かったので木野さんにそう言うと、今度やろうと仰る。余計なことを口にしたもんである。
4月12日(木) 堤智恵子セッション 銀座スイングシティ
このところスイング系のセッションが続いているが何か今ひとつ物足りない。考えてみるに丁々発止まで至らないのであるな。若手のバリバリのくせに、妙に自分の世界を着実にお客様に提供することに汲々としているのみで挑戦的なところが無いように思う。自分の世界ったってたかだかのモノなんだから、かなぐり捨てて3曲に一回くらいは崩壊するくらいのチャレンジャブルなアドリブを展開しても良いんじゃないか。矢野沙織ちゃんとはしばらく共演してないが、彼女にはそのアグレッシブさを感じた。
4月13日(金) 観劇 青山円形劇場
タイトルは忘れたが高平哲郎作・島健音楽・砂田慎平制作のミュージカルコメディ。島田歌穂と玉野さん(あと一人男優さん)が出ている。音楽が理想的に素晴らしい。今まで見た書き下ろしミュージカルの中では最高作。オリジナルだけに言葉と音楽に無理がなく、それでいて前編ジャジーに仕上がっている。島健の才能をあらためて感じた。6月の蝶々さん(こちらはシリアスもの)が楽しみである。
4月16日(月) ブルースアレイ Three Nights Super Deluxe Edition 1st
小島良喜(Pf)
バカボン鈴木(B)
鶴谷智生(Ds)

Blues Everywhere
Bud Powell
Cantarope
You Hide Something
Let The Good Time Roll
Riverside Hotel
Do You Know What It Means To Miss New Orleans ?
In A Mellow Tone
Burnin’ Up The Carnival
Summer Night
I Mean You
???
My Favorite Things
4月17日(火) ブルースアレイ Three Nights Super Deluxe Edition 2nd
島健(Pf)
バカボン鈴木(B)
鶴谷智生(Ds)

Someday My Prince Will Come
Piasora Suite
Spain
Little Suead Shoes
You’d Be So Nice To Come Home To
I Got Rhytm
Sophisticated Lady
But Beautiful
Charade
Sand Witch
Well You Needn’t
A Child Is Born
Burnin’ Up The Carnival
4月18日(水) 国立音楽大学 第一回
挨拶の統一(おはようございます・お疲れ様でした)
ミラレソシミ>角袖
補講のこと

ブルースアレイ Three Nights Super Deluxe Edition 3rd
佐藤允彦(Pf)
小井政都志(B)
大坂昌彦(Ds)

Sophisticated Lady(佐山ソロ)
Confirmation(ピアノデュオ)
Rumba De Funk(4人)
Monk’s Hat Blues(4人)
Ladies In Mercedez(4人)
レミニシス 63(佐藤ソロ)
Song For Domingo(佐藤ソロ)
和田さんコーナー
コーヒーの歌(チャイコフスキー:アラビアの踊り)デュークエイセス・八木正夫 TV
ゴールデン洋画劇場 オープニングアニメ 八木正夫
怪盗ルビー 八木正夫
吉永小百合・女優  佐藤允彦
怖がる人々     佐藤允彦
ゴールデン洋画劇場 オープニングアニメ 佐山雅弘
熊谷照明学校 佐山雅弘
真夜中まで  佐山雅弘
Cotton Tail(映像からつながって4人)
ザルツブルグの小枝(4人)
香しきたそがれ (ピアノデュオ)
Straight No Chaser(4人)

昨年のM’sスペシャル(ゲスト佐藤允彦・和田誠)の好評を受けての二台ピアノ拡大バージョン。ウラ狙いとしては一日だけでは別ピアノ搬入その他の経費がもったいない、と言うことはあるにせよ、立派に面白い演し物が出来た。ファンク、タンゴ、ジャズいろいろありSHIHOの歌も1日目と2日目でがらりとどちらも上出来。しかしなんといっても佐藤允彦さんとのデュオが緊張もし、クールでもあり、“ジャズ”という、高〜〜いところの狭〜い道を歩いているような、独特のドーパミン状態を味わった。

三人のマサちゃん(八木・佐藤・佐山<年代順)と関わった仕事を順にフィルムで紹介するコーナーがとても楽しく和みのワンコーナーになってよかった。それにしても和田さんは長きに亘って一流の仕事をし続けてきているのだなぁと感動する。二人の先輩に比して力不足をあらためて感じた。特にゴールデン洋画劇場のタイトルバックの優劣は歴然!

清水ミチコ・阿川佐和子という二人のインタビュー上手を交えての打ち上げは、とても有意義な話を佐藤允彦さんから引き出せてありがたかった。島健とともにフムフムと感動しきり。傍らで大坂昌彦だけは佐藤さんの弟子に説教とも相談ともつかぬ二人話。3時を過ぎてやっと解散したが島さんがなじみのワインバーへ行こうと仰る。元気やなぁ。年上に誘われて断っては男が廃るとばかりお受けすると、それからマスターに電話をかけて店を開けろと命令しているではないか。超紳士の島健の我儘親父な一面を見ておかしかった。可愛かった。お店は極上だった。
4月19日(木)・20日(金) Show店街組曲 音録り
6日の打ち合わせから昨日今日の音録りの間に42曲アレンジしたのだから眠いのも無理はない。表紙コンサートの34曲も終わっているのは不思議だ。寝てる間に誰かが書いてくれたのではなかろうか。

バンドは上々。キープを任せて安心の松山修(Ds)グルーブバッチリの八尋洋一(B)譜面もアドリブもバッチリの上にフルートからサックス全種類を吹きこなす竹上良成(Reeds)
4月22日(日) 月猫リハ 青山劇場Bリハーサル室
リハ後吉澤宅でパーティ。自ら設計した新築は隅々まで工夫が凝らされていてさすがコンピューターでステージ図面を引けるだけのことはある。関係あるのか?それよりも料理の腕前がすごい。
口取りの八寸からデザートに至るまで完璧な味の移り変わり。それでいてイタリアンでもフレンチでもなく、もう何十回となく飲み歩いている仲間の好みを十分汲み取りつつ驚きも用意されている。なんといっても緑のビシソワズがうまかった。料理に感動するというのはこういうことだよなぁ、と思わせられたのだった。
4月24日(火) 月猫えほん音楽会 リハーサル 青山劇場Bリハーサルルーム
白雪姫がほぼ完成。“千”で飲む。“この暇な日によくぞ大勢さんで来てくれてありがとう”とマスターに感謝された。年度替わり月の給料日前の平日。占い師話で盛り上がる。五反田(吉澤説)と北九州(能祖説)にそれぞれ“スゴイ人”がいるらしい。
4月25日(水) 国立音楽大学 第二回
ミンストレル・ショー
ラグ・タイム
ブルース
南北戦争
ジム・クロウ法
ファーガソン判決
ピアノでブルーノート
トライトーン
4月26日(木) 観劇 ジキルとハイド 日生劇場
お正月に手がけたミュージカルガラコンサートでマルシアさんと石井一孝さんが歌った歌がよかったので見てみようと。カガタケシさんのこの舞台最後だともいう事もあり。期待したほどではないにせよそこそこ面白かった。僕にとってはPAの出来がかなりウエイトを占めるようで、その意味では生音勝負のオペラを見に行くほうが楽しめるかもしれない。

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2007年