登山NO.0032 黒岳(水晶岳)( 黒岳:2,986m ) 1991.7.29登山


 水晶小屋から見た黒岳( 1991.7.29 )
【黒岳登山記録】

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再登山

NO.32 黒岳登山記録

昨年は夏に表銀座の縦走を行い、常念岳槍ヶ岳笠ヶ岳を登ったのだが、 今年は裏銀座をやろう という訳で、七倉から折立まで縦走し、黒岳を初めとする 4つの百名山に登る計画を立てた。
そして、この一度の山行で百名山 4座を踏破できるというこれまでにないラッキーコースを辿ることに加え、 今回の山行の大きな目玉は、テントを担いでの初めての縦走ということであった。

7月27日の夜、担ぐときにその重さで身体が振られてしまうような大きなザック (65リットル位だが、 初めての私にとっては本当に重かった) を持って新宿駅へ行き、例の如く登山者でごった返す夜行にて信濃大町へと向かった。
翌朝、信濃大町の駅を降りると、既に七倉行きのバスが止まっており、席を確保すべく慌ててバスに駆け込んだが、 予想に反して七倉行きのバスは空いており、こちらから登る登山者は少ないのかとやや不安になってしまった。

終点七倉でバスを降り、登山案内所に登山届を提出した後、高瀬ダムに向かったが、 ガイドブックに書かれているので覚悟はしていたものの、ダムまでの車道歩きは大変長く、余計なエネルギー使わされた感じがして、 バスの終点をダムまで延長すべきと強く思った次第である (今はバスは廃止され、 その代わりタクシーでダムまで入れるとか・・・)
高瀬ダムの大きな堰堤をジグザグに登って堰堤の上まで辿り着くと、そこは予想以上に大きな (人造) 湖で、 濃い緑色をした水が山襞を縫って奥の方まで続いており、さらに今にも雨が降りそうな曇天の中、 霧に隠れて山の上方が見えないこともあって、神秘的な気配さえ感じさせてくれた。

堰堤を右に進み、ダム内のトンネルを抜けていくと、やがて吊橋が 2つ続き、 泥流となっているような川を渡ったが、山には霧が濃く、川も含めて全体が灰色の世界であった。
尾根道は日本三大急登と言われるブナ立尾根であり、その名誉 ? を授与されているだけあって急登の連続であり、 重い荷物が肩に食い込んで大変苦しかった。
特に、初めてのテント泊であることから、あれもこれもと荷物を詰めすぎた感があり、帰宅後調べてみたところ、 使用しなかったものが 30%近くあって、無駄なアルバイトをしていたことがよく分かった。

霧によって全く展望のない中、三角点のある広場で昼食 (餅入り即席ラーメン) をとったが、 ザックからコンロや食料を出す煩わしさがあり、パン食などの簡単な食事を用意すべきであったと反省させられるとともに、 パッキングの合理性を考えておかねば、ザックから必要な荷物を取り出す度に、他の荷も全部出さねばならないような面倒なことになるということも 身をもって学ぶこととなった。
長くキツい登りも、1歩ずつ確実に進んでいけばいつかは終わりが来るもので、ハイマツの姿を認めるようになるとやがて稜線に飛び出し、 平坦な樹林帯を抜けるて烏帽子小屋に着いた (時刻は 2時15分頃)

テントを張らねばと思ったが、実は登りが終わりに近づく頃から雨が降り出し、 おまけに雷鳴も轟いてきたことから、生まれて初めてのテント泊をあまり惨めな結果に終わらせたくない (本当は雨の中でテントを張るのが面倒だった) と思い、 烏帽子小屋に宿泊してしまうことにした。
暫くして雨は本降りになり雷もかなり暴れていたから、小屋泊は正解であったと思うが、小屋で隣となった人に、 大きい荷物、マットなどのことを少々からかわれてしまった。

雨もひとしきり降った後、サッと止んだので、カメラを片手に烏帽子岳を往復することにした。
向かう途中のニセ烏帽子岳から見えた烏帽子岳の尖鋭的な姿はなかなか魅力的であり、 また烏帽子岳への登りも、途中に鎖場などがあって結構スリルを堪能できたが、 狭い頂上では残念ながら霧のために視界を全く得ることができなかった。

翌日は快晴で、抜けるような青空のもと、まずは三ツ岳へと向かったが、朝のうちはまだ身体もほぐれず、 また昨日の登りの疲れも残っていたのか、登りが大変キツく感じられた。
しかし、美しい花が咲くお花畑を過ぎ、稜線歩きとなる頃から身体もほぐれて快調となり、ゴロゴロした岩場の道をペンキ印に従ってグングン進み、 やがて野口五郎小屋を通過して野口五郎岳頂上に立った。
昔、歌手の野口五郎が全盛期であった頃、その名の由来となったこの山を地図で見つけ、(地図には) 道もないようなこんな山深い所へ行くことができたらスゴイし、 五郎ファンの女の子にモテるだろうかと考えていたことがあったが、 今その頂上に立っていることが何か夢のような感じがした。

野口五郎岳は、その名を戴いた歌手のイメージとは違ってズングリとしていたものの、 その展望は素晴らしく、これから登る黒岳や、立山、 また反対側に槍ヶ岳笠ヶ岳など、 多くの山を見ることができた。

野口五郎岳から緩やかな道を下って、真砂岳の斜面を巻き、いよいよ上方に水晶小屋が見えてきて黒岳も近づいた感があったが、 東沢乗越から水晶小屋への登りは大変キツく、腹も減ってきたこともあって、 本当にアップアップしながらのノロノロした登りとなった。
水晶小屋に重い荷物を置き、烏帽子小屋で作ってもらった弁当とカメラ、水筒だけをサブザックに詰めて黒岳に向かったが、 黒岳はその名の通り全体に黒味がかっており、また一方で水晶岳と呼ばれる通り、 登山道の途中に小さな水晶片が沢山散らばっているのが見られた。
頂上からの展望は抜群で、明日以降登る黒部五郎岳薬師岳、 そして雲の平方面が特によく見え、弁当を食べながらノンビリとそれらの山を眺めていると時間が経つのも忘れる程であった。

以下鷲羽岳の項へ続く。


黒 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ 登山日:'91.7.28-29 天候:快晴後曇り 単独行 前々日車中泊
登山路:七倉−高瀬ダム−不動沢−2,208m三角点−烏帽子小屋−烏帽子岳 −烏帽子小屋()−三ツ岳−野口五郎岳−真砂岳−東沢乗越−水晶小屋−黒岳−水晶小屋
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−大和−(小田急江ノ島線・小田原線)− 新宿−(中央本線:車中泊)−信濃大町−(バス)−七倉
交通復路鷲羽岳黒部五郎岳、薬師岳へと縦走。帰路は薬師岳の項参照
その他:7月27日夜行にて出発。翌28日は烏帽子小屋まで行き、次の29日に黒岳登山。
その他の
水晶岳
登山
鷲羽岳−ワリモ岳−ワリモ北分岐− 水晶岳−ワリモ北分岐−岩苔乗越− 黒部源流−三俣蓮華岳−丸山− 双六岳−双六小屋(泊)−花見平−弓折乗越−鏡平−(小池新道)−わさび平小屋−新穂高第2駐車場
 ( 2015.9.14-16:水晶岳登頂は 15日。 14日 快晴、15日 曇りのち快晴後曇り、16日 曇り )
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