三井の、なんのたしにもならないお話 その四十一

(2015.03オリジナル作成)



 
 スマホを買わんの記 −わがモーバイルPC格闘史20年
 "An 'old' new desktop machine to cover the short-lived PC"

2023.3.22記述


 
もうやけっぱち消費?

代わりのデスクトップ機買う −35年後のNEC機復活

 
 たった9ヶ月でご臨終を迎えてしまった、3万円中古デスクトップ機HP/ProDesk400G3SFFを諦め、じゃあmouse機一台で我慢をするかとも考えてみたものの、なんせこれ自体がメインにするつもりのない、かなりの衝動買いであったゆえ、Celeron機であるのをはじめ、いろいろ不満な点、頼りない点があります。だから、将来はこれに代えるメイン機をという考えを持ちながら、いささか「安物買い」に走りすぎでした(前に記したように、のちにmouse機のメモリを増強してはいるのですが)。

 思い起こしてみると、近年は手元不如意の暮らしもあって、かなり安物買いに走っておりました。win7機を守りたいという「大義」もなきにしもあらずではあったのですが、そちらはもう否応なく諦めざるを得なくなり、相次いでwin10化する状況に陥っています。結果としては、なんとも自爆特攻的ななりゆきでした。
 安物買いの結果はなんともはや、です。2019年に買った、win7モバイル機のPana CF-B11は2.7万円、そのときは「やったぜ」観もあったものの、案の定おかしくなりました。画面下部に線が走ります。ディスプレイの故障です。これは直しようもない、だから一時抱いた、これを「自宅」のメイン機にしようという考えは諦めました。大きさは立派であるものの、こんな不安を抱えたままでは嫌気がさします。だから、「掘り出し物」で買ったDynaDeskDT100、新品同様品を3万円台で入手でき、これがいま、「自宅」用で満足できる状態です。さらには、勢いでPanaCF-J10も2万円台で買ってしまいました。しかしこれも、内蔵の無線LAN端末が故障するというトラブルに見舞われています。やっぱり格安中古は危ないなと、この機会に学習すべきであったのです。

 ともかく、完全引退の身の上に加えての、以後3年間に及ぶパンデミック下の生活環境の一変、これも大いに作用して、「モーバイル機」へのこだわりは大半意味を失いました。「自宅」と「仕事場」で日々向かい合うPCこそが大事です(だからぜんぜん、モーバイルPCじゃなくなり、まったく看板に偽りありの談義の泥沼となりました)。そのひとつが上記のDynaDesk DT100だったのですが、このC/Pのよさ(やったぜ観)に見る目を失った観があり、そこは深い反省材料です。行き着いたところは、9ヶ月で動かなくなる中古PCを恨めしく眺めやる日々でした。



 じゃあどうする?動かないHP/ProDesk400の修理や再生はこの際諦めました。もう、安物買いに走りすぎたことへの授業料と割り切るしかありません。だから、結論は「代わりのデスクトップ機(また)買う」です。それこそ最悪の選択、悪魔の罠という後ろめたさも拭えないし、実のところ、ベストタイミングで一生一代の大支出をせねばならない事態ともろに重なっています。まさにMisfortune never comes aloneか、It never rains but it poursですが、そこは私なりの「自分への言い訳」、こんな大金が懐から出ていく、それもいまの生活状態を守るため、それならPCにゼニをケチってどうするんだという、一種の居直りです。もう老い先短い人生で、こんなところで逡巡していても仕方ない、ついでだ、買っちゃおうという無茶振り、やけっぱち消費に走ることにしました。

 ただ、またも銭失いに陥るのは、懐への打撃以上に、精神的かつ時間的消耗があまりに大なので、この際「まともなのを買う」、まさにメイン機と呼べ、長く使っていけるものにしようと、清水の舞台から気安く飛んだのです。


 そこで筆頭に来るのは、本来「当たり」であったDynaDeskDT100としたいのですが、さすがにこれはもう売っておらず、検索して探しても、「まともな」価格のものに戻ってしまっています。「掘り出し物」はみんな売れちゃったのでしょう。もちろん、危ない中古機には金輪際手を出しません。
 そうでないの、というので探しているうちに、これはねらいにかなうのではないか、というのが見えてきました。いまどき中古デスクトップ機としてはちょっと高いけれど、なにより「メーカー保証」がついているというのが魅力です。つまり、ほぼ新品扱いでのアフターフォローがついてくるのです。先のDynaDesk機での経験から申せば(これには保証はついてなかったのですが)、これは実は新品、一種の「在庫処分」ないし「未使用売れ残り品」なのだ、とも想像できましょう。おそらく、win11化という波に取り残された在庫品処分の流れでしょう。



 ただ、そこで先のHP機入手の際と同じ問題に引っかかりました。今回当該品を見つけたのはSM社のwebショップサイトだったのですが、これがどうにもうまくログイン・購入手続きできないのです。それで前回はHP機の同じ品を他社のサイトで買ってしまったのですが、これが失敗だったのかも知れません(そちらのD社からは店頭で買ったものもあるし、決していい加減なところではないと信じているのですが)。SM社のサイトからはDT100も買っているし、以前にほかのものも買っているはずなのですから、会員登録されており、本来ちゃんとログインし購入申し込みはできるはずなのに、どうしたはずみか進まない、アクセス拒否されるのです。それで、トラブルを「問い合わせ」フォームに書き込んで、しばしそのこたえを待ちました。

 しかしまた、自動返信の「受け付けました」の通知だけで、一向に返事の来ないまま、数日が過ぎてしまいました。気持ちは焦り始めます。その間に「売れてしまう」可能性はそんなに高くはないと信じるものの、なんとも宙ぶらりんな思いです。ついには、電話での問い合わせ先にかけてみました。
 結果、これは意外にあっさりとつながり、しかも先方担当者が顧客会員のデータをみながら返事をしてくれたようなので、かなり迅速に、回復手順がはかどりました。そこでそれっとばかりに、お目当ての品の購入申し込み手続きに走ったのです。それは比較的順調に完了しました。


 実はここでちょっとヘマったのですが、もうそんなことを気にしてもいられません。いろいろあってのプレッシャーと焦りがあったのか、もう耄碌してきたせいなのか、そんなことを気に病んでいたら、かえってますます気が滅入ります。「結果オーライ」で割り切るしかありません。

 要は、似たようなNEC機がいくつか売りに出ていた、そのうちでベストと思われるのを選ばず、先にアクセスしたのをえいやといってしまった、こういうことです。なんせ、上記のようなトラブル、諸事あってのことで、気がせいていたのは否定できないでしょう。またあちこちのPC上からのアクセスで、いささか慎重を欠きました。申し込んでしまったのは、DVD-ROMドライブ、内蔵メモリ4GBなのです。もう少し多く払えば、内蔵メモリ8GB、ドライブDVD読み書き可というのも買えなくはなかったのですが、そこはもう諦めるしかありません。
 ディスクドライブでDVDに書き込むというのはほぼやらず、必要な際はBDを保存メディアとする、だからHPProDesk400機でも外付けでBDドライブを備えたのです。これを転用することになり、内蔵ドライブは読み取り専用でも支障はありません。mouse機もDVDドライブですし。BDドライブ内蔵というのは近年まずないようです。10年以上勤め上げてくれたHPs5350機はそうだったのですが、記録メディアとしてBD自体がそれほど普及しない中、ドライブとして備える機種は姿を消してしまった観です。

 内蔵メモリが4GBというのは少々痛いし、だからmouse機のメモリを増設もしたのですが、逆に申せば、必要とあればこのNEC機もメモリ増設をすればいいわけです。ほかから転用できるかどうかはわかりませんが、まあ選択の余地はありでしょう。


 それで、だいたい、発注作業は順調に進んだと思われたのに、一つ危ないところがありました。購入品の「注文完了」などは通知されるものの、こと「配達」に関しては、なぜだか申込時に「時間帯」の指定しかできない仕組みなのです。あんまりないような設定ですね。年中日曜日の私でも、たまには所用などありますから、そうした不在時に持ってこられても困るのです(宅配Y社の扱いの際には、私は会員になっているので、事前に配送の通知メイルが届き、それを用いて日時などの指定が可能なのですが、この場合の担当は他社だったので)。そこも焦ります。幸い、運送会社からの「発送状況」の表示など出てきたので、それをにらんで、当方から担当の営業所に電話をかけ、ともかくこの日にしてくれ、と願い出ることができました、そして無事に届きました。

 ただ、発注時にSM社からは確認のメイルとして、「商品の出荷準備が整い、ご入金の確認が取れました後、商品の配送最短日をメール(約1〜2週間)にてお知らせいたします。」「配送日のご指定は、配送最短日以降でお受けする事ができますが、お時間帯の指定はできず、また配送先によってはお伺いできる曜日が決まっております。」と書いてきていますが、そんなメイルは来なかったし、逆に時間帯の指定のみ、求められたんですぜ。その辺、いかがなものか。




 無事に届いた品は、NEC PC-MKM31BZG9という長ったらしい名前です。ただ、どうやらこれにはNEC PC-Mate TypeMBという「愛称」があるようですが。ともあれ私にとっては、「PC化元年」1987年末に校費で買ったNEC PC9801UX21というのが、パソコンとの付き合いの始まりであり、以来なんと35年あまりが過ぎているのです。しばしNEC製品との付き合いが続いたのですが、NEC独自規格が放棄され、さらにwindows時代が始まるとともに、この関係は清算せざるを得なくなりました。この間、相当にみついで、あの本社タワービルも建ったんだと、恨めしく見上げたものです。
 勤務先を変わるなどのきっかけで、NECとの「腐れ縁」は切れました。どうもいまひとつうまくない、なによりC/Pがよろしくない、見た目も無骨気味、そこにお付き合いを続ける義理はありません。以来、もう四半世紀近くが過ぎている、この間まったく無縁だったわけでもなく、「授業用」のモバイル機CF-R9がいかれてしまった際の代打として、NECのLavieNM150なんていうのも中古で買ったりしているのですが、これの操作感はいまいちだったし、なによりなぜかこいつのwindows10の表示と操作は非常にやりにくく、参りました。そのうち、デスクトップへの各アプリのアイコン表示もなくなってしまい、大いに困らされました。また、手持ちソフトのうちインストールできなかったものありましたしね。「ま、NECなんだから」という諦めにもなりました。


 それがいままた復活です。でも、さすがに当世だけあって、「中古品」とはいえ、しっかりと包装され、いろいろついてきています。もちろん「メーカー保証一年間」の麗々しい証書付き(先の失敗に懲り、これにさらに販売店の保証計5年間をつけました。5千円あまり増えましたが、一年持たずにゴミとなるよりましでしょう)ですが、なにより、いろいろいっぱいついています。まず、「NEC Refreshed PC」と記された電子マニュアルディスク、近ごろは昔のような分厚い説明書がついていることはないので、これだけでも新品並み、詳細な説明が入っています。再セットアップ用のwin10のディスクが二枚、さらに「おまけの」アプリ、PowerDVDだとかなんだとかが入って三枚、まあ大したものです。マウスだとか、ケーブルだとか設置台だとか、あれもこれもあり、まさに新品購入の箱を開けた感覚でした。なんしろキーボードさえついていなかった3万円PCとは大違いです。
 ついているもののなかには、MS-OfficePersonal2019のプロダクトナンバーカードもありました。これ込みで売られていたんですから。OfficeのフルバージョンがついていたDynaDeskには劣るものの、やむを得ません。もちろんインストール済みなので、起動をかけ、ナンバーを入れれば使用可能になります。MS製アプリでいちばん使っているPowerPointがついてないのは痛いですが、これはまた買うことにしましょう。


 それで、立ち上げには慎重を期したものの、やはり「名前を入れないと立ち上がらない」など、あります。「ログイン名」としては既に名がついていたので、そこは中古品らしいところ。しかし、その後の立ち上げと設定の手順は驚くほど簡単で、ついていたマニュアルの「セットアップ手順」がかなり飛んでしまい、なんか不思議です。どうもそのへん、「事業所使用」用に、容易に使用可能状態に入れるように、いろいろ設定されているのではないでしょうか。

 というわけで、比較的簡単に使用操作可能状態に出来、やれやれです。外付けのBDドライブやHDD、SSDなどもUSB接続ですぐ使用可能になり、さらには肝心のLANでの接続も問題なく進み、インターネットが読み込めます(もちろん、おまけのEdgeではなく、Chromeをインストール設定しました)。ただ、ぬかったのは、この機種にはどういうわけか、今どきみんなついているはずのSDのスロットがないのです。いろいろひっくり返して見ても見当たらず、説明やweb上の「仕様」にもないので、これはないのでしょう、NECのポリシーなのか。やむを得ません、かっこ悪いけれど、外付けのSDカードリーダーをぶら下げることにしました。



 最大の難関は、もちろんmouse機とのLAN上でのやりとりです。mouse機のwin10化以来、これに悩まされてきたところでした。予想通り、お互いに読めません。単に同じ回線でインターネットにつながっているだけです。ただ、そこで焦らず、いろいろ情報を集め、使用状態の改善に努めることにしました。

 まずうまくいかなかったのは、起動時の「そのつど」パスワード記入の必要のところでした。DynaDesk機はもとより、mouse機含め、win10機でもこれは不要にしてすぐ立ち上がっていますから。モバイル機も大半そうしています。ところが、その「手順説明」を見つけ、これに従ってみても、ダメなのです。どうやら、その説明の最後にある、「Windows 10, version 20H2をお使いの場合、環境によっては、サインインオプションの設定を変更しても、パスワードの入力を省略する設定を行えないことがあります」というのが効いているようなのです。パスワードを入れないと、いくら試しても先に進めないので、これは諦めるしかありません。余計な「セキュリティ強化」の産物でしょうか。


 他方、LAN上でのアクセス可能化の方は、比較的簡単にできました。なかなか容易に進まなかったのですが、mouse機側での「ネットワーク上のコンピュータ表示」の、相手機の名称、パスワードの記入が違っていたのです。これは私がユーザーとしてつけた名前ではなく、「すでについていた」ログイン先の名称、それにあわせたパスワードの記入で、あっという間に解決してしまいました(考えてみると、HP機の場合もそうで、勝手についてきていた名称でしたですね)。mouse機からNEC機の各ドライブやなかのホルダが皆見えます、やりとり利用できます。NEC機に外付けしたBDドライブなどもそうです。もちろん、それぞれに「共有」設定をしておかないといけませんが。そういった、あれこれある決まりのを、もっとわかりやすくして貰えないんでしょうかね。さらに、もともとHP機につけて使っていたEpsonのレーザプリンタをNEC機につけ直し、これも共有設定、mouse機からの送信印刷も可能になりました。

 ただ、ここまでできても、やはり逆ができません。NEC機側からmouse機が読めないのです。うえの教訓に倣い、表示される名称だのいじっては見ても、やはりダメです。これがどういう設定上の問題ゆえなのか、一向に答えの出ない問題はそのまま持ち越しとなってしまいました。
 それでもなお、「一方通行」ではあっても、データの共有ややりとり加工などできるのは大きなアドバンテージです。特に今のところ、NEC機はサブの位置ですから、メインのmouse機上でそちらにあるファイル等をいろいろ使えれば、またそちらにつないでいるプリンタなど周辺機器を動かせれば、非常に便利になることは間違いありません(大きな声じゃ言えないのですが、こんどのNEC機では、なぜかオールド画像ソフト○?トショップ9があっさりインストールできてしまいました。HP機ではダメで、苦心させられた代物がです。以前に、NEC製モーバイル機にもやはりインストールできなかったので、かなり危ぶんでいたのですが、どういう風の吹き回しか。しかも、win10化したmouse機上のこのソフトは最近トラブル気味で、少々悩まされていたので、そういった画像加工をNEC機上でできれば、きわめて好都合になります。そのためには、SDリーダーが不可欠というつながりにもなります)。もちろん将来、NEC機の方をメインにするには、このままでもちょっと困るのですが。最悪はmouse機引退?LAN終了?



 というわけで、相当の新たな出費と、精神的手間と心労と、そして相当の設定作業時間で、なんとか、「安物買いの銭失い」となったHP3万円中古機の損失の穴を埋めることができました。万々歳というより、やれやれです。

(これはwin11モデルだけどね)


 


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 この項、長くなりすぎたんで、「スマホを買わんの記 −わがモーバイルPC格闘史20年」のはじめ、「1」