難読の風情
ごりやから歩いて主計町(かずえまち)に行く。
時は昭和45年。旧町名を自治体が区画管理しやすいように新町名に直す、という対策が日本中で行われ、日本全国で雅な名前が失われていった。主計町もその例外ではなく、そこで付いた名前が「尾張2丁目」。
平成11年10月、主計町は旧町名を取り戻した。理由は、区画整理することで受けられる恩恵と、雅な名前をつけることで得られる経済効果(観光名所は、そんな下らないことで客足が違ってくる)を天秤に掛け、後者が勝ったのだ。
早速街角に鎮座している、大理石で出来た道路標示を見に行く。そこには「旧主計町」と彫られていたのだが「旧」のところが誇らしげに塗り込められていた。
主計町自体は、とても小さい。浅野川沿いに300m程、古めかしい木造の家屋が建ち並んでいるだけのところである。…あぁ、あと申し訳程度に記念公園みたいなものがある。写真を1〜2枚撮ったら満足、という感じ。
有名な鍋料理のお店(「太郎」という鍋屋。冬場はメニューが1種類、寄せ鍋しかない)と、我々が泊まろうかどうか悩んだ「木津屋」という風情のある店構えの旅館がある程度。…そんなところだった。
さて、迷路のような市内をうろうろ徘徊してから、本日宿泊予定の「新保(しんぼ)屋」へ。ここは割烹旅館ということで、外観を気にしてはいけないところらしい。
…と、ノブに言われていたとはいえ、やはり毎度の事ながらちょっとびっくり。店構えは、ちょっと間口の大きめな普通の1軒屋。脇に小さな電光掲示板があるくらい。
部屋の中は、昭和40年代に作られたラブホテルのような感じ(行ったことないけど。ふふふ)。もっと安っぽい旅館だってもう少しましな造りをしている気がするんだけど…。ただ、部屋はまぁまぁ広いけどね。
仲居さんと世間話をする。
ノブ「今ってシーズンオフなんですか?」
仲居「ご予約のお客さんはあまりいないんですけどね。ほら、卒業シーズンでしょ?ゔふふふふ。」
…なんだ、そりゃ??
仲居「行きずりのお客さんが来るんですよぉ…。」(←意味深な笑顔を浮かべたまま)
ノブと仲居さんと、いへへへ、と、スケベオヤジ張りの笑いをする3人。
…ったくもぉ。しょうがないねぇぇ。
とにかく、荷物を置いてから、近江市場をのぞきに行く→。
☆ 00年2月 金沢旅日記目次
1 大丈夫か?ほくほく線 2 ごりや 3 難読の風情
4 まいどさん活躍 5 新保屋の夜 6 お持ち帰りとお詫びと猫
7 小京都を考える EXIT!