カードしてE?

- Last Modified '02/11/23 -

GBA発売前の製品説明会で石原恒和氏 (ポケモンシリーズプロデューサー) が唐突に発表したGBA最初の本格周辺機器、それがカードeリーダーでした。あの自信に満ちた発表から約9ヶ月、果たしてGBAの強力な援軍 (・・・を必要としているかどうかは分かりませんけど (笑)) となりうるのだろうか?

バーコードバトラーも当時は大ブームでしたね

まず、このハードを見て誰もが思ったことは『バーコードバトラー?』ということでしょう。アレは単純ながら実に目の付け所が良かったというか、身近にあるモノが全て遊びの対象になるという手軽さもあって大ブームになりました。もちろん、付属あるいは別売りのカードを使ってバトルするのも流行、この頃からカードゲームの布石は始まっていたのかもしれませんね。


これは結構レアなハードかも?!

また、ゲームボーイに特化した周辺機器として同様なモノにバーコードボーイというのもリリースされていました。こちらも原理は同じなのですが、ゲームボーイ本体を使うので結構凝った演出が可能になっていました。ただ、これらのハードは基本的に単純なバーコード (黒白の線の太さの組み合わせだけで2進コードを作る) なので、大きなデータを扱うことが出来ず、ゲームも単なる数値合戦の域を脱することが出来ませんでした。


これだけ見るとコンパクト?

あれから数年、技術の進歩はバーコードに新たな技術が登場。それが、オリンパス光学工業が開発した『二次元バーコード (スキャントークというワープロのような製品も発売している)』です。詳しいことは専門のページに任せますが、従来のバーコードが単純の線の配列だったのに対し、二次元バーコードでは点のマトリクスで情報を記憶することで、より多くの情報をバーコードに納めることに成功。単純な数値だけではなく、容量の大きい音声やグラフィックも扱えるようになったという訳です。また、読み取りの際のアルゴリズム等の工夫により印刷の品質が多少悪くても大丈夫だったり、読み込みのスピードも速いといった特徴があります。カードeリーダーの場合、コストを抑える為にそれなりに機能を落としている所もありますが (読み取りのスピードが若干遅いとか)、それでも5800円という値段でこれだけのことが出来るというのはスゴイと思います。


GBAに挿すとヤッパリ大きいと感じますねぇ (苦笑)

さて、そろそろ本題に入りましょう。まず、どこのサイトの紹介でも『デカイ!』という意見が見られますが、ホントにデカイです (笑)。デカイというよりも厚みがあるといった方が良いでしょうか。でもその外見とは裏腹にそれほど重たくはありません (公称70g)。ただ、バッテリで遊ぶ場合コレを持ったまま遊ぶというのはかなりの鍛錬になるでしょうね (笑)。まぁ技術的なことを考えればかなり頑張ってはいると思います。が、これは持ち歩こうとは思わないなぁ (それどころか単に持って遊ぶだけでも苦しいかも (苦笑))。やはり、カードゲームの補助マシン (ポケモンカードeでは、試合の制限時間を計測するタイマとか、コインの裏表を決定するプログラムが使える) という位置付けが強いのかもしれません。そうなると、こういうカタチではなくGBAを立てかけるような台のカタチにしてGBAとはケーブルで繋ぐ、というのも良かったかもしれませんね (つーか、個人的にはそっちの方が良いかも)


コレはGBA開発者は何も考えていなかったのだろうか?

というのも、現状のカタチではカードeリーダーを取り付けると、通信ケーブルのコネクタが完全に使えなくなってしまうからです (マイガッ!)。いや、これがポケモンカードeみたいにカードeリーダーは単体で (しかも補助的に) 使うというモノであれば何の問題も無いのですが、任天堂自身が今後のカードeリーダーの展開としてマリオパーティカードの開発を打ち上げてたりするんですよね。他のGBAと繋がらないのにパーティゲームとはコレ如何に?!もしかして、カードをメインに使う新たなパーティゲーム?いや、そんなことはありえないでしょう。これって、これから発売される周辺機器でも同じように問題になるんじゃないのかな?周辺機器があまり発売されないのって、意外にコレが原因だったりして?


カード自体はこんなカンジ

さて、カード自体の構造をちょっと見てみましょう。と言っても内部まで解析する訳ではありませんが。バーコードはカードの縦と横に1つずつ印刷されています (片方だけのカードもアリ)。縦の長いコードには 2064 Byte、横の短いコードには 1296 Byte の容量が保存でき、しかも複数のカードのコードを連続して読み取ることで大規模なデータも扱うことが可能。これにより『ファミコンのカートリッジ並の容量を確保出来る』そうです。実際に最大どれくらいまで読み込めるのかは明らかにされていませんが、私の知る範囲ではクラブシェルダーニョロモマリルニョロゾニョロボンの6枚のカードを読み込んで『およげ!ニョロボン』というプログラムが動くのを確認しています (ちなみに、右のポニータのカードではアニメが見れる)


ポニータのデータを見るのって初めてかもしれない (苦笑)

で、例えば同梱のポケモンカードeの例を挙げると、横方向の短いバーコード (ベースコード) を読み取るとカードの情報が表示されます。カードの印刷面だけでは絶対的に不足していた情報量がこのバーコードに入るというだけでも凄いことですが、テキストだけでなく映像やサウンドまで収録されているというのですから更に驚きです。DT (ゼビウスの作者・遠藤雅伸さんが作ったカードゲーム) も、この仕組みがあれば、より設定などが濃密になったかも。


ポケモンを使ったミニゲーム

今度は縦方向の長いバーコード (サイドコード) を読み込んでみましょう。要領は変わりません。試しにピカチュウヨーギラスのカードのバーコードを連続で読み取ってみると『ドキドキかくれんぼ』というアニメーション (音楽付き)のプログラムが起動しました。このようなプログラムを動かすことが出来るというのが、従来のバーコードリーダーよりも優れた点の一つであり、ウリの一つにもなっています (ポケモンカードeの場合、読み取らせるカードの組み合わせでプログラムが変わり、それを探すというのも楽しみのひとつになっています)。ちなみに、こういった簡単なアニメの他にポケモンカードゲームで使用出来るコイントスプログラムとか、プレイヤーが操作するミニゲームなどもあり、必要なカード数も変わってきます (必要なカードの種類や数はカードリードの画面で確認出来ます)。主なカードの例を下の方で紹介してますので、そちらも参照してみてください。


限定版のゲーム&ウォッチカード

現在は、ポケモンカードeしか発売されていないので、ポケモンやる人以外の関心が薄く、ハードも目立った動きを見せていませんが、マリオパーティゲーム&ウォッチといったゲームプログラムのカードが発売されることで、ソフトの供給形態として新たな展開が期待出来ると個人的には考えています。


任天堂と小学館のタッグは強いですな

特に、コロコロコミックでは既に実施していますが、限定版のカードを付録に付けて売るという方法 (この場合、ゲームというよりもレアカードのデータという側面が強いですが)。ソフト1本を買うのはかなり出費が大きいですが、雑誌の付録となれば安いモノ (毎月購読してる人なら新たな出費は0とも言える)。また、カードブックという形式でたくさんのカードを1冊の本にして売るという方法も考えられます (既に、そういう形態の攻略本はありますよね)。とにかく、元々サイズの大きなプログラムは作れないという欠点はあるモノの、逆にそれが適度なサイズのミニゲームを供給するには丁度良いカタチとなり、しかも紙ベースなので増産が非常に安価かつ楽に行えます (実際に安価で売られるかどうかは任天堂のサジ加減によりますが (苦笑))


横から見ると改めて大きさが・・・

ただ、やはり先ほども書いた本体自体の大きさの問題、通信ケーブルの接続の問題など、気になる所は多いです (小型改良化を切に願います)。また、読み取り精度および速度は (この手のオモチャにしては) 良い方なのですが、読み込んでから実行に移せるまでのタイムラグがあるので (連続して読み込ませる場合などは特に)、カードを次々に変えて遊ぶというような遊び方はあまりオススメ出来ません。カードゲームをやる人も、多分最初は物珍しさでデータを読み込んだりするでしょうけど、そのうちデータは覚えてしまってタイマやコイントス用に特化しちゃう可能性が無きにしもあらずです (カードの組み合わせによって発動するプログラムを見つける楽しみはあると思いますけど)。ポケモンカード自体の完成度が高かった故に、カードeリーダーで出来ることに逆に制約が出来てしまっているカンジですね。もう少しカードゲームのシステムそのものにに影響を与えるようなモノがあっても良いかも。


かなり無理っぽいけど

あと、やっぱりカードゲーム以外 (ソフト供給媒体としての使い方も含めて) の使い方を提示して欲しいですね。個人的に期待したいのがパソコン上で自由にデータやプログラムを作ったり出来るツールと、バーコードを印刷する為のプリンタが出て欲しいなぁ、と。自分の名刺にバーコードを印刷して、GBAで読み込ませたら画像や音声のデータが出るとかね。ま、さすがに需要が少なそうだし、著作権 (実際のカードを不法にコピーしようとするヤツは必ず出てくると思う) とか色々と面倒なことも発生すると思うので無理だとは思うけど。あ、でもGBA上で文字や絵を入力して、ポケットプリンタで打ち出すってのはアリかも (プリンタの解像度を考えると難しいか?でも今後新しいポケットプリンタが出てこないとも限らないしなぁ)。どうよ?>任天堂さん

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