競馬最強の法則

競馬で立派に妻子を養う男 木下健の方法

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年間本当にありがとうございました!m(_ _)m

「馬券生活者」というカンバン

 結論から先にいいますと、競馬最強の法則の連載は、今回で終了ということになりました。

前々回(3月号)で「そろそろ馬券生活も終わりにしようと思てます」ということを書かせてもらいました。あのときは、担当者さんにすら相談せずイキナリ書いたもんですから、編集部にも色々と迷惑をおかけいたしました(^^;

 結果的にはそれが引き金となって、編集部から「卒業」を言い渡されたわけですけど、自分ではこれでよかったと思ってます(^^)

   *

連載が始まったのは、今から9年も前の1999年でした。編集部から名づけていただいた「馬券生活者」という肩書きですが、当時はその重さにまったく気付くことはありませんでした。「辞めたければ勝手に辞めて、どっかで仕事見つけてすればええんやしっ」て思ってましたんで。

そやから後先のことなんかも考えず、思ったことを思ったまま、感じたことを感じたまま、イケイケドンドンで本誌やらホームページで書いておりました。

ですが読む側の人間は、当然、「馬券で生活してるヤツのいうことやから、間違いないやろ。ハズさんやろ」と思うわけで……。答えなんてあってないようなバクチの世界にも関わらず、常に100点を求められるようになっていきました。

月日が流れ、いつの日かふと気付くと、馬券当てて自分の生活だけしてりゃええだけやったお気楽人間が、雑誌やネットで情報提供もするのが当たり前になってました。

「その情報は役立って当たり前。なぜならあんたは馬券生活者!」

常にこういわれる、思われる。正直、これはなによりもキツいです。

 

「複コロ」にいたった理由

 友達レベルの会話やったら、「ほんまはこの馬がええで」とか、「こんな馬あかんで」って、もっとハッキリ気楽にいい切れるんですけど、「馬券生活者」という肩書きが、読者の方々に安心感を与えてたり、余計な拍車をかけてしまうんちゃうかと思うと、なにをいうにも気楽には言い切れんようになってしまってる自分がいてます。肩書きの重さを知るれば知るほど……。

こういうところで書かせてもらってる以上、プレッシャーというか期待感に答えるのが義務やと思いますし、どこやらのトラックマンみたいに、書きっぱなしにするわけにはいきませんし。

書きっぱなしにせず、その重さに耐えるには、滅多なことは口に出さんようにするしか思いつきませんでした。それと同じように自分の馬券術も刻々と変化していきました。

複勝コロガシ……。

 私の買い方としておなじみの方法ですが、これは馬券生活を維持するというよりも、「期待感に答える」というプレッシャーから逃れるために生み出した馬券術でした。

元々は「レベルの高いレース」という考え方が新鮮で、最強の法則さんに連載してもらえることになりました。「厳しいレースを経験した激走馬を見つけ出して狙う」という方法でしたけど、私の実馬券にまで常に100点を求められるようになってくると、いつ走るかわからんような馬は狙えんので、ここ何年も「レベルの高いレースの出身馬やから」という理由で馬を狙ったことがありません。

プレッシャーから逃れるために生み出した苦肉の策でしたが、これが事のほかうまくいって、いつの日からかこちらがメインのようになってしまいました。

 

競馬を通じてつながっていければ

 先月には毎年恒例の“ゼニ馬”を書きました。実はこれは、一番プレッシャーを感じる「やりたくない恒例行事」なんです(^^;。毎年、菊花賞が終わった頃に安堵感を感じます。

“ゼニ馬”なんて誰もアテにしてないし、ほとんど読まれてもないんかもしれません。けど、少なくとも何人かは期待してくれてる人がいてるわけやし、その一方、これで被害をこうむる人が確実にいてるわけやし……。

歳を取るにつれ「人間は丸ぅなる」といいますけど、私もご他聞に漏れずそうなってきてます。最近では丸ぅなるというのは、ある意味衰退していることでもあると気付きました。

先月の“ゼニ馬”で、弥生賞で2着だったココナツパンチの名前をチラッとだけあげてありました。原稿締め切り前日にデビューしたばかりの馬をわざわざ取り上げるたんは、個人的にはかなり気になってからなんですけど、それやったったら中途半端にとりあげんと、なぜもっと自信を持ってピックアップできんかったんかと後悔します。

ダート馬で名前を挙げたフェラーリピサも、色気だって芝路線を使ってくるのがわかってただけに、今読み返してみると、芝路線に関して強く否定し切れてない・・・…。

今となっては情けない気がします。

中途半端にしか物事をいえんようであれば、お金を払ってまで読んでもらう値打ちなんかないと思います。なのでいつか連載打ち切りといわれる前に、自分から終わりにさせていただきたいと思いまして、前々回の原稿を書きました……。

以前から、「馬券生活者という肩書きが取れたら、ただの競馬好きのおっさんなんやし、そうなればハズれようと、的ハズレな考えであろうと、今よりもずっとずっと気楽にしてられる」と感じてました。「ただの競馬好きのおっさん」なら、言い切ることにためらいも無くなると思います。

最近、自分のホームページの方で「お気楽予想」というのを始めました。以前なら「馬券生活者」の看板の影響が大きいと考えてたんで、こういうことは絶対にせんかったんですが、これからはホームページへ訪れてくださる皆さんと一緒に、競馬を思う存分楽しんでやって行きたいと思います。

当面の夢は、今までずっと買えなかった「レベルの高いレース出身馬」で3連単や万馬券を狙いたい! 当たらんでもええんです、「自分の理論で穴を狙う」というのが非常に楽しみなんです (^^)

 最後になりましたが、競馬最強の法則編集部の皆様、担当様、たいへん長らくの間お世話になり、いろいろと勉強させていただきました。

そしてなにより読者の皆様方には9年間もご支持、ご愛読いただきまして本当にありがとうございました。今後も皆様とは、競馬を通じでどこかで繋がっていければと思います。

次なる縁を探して、これにて一旦筆をおきます。

 

平成19320日 木下 健

 

 

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