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福間館(美保関)
Fukumakan

(旅館) 35 33 44.58,133 18 28.84
(浜延舎)35 33 41.23,133 18 41.65

集落のほぼ東端に位置する浜延舎。1階のサッシ以外はほぼ当時の姿を伝えています。
エアコン室外機とアンテナはしょうがないですね。ヨーロッパの町でも目につきます(あちらではパラボラも)

 3月はまだ蟹が食べられる。そのために行ってみようと足を伸ばしたのが美保関です。蟹をキーワードに探しているうちに出てきた所ですが、なかなか味のある集落でした。島根県のほぼ東端、地蔵崎のちょっと手前、グーグルアースで見ると、天然の良港という感の見事な入り江の周りに集落がびっしり。平地や建物が建てられそうな斜面はみな利用して集落が形成されている。絵に描いたような港町、いや港村です。

 そこにはいくつか旅館がありますが、引っかかったのは福間館という宿に古民家北前船プランというのがあることでした。一戸建ての宿に泊まるというのをあちこちで実践してきている身にあって、これは楽しそうだというのでここに決め、そして追加で蟹もお願いしました。
 
 北前船は正に日本海ルートなのですが、その中にあって南に面した港というのが実に貴重だったのでしょう。時化の際にもここに回り込めば穏やかな海になる。そんなロケーションにより発展したのがここ美保関。だから驚くほど日本海の各港とのその繋がりが強かったようです。そして、船宿として使われていた建物を旅館の離れとして泊まれるようにしたというのがご主人、福間氏の言でした。明治初期のものだそうです。

 宿でチェックインを済ませると、ご主人が車でこの離れまで連れて行ってくれました。そう、旅館は集落のほぼ西端なのにこの離れは東端にあります。そして港からは一件奥の通りに面して、その古い建物がありました。
 内部は昔の民家そのものでした。農家は土間がたいそう広いけれど、ここは基本的に町屋風の造りというべきでしょうか。通し土間の脇に二間、突き当たりの急な階段を上った2階に二間+次の間風の小さな部屋があります。何処で寝てもいいのですが、炬燵のある2階の8畳間に寝ることにしました。3月も結構寒いのです。
 
 食事は旅館まで行って食べますし、風呂も旅館のを使います。となると、本当町中の食堂に行って、そのまま銭湯に寄って帰ってくる、そんな気分でこの港町を楽しみました。また、外出の際も鍵もかけることなく雨戸を閉めておしまい。田舎町暮らしを体験出来た一晩でした。
 
 そうそう、食事ですが、予想通り蟹が食べきれないほど出てきまして、平らげるのに一苦労、いや二苦労位した気がします。もっとお腹空かしておくのだった。

1階の二間。左に土間、その奥にバストイレ、後に台所があります。落ち着いた普通の家という所か。 2階の二間。こたつが暖かい。右手には廊下を挟んでもう一間ありました。障子が優しい光を入れてくれます。
1階の土間。突き当たりが入口です。土間のある家も本当久しぶりなような。土間は最小限でした。 入口です。何故かにじり口のように小さくしてあるのは元からそうだったのでしょうか。
蟹の殻もこんなになりました。食ったー。
福間館

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