小倉百人一首 秋の歌 16首



天智天皇
001 秋の田のかりほの盧のとまをあらみ 我ころも手は露にぬれつゝ

猿丸大夫
005 おく山に紅葉ふみわけ鳴しかの 聲きくときそ秋はかなしき

在原業平朝臣
017 千早振神代もきかす立田川 からくれなゐに水くゝるとは

文屋康秀
022 吹からに秋の草木のしほるれは むへ山風をあらしといふらん

大江千里
023 月みれは千々にものこそかなしけれ 我身ひとつの秋にはあらねと

凡河内躬恒
029 心あてに折はやおらむ初しもの をきまとはせるしら菊の花

春道列樹
032 山川に風の懸たるしからみは なかれもあへぬ紅葉なりけり

文屋朝康
037 しら露に風のふきしく秋のゝは つらぬきとめぬたまそ散ける

恵慶法師
047 八重葎しけれる宿のさひしきに 人社見えね秋は来にけり

能因法師
069 あらしふく三室の山のもみちはゝ たつ田の川のにしき成けり

良暹法師
070 さひしさに宿をたち出てなかむれは いつくもおなし秋の夕暮

大納言経信
071 夕されは門田のいなは音つれて 芦のまろやにあき風そふく

左京大夫顕輔
079 秋風に棚引雲のたえまより もれいつる月のかけのさやけさ

寂蓮法師
087 村雨の露もまたひぬ槇のはに 霧たちのほるあきのゆふ暮

後京極摂政前太政大臣
091 きりゝゝす鳴やしもよのさむしろに ころもかたしきひとりかもねん

参議雅経
094 みよし野ゝ山の秋風さよ更て 故郷さむくころもうつ也


[メモ]古今集の歌が七首と多い。


[さらに歌題別に分類する]


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