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再生細胞薬SB623

細胞再生薬SB623の開発は、サンバイオの創始者森敬太氏と、成人にも神経幹細胞が存在することを発見した岡野栄之教授との出会いから始まったそうです。岡野教授のこの発見によって、それまで再生不可能とされていた脳神経の再生が可能であることが明らかとなったのです。サンバイオは2001年1月に米国で設立され、2013年、日本の再生医療新法施行を機に拠点を日本へ移転しています。

2024年8月2日

サンバイオの2024年7月31日付け”「アクーゴ®脳内移植用注」(一般名:バンデフィテムセル)について、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善治療薬として条件及び期限付き製造販売承認を取得”と題するニュースリリース。 ようやく条件及び期限付きであるが承認を得た。これからが本承認に向けて正念場と言える。 慢性期脳梗塞に対しても弾みになることを期待します。

 

2024年7月3日

サンバイオの”「アクーゴ®脳内移植用注」に関する一部報道について”と題する最新ニュースリリース。

 

2023年3月11日

最近SB623についてあまり情報がないなか、"脳梗塞のリハビリLAB"というサイトに、2022年10月14日付けの記事で、再生細胞薬SB623に関して、作用メカニズムと投与方法、最新情報と今後の実用化など、全体像を詳しく解説しているので紹介します。

 

2020年10月24日

サンバイオは慢性期脳梗塞を対象にした「SB623」の開発について、米国での臨床第2相後期(P2b)試験の主要評価項目未達で中断していたが、臨床試験の追加解析結果が統計学的に有意な結果を示したため、開発計画を一部変更し、新たな優先事項を推進することなどを発表した。うれしいニュースである。今期開始予定としていた外傷性脳損傷グローバルフェーズ3試験については、来期以降に延期し、脳梗塞プログラムと脳出血プログラムの国内における開発を優先する。外傷性脳損傷の今期中の国内承認申請に向けた準備と並行して進める。詳細はニュースリリースをご覧ください。株式市場がこれに受けて「サンバイオがストップ高」となった。

 

2020年7月29日

サンバイオは再生細胞薬SB623についてTBI(外傷性脳損傷)と脳梗塞に自社リソースを注ぐと発表した。そのほかの適応症(脳出血、加齢黄斑変性、網膜色素変性、パーキンソン病、脊髄損傷、アルツハイマー病等)については開発企業を探すという。
TBIについては6月24日に希少疾病用再生医療等製品に指定され、2021年1月期(2020年2月〜2021年1月)中の承認申請を目指している。
慢性期脳梗塞の再治験についてはリソースの問題と当局と話し合いをしていかないといけないので、今は明言できないとしている。
慢性期脳梗塞を対象とするのは北大病院脳神経外科の川堀真人特任准教授のベンチャー企業(RAINBOW)の創薬とサンバイオのSB623だけなのでサンバイオがそのリソースを集中するのは喜ばしいことだ。コロナ禍の影響を受けないことを願う。

 

2019年6月12日

慢性期脳梗塞を対象にした米国でのフェーズIIb臨床試験において主要評価項目を達成できなかったという情報以後ながらく情報がないが、2020年4月20日付けのニュースレターにおいて解析結果を米国のClinicalTrials.govのサイトに掲載した旨の発表があった。「慢性期脳梗塞を対象」とし具体化されているのは本薬のみなのでぜひとも積極的な取り組みを期待したい。

 

2019年12月15日 

サンバイオ「SB623」大日本住友との提携解消
サンバイオと大日本住友製薬は2019年12月13日、再生細胞薬「SB623」の
慢性期脳梗塞を対象とした米国およびカナダ地域における共同開発を中止すると発表した。同時にサンバイオの米国子会社SanBioと大日本住友製薬の間で締結された共同開発およびライセンス契約を解消することで合意したと発表。米国で行った後期臨床第2相(P2b)試験で主要評価項目を達成できず、大日本住友は事業の優先順位も踏まえて提携解消を決めたとのこと。これによって、今後もグローバル展開を目指して慢性期脳梗塞を対象とした「SB623」の開発を継続と再試験の計画に影響が出なければいいのだが。

またSB623の
外傷性脳損傷対象の承認申請の予定時期を、1年遅らせて2021年1月期中(2020年2月〜2021年1月)にすると発表した。大日本住友との契約解消と関係はないとしているが。


2019年10月10日
再生細胞薬「SB623」の現状
外傷性脳損傷対象
2019年4月に欧州医薬品庁(EMA)から、先端医療医薬品(ATMP)の指定を受けた。
日本では2018年11月に第II相臨床試験で有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達したこととにより2019年4月8日、厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けることになったと発表。
2019年9月19日再生細胞薬「SB623」が米国食品医薬品局(FDA)の「RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy=再生医療先端治療)」の対象品目指定を受けることが決定したことを明らかにした。
以上をもって、日本の慢性期外傷性脳損傷プログラムにおいては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020年1月期(2019年2月〜2020年1月)中に、再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指すとのこと。
慢性期脳梗塞対象
米国での臨床第2相後期試験で主要評価項目を達成できなかったが、森社長は「薬の濃度、投与方法など、どこかに(効果が出ない)原因があるのかもしれない。薬をより高い濃度で投与するなど、(治験のやり方の)工夫はある」と述べた。また、京都大学の角昭一郎准教授は「外傷性脳損傷も慢性脳梗塞も、脳の組織がダメージを受けているという点では病態が同じ。(サンバイオの新薬は)外傷性脳損傷で効果が出ている以上、慢性脳梗塞で効果が出なかったのは何か理由があるはずだ」と指摘する。細胞を浸した溶液の粘性や、注入の仕方次第では「効果が得られる可能性はある」と角氏は言う。
いずれにしても再治験実施の方法および日程の発表が待たれる。


2019年4月6日
再生細胞薬「SB623」について、サンバイオの森敬太社長が2019年3月25日に開催された2019年1月期決算説明会において、米国で行われたPhasellb臨床試験で主要評価項目を達成できなかった件について、脳梗塞での開発は継続し中止は想定していない、詳細な解析結果を得た後に再試験を行っていくと明言されたそうです。一安心ですね。期待しましょう。決算説明会資料は準備でき次第同社のWEBサイトに掲載されるそうです。

2019年2月4日
慢性期脳梗塞の米国でのPhase2b臨床試験で主要評価項目を達成できなかったことについて週刊ダイヤモンドONLINEが森敬太サンバイオ社長にインタビーした記事を掲載しています。
これを読んでほっとした人、勇気づけられた人が何万何十万といる思います。あらためてサンバイオ社にエールを送りましょう!

2019年1月30日
とても残念なニュースです:
「サンバイオと大日本住友は29日、共同開発している再生細胞医薬「SB623」が
慢性期脳梗塞を対象とした米国での治験PhaseUbで主要評価項目を達成できなかったとの解析速報を発表した」
昨年11月に「慢性期の外傷性脳損傷を対象に日本と米国で行ったグローバルなPhaseII臨床試験で、主要評価項目を達成したと発表した。」という発表があっただけに、患者として発病以来ずっと期待していたショックは大きい。「結果を受け、今後のグループの事業の進め方を見直す」という。
どうなるか…


2019年1月26日
サンバイオは2019年1月18日、神経組織を再生する再生細胞薬「SB623」について、慢性期脳出血に対する開発プログラムを追加すると発表した。PhaseIIまたはPhaseIIIからの開始を見込んでいる。タイムラインなど詳細は未定。すでに慢性期外傷性脳損傷慢性期脳梗塞を対象とする治験は着々と最終段階に近づいているが、これに慢性期脳出血が加わることになる。

2019年1月7日

再生細胞薬「SB623」の現状
外傷性脳損傷対象
サンバイオは2018年11月1日、慢性期の外傷性脳損傷を対象に日本と米国で行ったグローバルなPhaseII臨床試験で、主要評価項目を達成したと発表した。まずは日本で2020年1月期中(2019年2月から2020年1月)に同薬の承認申請を行う予定とのこと。早期承認制度を活用すだろうから早ければ2019年中にも承認されるものと期待される!
慢性期脳梗塞対象
慢性期脳梗塞プログラムについて、サンバイオは米国で、大日本住友製薬株式会社の米子会社の「サノビオン・ファーマシューティカルズ」と共同でPhaseIIb 臨床試験(二重盲検試験)を実施しており、2007年12月にすべての被験者(163 名)の組み入れを完了した。12か月の経過観察期間に入っており、トップライン結果を2019年2月〜7月の間に発表する予定。その後PhaseIIIを経て2020年に承認取得を目指すとのこと。日本では早期承認制度を活用すればPhaseII後に承認申請できるだけに、日本での具体的状況が公表されていないのが残念。

2018年11月4日
サンバイオが2018年11月1日付けでSB623の外傷性脳損傷を対象にした第2相試験について発表した。この治験は日米両国で実施されたもので主要評価項目が達成されたとのことだ。一方慢性脳梗塞を対象にした第2b相治験は米国において既に実施中で結果が出る日もそう遠くないが日本ではどうするのか不明だ。米国での結果を結果に基づいて日本でも承認申請できるのかな…そんなことはないか…
SB623外傷性脳損傷を対象にした第2相試験(STEMTRA試験)結果に関するお知らせ

2018年6月8日
前に脳の再生医療のページで紹介したサンバイオのsb623に関するNHKの動画が「クローズアップ現代+「脳がよみがえる? 再生医療大国・...』 この動画に関連付けられていた YouTube アカウントは、著作権侵害に関する第三者通報が複数寄せられたため削除されました。ので別の動画を紹介します。サンバイオは2013年、日本の再生医療新法施行を機に拠点を日本へ移転しています。

2018年3月21日
今年に入ってサンバイオの情報発信が増えている。2018年2月23日のTV番組、「健康科学ミステリー!”若返り” 医療最前線」でSB623が当社が取り上げられいます。また2018年1月期決算説明会でSB623の進捗状況が動画で詳しく報告されている。さらに、再生細胞薬「SB623」の開発進捗の総括について、というタイトルのドキュメントも公開されている。

2018年2月21日
再生細胞薬SB623の進捗について最新情報が入った。「帝人株式会社にライセンスアウトしていた開発権および販売権が平成 30 年 2 月 14 日付で当社に返還されました」という記述が目を引いた。ライセンスアウトされたのは2009年だ。発表では「両社間で開発方針に相違が生じたことから、協議を重ねた結果、…」とあるが、ずっと何もせずに今になってようやく返還したという印象だ。もっと早く返還すべきだった。でもこれで何か動きがあるだろう。サンバイオの「今後、慢性期脳梗塞としては世界のどこよりも早く日本で最初の上市を実現できるよう目指していく予定です。」という頼もしい言葉に期待したい。

2018年1月28日
もうそろそろと思って帝人にSB623の慢性脳梗塞を対象とした治験のスケジュールについて問い合わせてみた。1月24日に次のような回答をいただいた。
「SB623は現在、治験準備の段階です。
提携先とも協議しながら検討しておりますが、
申し訳ありませんが治験の開始時期に関してはお答えすることができません。
ご了承頂きたく宜しくお願いたします。」


2017年12月16日

「リハビリテーションへの期待」と題するコラムに次のように記載されていました。
「SB623はこれまでにない脳神経細胞の再生が期待される新薬です。しかし、その効果は完全に損傷された脳機能を回復させるものではありません。そのため、SB623を用いながら脳細胞の回復を期待するのと同時に、これまで同様に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による機能回復も必要です。療法士にとってこれまで回復が難しいとされていた神経疾患や慢性期の機能回復に、再生医療と共に挑む時代が来ることが期待されます。」


2017年12月16日
2017/11/07付けで「慢性期脳梗塞フェーズ2b(米国)の患者組入れ85%を達成」というニュースがありました。詳細はこちらから

2017年12月10日
ここでは脳梗塞患者を対象とした臨床試験だけを話題にしていますが実は外傷性脳損傷(TBI)の患者を対象とした臨床試験もすでに実施されており、まだ被験者を募集しています。日米両国で実施されています。米国のClinicalTrials.govのデータベースを見ていたら"Last Update Posted: November 7, 2017"で"This study is currently recruiting participants."とあり、"Contacts and Locations"に日本のContactとして次の機関が記載されています。
Japan
Hokkaido University Hospital (Surgical/Assessment)  Recruiting
Sapporo, Hokkaido, Japan, 060-8648
Contact: Masahito Kawabori, MD, PhD

Yokohama City University Hospital (Surgical/Assessment)  Recruiting
Yokohama, Kanagawa, Japan, 236-0004
Contact: Jun Suenaga, MD, PhD

Okayama University Hospital (Assessment/Surgical)  Recruiting
Okayama-shi, Okayama, Japan, 700-8655
Contact: Takao Yasuhara, MD, PhD

Osaka University Hospital (Assessment/Surgical)  Recruiting
Suita, Osaka, Japan, 565-0871
Contact: Hajime Nakamura, MD, PhD

University of Tokyo Hospital (Assessment/Surgical)  Recruiting
Bunkyo, Tokyo, Japan, 113-8655
Contact: Hideaki Imai, MD, PhD

これはフェーズ2ですから、日本では早ければ2020年末頃にSB623の外傷性脳損傷用途が承認される可能性もあるのでは。うらやましい限りです。脳梗塞用途も何とかならないのかな。

2017年12月6日
SB623については次のサイトをおすすめします。その成り立ちや作用のメカニズム、さらに今後の可能性などが図や動画を交えて詳しく解説されています。
008)脳神経細胞再生を現実にする(1)(2015/2/6)
009)脳神経細胞再生を現実にする(2)(2015/3/2)
010)脳神経細胞再生を現実にする(3)(2015/4/21)
米国での被験者156人を対象としたフェーズ2b臨床試験(二重盲検試験)は2016年12月に開始されたからそろそろ何か中間報告でもないかと検索しているのですが、まだそれらしい情報は見当たりません。