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先月を 振り返って |
<先月の本>
今月の、★★★★★は、まずディーヴァーの「眠れぬイヴのために」。ハードカバーを文庫化したものですが、有名になった「静寂の叫び」より面白かったと思います。精神病院から脱走したルーベックと、それぞれの理由で彼を追う3人との追いかけっこにハラハラしました。
そして、エルロイの4部作の1作目、「ブラック・ダリア」。こちはドキドキのストーリーというより、「人間」を描いてじっくり読ませる小説。実在の事件を元に、それに振り回された2人の警官を中心とするお話です。
装丁の美しさ、厚さ、内容ともに私の趣味に合っていたのが、エリック・ハンセンの「旅の終わりの音楽」。ハラハラでもなく、衝撃の結末でもなく、ただゆったりと時間が流れるようなこういうお話も、たまに読むととっても気分が良いです。
今月の注目の作家はなんといっても、北村薫。一気に覆面作家シリーズを読んで、北村さんの本のよさを再認識したという感じです。<わたし>シリーズも良いのですが、どちらかというと、覆面作家のほうが私は好きです。
<先月の私>
梅雨の季節になってしまいましたねー。私は、じめじめも暑いのも嫌いなので、どうもこの時期は憂鬱です。楽しい本が出るのを祈るばかり。
だんだん、<先月の私>ならぬ<先月の映画>になりつつあるこのコーナー(笑)。今月観た映画は2本。1本目は、トミー・リー・ジョーンズ主演の「追跡者」。「逃亡者」が大好きな私としては、見逃せない作品だったのですが、なかなか面白かったです。前回ハリソン・フォードが演じた逃亡者は、医者だったのですが、今回の逃亡者は、元CIA工作員というプロ。しかもちょっと人間ドラマ的なところもあって、ジェットコースタームービーとしては、はなまるです。
もう1本は、マット・デイモン主演の「レインメーカー」。笑えるし、泣けるしのGoodな映画でした。マット・デーモンは、老獪な弁護士を相手に、一歩も引かない、それでいて細かい法廷の規則をしらない青二才の弁護士役がぴったりです。判事、主人公のパートナー、下宿のおばあちゃんなど、脇役陣の活躍も光ります。私は原作を読んでいないのですが、少ししたら読もうかなあ。読んで見に行った方は、どう思われましたか?
*この映画は、アメリカの裁判制度を知っていることが前提に作られているようで、あまり説明がされません。見に行かれる方は、リーガルサスペンスなどを読んでいかれたほうが、楽しめると思います。
「氷の男」、「評決のとき」、「死体なき殺人」などがおすすめです。