home出雲、松江、美保関出雲、日御碕>一畑電鉄


一畑電鉄
Itibatadentetsu

 出雲大社方面と、出雲市方面との乗換となる川跡駅。何故か1番と4番とが並んでいる不思議な駅です。停まっているのは元南海電鉄の21000系。

 出雲大社に行くのをバスか電車どちらにしようかと思ったのですが、電車の方が早く出発するのでと一畑電鉄のホームに上がって見てびっくり。おやどこかで見たような。地方の私鉄にありがちなパターンに出会ってしまいました。そう、首都圏なり関西圏の私鉄のお下がりがこちらに回ってきているのです。それもコーポレートカラーの黄色と青色になって、実に鮮やかに。
 
 ここまで色を変えられると最初はなんだか分からなかったのですが、京王線で昔よく乗った車両というのが色を取り去ってみるとようやく分かってきました。そういうことだったのか。
 この元京王5000系は結構綺麗で、新しくなった出雲市駅には合うのですが、鄙びた大社駅や川跡駅にはもっとクラシカルな旧南海の車両が実に似合うのです。何かここで最初から活躍しているような気にさせる。それ程マッチしていました。

 また駅舎も素晴らしい。大社駅は旧国鉄のものがいかにも大社していますが(行けなかった)、一畑の出雲大社前駅はちょっとリゾートしている感覚があり、国鉄の権威主義に対する遊び心のようなものを感じることが出来ました。
 
 もうひとつ。川跡駅で写真を撮っていたら、背景の屋敷林の美しさが目にとまりました。そうだ、何処かで出雲の屋敷林の写真を見たぞ。そうだバーナードルドフスキー、「建築家なしの建築」に載っていた気がする。と、帰って開いてみたらやはりありました。説明では島根県の防風林となっていますが、島根でこれだけの平野があるのは宍道湖の注ぐ斐川沿いにしかないと思いますので、正にこの周辺のはずです。水田の中に防風林家屋が散在する素晴らしい風景。近代化によりここに掲載されている風景はどんどん失われているけれど、まだまだ美しい屋敷林は残っているのでした。
 
 出雲大社前駅から川跡駅で松江温泉行きに乗り換え、松江へと向かいます。暫くすると宍道湖湖畔に出、その大きな湖面を見ながら夕日が傾く中をあくまでものんびりと進んでいきます。そのクラシカルな2扉の車体、窓の外の大きな水面、対岸はモヤで霞んでいる、そしてがらんとした車内。何か「千と千尋の神隠し」で、千尋とカオナシが乗る「海原電鉄」のイメージが浮かんでてきました。海と湖の違いはありますが、そんな気分にさせられた一畑電鉄でした。

こちらは大社駅での旧京王5000系。昔はクリーム系の上品な色でしたが、これはこれでいいのでは。また駅は連続立体事業ですっかり綺麗になっています。 川跡駅にて。駅表示板を撮ったつもりが、手入れされた屋敷林。斐川の堤防と、ここの特徴が一杯写っていました。
出雲大社前駅。国鉄駅の純和風の堂々とした造りに対抗したのか、交差ヴォールトの天井、ステンドグラスと、実に垢抜けたというか、出雲らしくない建物です。表示板がちょっと興ざめですが、いつまでも綺麗に使って下さいね。 出雲大社駅ホーム。レールの錆びようから1番線しか使っていない感じがします。何とも鄙びた駅でした。
宍道湖に出、日が段々傾いてきました。宍道湖には何か特別な光を呼び込む力があるような気になってきます。 車内の駅名PR表示。「みだみ」は読めませんね。キーホルダーは売れているのかな。
松江側の終点「松江しんじ湖温泉」駅。出雲大社側との違いにびっくり。
「建築家なしの建築」での出雲地方の航空写真。遠くに宍道湖を見ているような。この風景はかなり変わってしましまいましたが、片鱗が残っているのですね。
一畑電鉄

出雲、松江、美保関