random walk によって2次元正規分布で広がる酔っ払い

1点から広がりはじめる 1万 人の酔っ払い。酔っ払い一人一人の歩き方は前の「平面上の酔っ払いの軌跡」と同じで、東西南北の酔歩。 この場合もある時刻での出発点からの距離 \(r\)の二乗の平均値\(\langle r^2 \rangle \)は経過時間 \(t\)に比例する。(右欄 \(\frac{\langle r^2 \rangle }{t}=\)一定 ) になっている)  ゆえに酔っ払い達の原点からの距離の根二乗平均 \(s=\sqrt{\langle r^2 \rangle}\) は時間 \(t\) の平方根に比例して広がる。1万人中、半径 \(s\) 内の酔っ払いの人口は下のように積分した値とほぼ一致する。
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直線\(x\) 軸上は正規分布になり、標準偏差を \(s_{x}\) とし、(規格化していない)相対確率密度 \(f(x)\) は

\[ f(x)=e^{-\frac{x^{2}}{2s_{x}^{2}}} \]

半径 \(r=|x|\) の同心円上も同じ相対確率密度になるので、半径 0 から無限大までの全面積にわたって積分すると全人口の相対数 \(I\) は

\[ I=\int_{0}^{\infty}2\pi xe^{-\frac{x^{2}}{2s_{x}^{2}}}dx=2\pi s_{x}^{2} \]

と、計算できる。中心からの距離の標準偏差 \(s\) は

\[s^2 = s_{x}^{2} + s_{y}^{2}\]

の関係を満たし、

\[s_{x}^{2} = s_{y}^{2}\]

なので

\[ s=\sqrt{2}s_{x} \]

よって、中心から距離 \(s\)までの相対人口 \(I_{s}\) は

\[ I_{s}=\int_0^{\sqrt{2}s_{x}}2\pi xe^{-\frac{x^{2}}{2s_{x}^{2}}}dx=2\pi s_{x}^{2}(1-e^{-1}) \]

存在確率は

\[ \frac{I_{s}}{I}=1-e^{-1}=0.632120559 \] ゆえに、1万人中、半径\(s\)の範囲に存在する酔っ払いは約6300人