特に何と言うことも無い場所が前回の終了地点。そこから今日はスタート。引き続き国道54号を下っていく。
下りと言いながら実は登り道である。どんどん山の中へ入っていく感じだ。道は緩やかにアップダウンしながら三刀屋川に沿ってウネウネと続くが、追い越し車線がある場所もあって快走できる。トンネルを一つ抜けると「頓原」に到着する。前回終了地点から16km。
周りを見ても特に何も無く道も54号一本だけのような場所にある。雪の残り具合が山奥に来たことを実感させる。
今日は先が長いのでそそくさと先へ行く。このまま54号を進んでいくと「赤来高原」へ着いてしまうが、一筆書きの関係上一旦県道へ入って54号とほぼ平行に走る国道375号に向かう。
石見銀山街道と呼ばれる県道はきれいに整備されていてスムーズに走れる。375号に突き当たったところで左折。江の川(ごうのかわ)とJR線に寄り添いながら走ると「グリーンロード大和」に到着。「頓原」から38.9km。
“大和”はヤマトではなくダイワと読む。トイレと情報館のみのこじんまりした建物があるのみ。スタンプは隣地にある商店に置いてあるらしい。
その店に入ってみると、何をしているでも無いようなご老体方々がたむろしていた。怪訝そうに見つめられながらスタンプを押したが、そのままでは出られないような気迫に圧されて、菓子パン一個買って出た。なぜか江戸川区のパン屋さんのごく普通の物だった。
裏手には江の川が流れていて川の眺めは良い。
江の川は鉄道や道路が整備される以前は重要な河川交通として使われていたらしい。そのくらい立派な川である。
「グリーンロード大和」を出るとすぐに375号を離れてわき道に左折。山道ではあるが走りやすい普通の道路を進む。ちょうど冬季五輪の中継が始まりモーグルの実況を聞きながら行くが、途中で受信困難になってきた。突き当たりで再び国道54号に戻った。
先ほど54号からそれた場所のほんのすぐ近くに出てきたようだ。54号に出たすぐのところに「赤来高原」がある。「グリーンロード大和」から11.9Km。
赤城は群馬にあるがここは赤来である。読みは同じ。「赤来高原」は特に高原にある訳でもなく、普通の町中にある。気合の入ったデザインの駅舎は改装工事中であった。
さらに54号を行く。南西に向かっていた道は「赤来高原」からゆるいカーブで南東へと進路を変える。赤名トンネルを抜けると広島県に入る。今まで進行方向に対して反対に流れていた川の流れが進行方向と同じになった。
国道54号は「道の駅」銀座通りと言えるほど、宍道から三次までの間に5駅もある。その5駅目の「ゆめランド布野」に到着した。「赤来高原」から19.6km。
5駅最後を飾るかのごとく広々とした施設だ。周りに何も無いので特にそう感じる。ここで昼食。レストランでは地元食材料理のバイキングランチをやっていたので迷わず入る。昼のピークは過ぎていたので席もお腹も空いていた。地元食材料理と言う所が良いではないか。
国道54号はこのまま行くと三次を抜けて広島市まで行っているが、今回は三次の手前で左折し三次市街に入る前の突き当たりをさらに左折、54号と180度進行方向を変えて北上する。
道はぐんぐん山中に入っていき、見える景色も山肌ばかりである。と、思うまもなく現代的な温泉施設が見えてきた。それが「ふぉレスト君田」だ。「ゆめランド布野」から20km。
温泉と言っても回りに温泉街がある訳でもなく、ここだけで入れる湯だ。話によると例のふるさと創世ばらまき金で掘り当てた泉源だそうだ。ん~、どっかにもあったような話だ。でも大変成功している事業だそうでそれは何よりである。
スタンプは温泉施設のロビー内にある。確かに入湯客でごった返している様子を見ると、結構繁盛しているようだ。
山道を登り切ったところで道は鋭角に方向を変え南下。ゆるやかに東へ向きを変えながら下っていく。国道432号に出た所を右折して庄原へ向かう。芸備線のガードを潜った先を左折し、庄原市街地を縦断して国道183号に出る。
ここから引き返すような向きで北上を始める。国道183号はJR芸備線と寄り添ってせっかく下ってきたばかりなのに再び山へと向かわせる。
途中に比婆山と言うJRの駅があるが、実際の比婆山とは随分離れたところにある。ヒバゴンはどこへ行ったのだろうか。
JR備後落合駅付近で国道183号と314号がH文字のようにクロスする。183号はH文字の左縦線下から上がってきて横線に入り右縦線を上がる。314号はその逆だ。
今回はH文字の左縦線上側を上る314号を行く。
JR線は相変わらず国道と併走するが路線は木次線に変わっている。
道は高度を上げていき小さなスキー場を横目に見ながら最高地点へ上り詰めるとまた島根県に戻る。そこに「奥出雲おろちループ」がある。「ふぉレスト君田」から62km。
おろちループとはここにあるループ橋の呼び名である。標高差100m以上もある難所を一気に解決する立派な道路だ。JR線はスイッチバックしながらこの難所を越えている。
2回転ループを下ってそのスイッチバック駅前を過ぎる。沿線にはそば屋さんがあちこちにある。
たたらの町横田を過ぎると国道432号とクロスする。そのクロスポイントを432号側に入って行くと「酒蔵奥出雲交流館」に到着する。「奥出雲おろちループ」から27.2km。
この辺りは松本清張作「砂の器」の舞台となり映画のロケも来たそうだ。もうかなり古い話だが、いまだにあちこちにそのPRを見かける。
もう時間も押してきたので先を急ぐ。変化のとぼしい風景の中、432号をどんどん北上して行く。途中で道幅がぐっと狭くなる地点があるが、バイパスが造成中のようだ。
432号はこのまま松江市方面に向かうが、今回は安来方面へ行く道へ逸れる。と、すぐに川の対岸に「広瀬富田城」があるがここで忘れてはならない一筆書き。
川を渡る橋は往復しないようにせねばならないので早めに手前で渡っておく。「酒蔵奥出雲交流館」から26km。
その名のごとく城趾ふもとにある。富田城は自然の山と川を利用した難攻不落の城だったらしく、毛利と尼子の決戦場にもなった。城山へのトレッキングや川辺をジョギングする人も見かける。
先ほどと違う橋を渡って元の道へと戻りさらに北上、山陰道高架下を右折して側道を突き当たりまで行く。そこから国道9号に出て米子へと向かい、米子市街の交差点で本日の行程を終了とした。
本日の区間距離:240.5km
一日の走行距離:332.7km