競馬最強の法則 競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法 |
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1999・3月号 第3回 再びアナログ理論編 「毎週100万買ってた昔に比べれは……」
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![]() 3年前、それまで勤めていた電気工事関係の会社を辞め馬券生活者となる。辞めた理由は、勤めたままでは、競馬の研究をする時間がないから。以後、研究と実践に没頭し2年半で彼が叩き出した馬券収入は約2000万円、年収lこ直すと約800万円。 |
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@コースロス
コースロス。よく聞く言葉であるが、さて、実際には内外でどのくらいの差があるのか。外を通った馬はどのくらい不利があるものなのか、実感として理解している人は少ないのではないか。木下にかかると、これが単純明快となる。写真Aをごらんいただきたい。
「この補正だけで穴馬券が取れることはよくあります。ただ、難しいのは、コースロスのあった馬は、次のレースでも外を回ってしまって同じ不利を受けるケースが多いということです。コースロスがあった馬の騎手が次走替わってきた場合などは、狙う価値があると思います」
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写真A 12/12中京12R(芝1200) コースロスの典型例。小回りの中京でこんなに外を回っていては、よほど力が抜けてないと。勝てない。木下的には、ここでタレなかったなかった馬、しぷとく伸びてきた馬を、最終走破タイム以上に評価する。 |
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コースロスは、ダートでは特に顕著に出る場合が多いのも覚えておきたい。
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![]() @この静止画像からはわかりにくいが、馬群のつまりかたや馬の走りっぷり、ジョッキーの手応えなどから、実際のラップほどはきついペースではないと木下は判断した。
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![]() A4コーナー。確かにつまった馬群が横一繰になり、典型的なスローの上がり勝負のように見える。写実の点線右(=外)を回った馬はかなりのコースロスで、この馬群で最先着(6着)は最後方にいたOイソノウイナー(次走ガーネーツトS2着)。あと上位5頭は、次項の結果とあわせてみると、全て内を回っているのがわかる(写真中の数字は馬番)。Eオースミジェットは内を回ったとはいえこの位置から2着に押し上げているわけだから、次走平安Sの勝利も順当といえよう。 |
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![]() BAの写真からわずか2秒後の映像。外にいた馬がおかれて、馬群が再び縦長になっている。内外の有利不利が一目瞭然だ。
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![]() CG前。1着Gマコトライデン、2着Eオースミジェット3着@ピーマイナカヤマ。 |
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Aストレスの高いレース
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![]() @1コーナーすぎの先行集団。誰が行くか行かないか、それぞれが手探り状態のまま、4頭横並び。こうなるとラップ以上に馬に大きなストレスがかかると、木下はいう。この状態は向正面までつづく。 |
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B走馬術的“レベルの高い”レース
「どの馬も距離不足で本来の力を発揮できていない。ここで負けた馬が1200M以上に出てきたら、次走絶好の狙いだ」
と感じたと言う。 |
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![]() この写真だけでは何ともわかりにくいが、木下とともにビデオを繰り返し見ていると、その走りっぷりから、明らかに距離不足でエンジンがかりが遅い馬が数頭いるのが見て取れた。結局のところ、これらの馬は"脚を余して"いたのだ占そしてこれらの馬の次走は表@の通り。レースを繰り返し丁寧に見ていると、こういう徹妙なところまでわかるようになってくる。これぞ、木下の走馬術の極意のような例だ。 |
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さて、このレースを走った馬たちがどなったか表@をご覧いただきたい。
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表@「レベルの高いレース」のその後 |
表A 木下が評価した、最近の“レベルの高いレ−ス” | |
![]() 表Aには、木下が最近「レベルが高い」と感じたレースとその寸評を載せておく。前号、試験的に「激走*馬」を載せたが、これは馬券になるのは下級条件が多く、このクラスだと原稿を締め切ってから勝ち上がってしまうことが多かったので(実際にすでに出走した半数以上が連対)、ちょっとうまみが薄くなってしまった。というわけで今回はこれ。ここに出てきた馬は、ぜひ注意しておきたい。 |
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ジョッキーの乗りミスも鋭くチェック! 加えて、木下がビデオを見ながらつぶやいた言葉を、順不同で並べておく。いずれも、今後の馬券の手がかりになるはずだから、ぜひチェックしておいてほしい。
●12月12日 オリオンS
●12月13日 中山6R
●12月19日 中山7R
●1月6日 中山9R黒竹賞 |
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![]() 木下宅にて。この日(1月11日)は、レースビデオを見ながらの、徹底取材。木下は正月開催の4日間ですでに、予定以上のプラスを計上していた。これで食っているのだから当然といえば当然だが。 |
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とにかく丁寧にレースを見よう
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【スプリンターズS】
タイキシャトルは、岡部騎手が余裕を持ちすぎた感じです。まさか直線で伸びないとは考えていなかったようで、慌てて追い出しての3着は、ちょっと悔いが残ったのではないでしょうか。1,2着馬は、芝1200なら、このくらいの能力はある馬ですね。
【中山金杯】 これは、力通りのレースでしょう。強いて言えば、4着のナギサが道中他馬にぶつかってしまい力を出し切れなかったのは惜しい。といっても、この馬はエリザベス女王杯でも同じ事をやってますから、直線でよれる癖があるのこもしれません。
あと、6着のホーセンホーライは、重賞ではどうかなとレース前から思ってました。確かに2000は距離が少し長いみたいですが、1600〜1800でも、重賞ではしばらく苦戦しそうだと考えています。
【京都金杯】 ヒカリサーメットの勝因は、正直、私の見方ではハンデ以外にはちょっと理由が判りません。別定戦重賞では、今後苦労するはずです。
ブリリアントロードは、このくらい走って当然の馬です。もっと距離が伸びても大丈夫だと思います。4着に入ったオーバーザウォールは、福島記念を勝った時が特殊な馬場でしたから、しばらくは重賞ではいらないと考えていました。4着は善戦でしょう。
アラバンサは、明らかにハンデが重過ぎました。ブラボーグリーンの場合は瞬発力が要求される馬場で、斤量が響きましたね。こんな馬ではないので、巻き返してくれるはずです(次走ニューイヤーズS1着)。
【平安ステークス】 平安ステークスを語る前に、1回京都の馬場が極端に前残りが多いということを頭に入れておく必要があるでしょう。中山にも言えますがどちらかと言うと京都コースの方が顕著です。路盤の調整、砂の入れ替え、凍結防止剤の及ぼす影響など、いくつか原因は考えられますが、はっきりは断言できません。しかし、コーナーにおいて馬場の内側より真中の砂が深そうだというのはわかります。そして、全般的に砂が軽いというのも、覚えておく必要があるでしょう。
これにより、ペースが遅くなればなるほど影響を受ける馬が多くなります。ゆったりした流れでは、3コーナーからペースが一気に上がる傾向がありますが、当然後方からマクル脚質の馬や位置取りが後方になった馬は、外側から馬群を交わして行こうとします。ここからが差し馬、追い込み馬のスピードの見せどころなのですが、この馬場状態ではそうはいきません。どうしても、差し、追い込み馬がかなり不利になってしまうのです。
このことを踏まえて平安ステークスを考えると、2番人気馬マチカネワラウカドが負けた原因がつかめます。基本的に後方から一気の脚を使うこの馬が実績だけで2番人気になっている方がおかしかったわけで、あまり実力負けとは考えなくていいはずです。
ともかく、後方を進んで外を回った馬たちは、すべて厳しいレースになったと考えていいでしょう。逆に、先行馬は恵まれました。私の補正では、バトルライン、マイネルクラシックが1馬身、マチカネワラウカド、メイショウモトナリ、コンモンダトーレ、レイズスズランが2馬身以上のロスがあったと考えました。特にバトルラインとマチカネワラウカドは着差以上の評価をしたいと思います。
いずれにせよ、この馬場状態と能力と脚質を考え合わせれば、オースミジェットとエムアイブランが2頭残り、1点で取れるレースでした。馬券?もちろん獲りましたよ。
【ガーネットS】 このレースでの注目は、先行馬4頭の激しい争いににつきます。1,2着馬の差し脚は強烈な印象がありましたが、見た目よりも控えめに記憶しておく方がいいでしょう。追い込み馬に有利な流れになったからです。またこの流れとメンバーでのマイネルラヴの58kg、シンコウフォレストの59kgは重すぎて話にならず、大敗して当然の結果です。参考外と考えていいと思います。
前半の直線が500mほどで、そのほとんどの部分が下り勾配のこのコースで前半3Fが32秒台。これは昨年でも1600万クラスの不良馬場で一度出ただけで、この2年間でもマークされていません。かなりのハイペースと判断していいでしょう。
最後方から一番良い脚を使ったイソノウイナーですが極端にカーブがきつい4コーナーの出口付近では、車がドリフトしている状態に近いほど、トモが滑っていました。その状態からあれだけ加速してきましたから、補正により1馬身半ほどは勝ち馬に近づけてやってよいと感じました。
同じように、レース振りからヤシマジャパンとスタ^プログラマーにも1馬身分評価を加えてやる方が良い気がしました。
しかしこのレースで本当に評価をしておかないと後々とんでも無い事になりそうなのは、やはり逃げた馬でしょう。中でも、トキオパーフェクトとゲイリーコンドルには、2馬身程度の調整が妥当だと思っています。
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