Mちゃんの火造り遊び`01/6

by Recycler


 Mちゃんの火遊び、、、なんて書くと、危ない話になってしまいそうだが、火遊びでなくて火造り遊びだ。長野在住のMちゃんが、鍛造をやりたいと、高速バスに乗ってやってきた。
 小山師匠は、スケベかどうかは知らないが、女の子にはめっぽう親切だ。二日間にわたり手取り足取り鍛造ナイフ作りをMちゃんに教える。 彼女は、男勝りの腕力があるので、思い切りハンマーを振るつもりだ。

親切にレクチャ。何故か、少しばかり声のピッチが高い... 横座に入って得意満面のM嬢。フイゴで火を熾す。

 Mちゃんは、世界のあちこちを放浪した剛の者。前に持っていたナイフは落として無くしてしまったので、新しいものが欲しいと、どうせなら鍛造で自分で作りたいと、素人がいきなり贅沢な願いをかなえてしまった。

流石のMちゃんでも、火造りのハンマーはそう簡単には扱えきれない。なかなか形が変わらないのでコツコツと頑張る。 こちらは、空打ちをして鍛えているところ。
小山師匠の所は、金床が幾つもある。此の金床は結構良いヤツだ。

 それでも、いきなり鍛接は出来ないので、総鋼で造ることにする。材は、白紙の1号だ。
 ええ〜、そりゃあ、ちょっと贅沢なんじゃないの? とは言っても、小山師匠の所にある炭素綱は、白紙、青紙、東郷鋼(イギリス製)、スウェーデン綱、玉鋼しかないから、まあいいか。

ベルトグラインダーで刃付け。 作業手順を教わる。

 本当は、ベルトグラインダーで研削するときは、素手が宜しい。巻き込まれたりするし、また摩擦で材の温度が上がる感覚が解るからだ。

万力で固定してヤスリを掛ける。 ちゃんと丁寧に測りながら形を整えていく。

 小山師匠の所は、良い道具が揃っているので作業がし易い。

この処理で、ナイフの出来映えが変わってくる。 柄の付け方を教わる。鍋は昼飯用。

 ここらの作業は二日目だ。一日目は午後からだったので、刃身を赤めて打って形を整えたところで終わってしまった。

焼き入れは、師匠が行う。此の色の変わり方だと、ちょっと焼きが入り過ぎかな??? 若い?女性だと何時もと勝手が違う...... 本数が少ないので、焼き戻しはガスで行う。これも師匠が行った。

 片刃だと反ったりするので、此の時点で打って調整。彼女のは両刃なので、素直に出来上がった。此処までの工程で綺麗に出来ていると、研ぎも楽だ。

研ぎはシャコシャコと自分で行う。 だんだん研げてきた。

 写真で見ると、結構簡単そうだが、実際は紆余曲折有り、手間が掛かっている。そして、それらしきモノが出来てきた。

ということで、自分が手掛けた鍛造ナイフの出来上がり。
満足でしたか?
ウオッ!刃を人に向けるな〜。切れ味は自分の腹で試してくれー。。。(^^;;

 以上


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