第1章 神への祈り
何時の日の交霊会でもシルバーバーチは必ず祈りの言葉で開会する。延べにして数百を数える祈りの中には型にはまった同じ祈りは一つもない。しかしその中味は一貫している。次はその典型的なもののひとつである。
「神よ、いつの時代にも霊覚者達は地上世界の彼方に存在する霊的世界を垣間見ておりました。ある者は霊視状態において、ある者は入神(トランス)の境地において、そしてまたある者は夢の中においてそれを捉え、あなたの無限なる荘厳さと、神々しき壮麗さの幾許かを認識したのでした。
不意の霊力のほとばしりによる啓示を得て彼らはこれぞ真理なり・・・全宇宙を支配する永遠にして不変、不動の摂理であると公言したのでした。
今私どもは彼らと同じ仕事に携っているところでございます。すなわちあなたについての真理を広め、子等があなたについて抱いてきた名誉棄損という誤った認識を正すことでございます。
これまであなたは神として当然のことである如く憎しみと、嫉妬心と、復讐心と、差別心を有するものとされてきました。私どもはあなたに代わってあなたのあるがままの姿、愛と叡知と慈悲を持って支配する自然法則の背後に控える無限なる知性として説いております。
私どもは地上の人間一人ひとりに宿るあなたの心的属性に目を向けさせております。そしてあなたの神威が存分に発揮されるにはいかなる生き方をすべきかを説こうと努めているものでございます。
そうすることによって子等もあなたの存在に気付き、真の自分自身に目覚め、さらにあなたの摂理の行使者として、彼らを使用せんとして待機する愛する人々ならびに高級界の天使の存在を知ることでございましょう。
私どもは全ての人類を愛と連帯感を絆として一体で在らしめたいと望んでおります。そうすることによって協調関係を一層深め、利己主義と強欲と金銭欲から生れる邪悪の全てを地上から一掃することができましょう。
そしてそれに代わってあなたの摂理についての知識を基盤とした地上天国を築かせたいのです。その完成の暁には人類は平和の中に生き、全ての芸術が花開き、愛念が満ち溢れ、全ての者が善意と寛容心と同情心を発揮し合うことでしょう。地上を醜くしている悪徳(ガン)が姿を消し、光明がすみずみにまで行きわたることでしょう。
ここに己を役立てることのみを願うあなたの僕インデアンの祈りを捧げます」