
望遠鏡で人類史上初めて木星を観察したガリレオは,直線状に並ぶ小さな星を
木星の衛星と直感し,1日後に位置が変わっていることを確かめたそうです.
テーマと目的
地球惑星科学の分野は,宇宙や太陽系の構成と進化,大気や海洋の運動,地震や火山の固体地球,地層や化石と地球の歴史,地球環境の変動,などと大変広いです.それら地学分野の学問は基本的には,物理学・化学・生物学に基づいて成立しています.そのため,地学分野の諸現象の正しい理解のためには,理学の他分野の基本的知識が必要です.
このホームページの目的は,特に物理学的な考え方を重視した演習問題を解くことで,グローバルな視点からの地球や惑星に対する理解を深めることです.但し,使用する物理学及びその基礎である数学は,高校から大学基礎課程レベルとしています.大学の教育学部で理科を専攻する学生の大半は文系受験で入学するようですが,地学を学びながら物理学と数学の基礎も並行して学ぶと良いです.
地球科学の主な教科書:
- Turcotte, D. & G. Schubert, Geodynamics(Third Edition), 623 pp., Cambridge University Press, 2014.(基礎〜専門レベル,地学現象の物理的背景を基礎から詳細に学べる世界的な名著です)
- Fowler, C.M.R., The Solid Earth: An Introduction to Global Geophysics, 685 pp., Cambridge University Press, 2005.(基礎〜専門レベル,固体の地球物理学全分野について説明が詳しく,観測値やモデル計算による多数の図が色刷りで載っています)
- 瀬野徹三,プレートテクトニクスの基礎,200 pp.,朝倉書店,1995.(基礎〜専門レベル,物理的考え方が学べます)
- 河野長, 地球科学入門:プレート・テクトニクス, 195 pp., 岩波書店, 東京, 1986.(基礎レベル,物理的視点からプレートテクトニクスの基礎と発展の歴史が学べます)
- 山中高光,宇宙・地球:その構造と進化,251ページ,学術図書出版社,1995.(基礎レベル,物理・化学による説明が詳しい)
- 西村祐二郎ほか,基礎地球科学(第3版),212ページ,朝倉書店,2019.(基礎レベル,固体地球科学一般)
- 酒井治孝,地球学入門(第2版) -- 惑星地球と大気・海洋のシステム,332ページ,東海大学出版部,2016.(基礎レベル,地球科学一般)