大丈夫か?ほくほく線

 2月20日4:15。目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
 …いつからだろう?旅行の前の眠りが浅くなったのは。昔は眠るのが大好きだったから(…むろん、今も好きだけど)、いつでもどこでも爆睡出来たのに…。


 5:15。タクシーで東京駅まで行こうと(リッチだなぁ!)思っていたら、タクシーはみんな出払っちゃってて1台も捕まらなかった。…楽はいけないということ?!仕方なく電車に飛び乗る。
 朝の小田急線は、思ったより混んでいた。
 …特に下り。朝帰りの人たちがぐったりしながらシートに張り付いているのが、反対ホームからも見て取れる。
 上りも思ったより人がいる。下り線と違うところは、乗客の表情が心持ち明るいこと。…そして、酒臭くないことかな(笑)。


 6:40東京発の新幹線、あさひ303号新潟行きに乗る。大宮を越えた辺りから爆睡。
 8:00過ぎ、アナウンスで起こされる。窓の外は一面の雪景色。おぉぉ。
 8:09、越後湯沢駅で降りる。今回の目的の1つに、第3セクター(私鉄のようなもの)の「ほくほく線」に乗る、というのがあるので、ここで乗り換えるのだ。


 外へ出る。当然寒い。
 プラットフォームの屋根には、マシュマロのようなもったりと泡立てた生クリームみたいな雪が堆く積もっている。雪国である。もう、東京にはいないのである。…便利な世の中だなぁ。
 
  
 さて「ほくほく線」。
 この電車は、越後湯沢〜金沢(もっとも「ほくほく線」は直江津(なおえつ)まで。そこから先は「北陸本線」と名を変える)の交通手段の1つである。所要時間2時間27分。見た目はお世辞にもかっこいいとは言い難いシロモノ。ごらんの通り、むっくりしている。…しかし、中はとても綺麗。それもそのはず。開通してまだ3年半しか経っていないのだ。

 何で、この電車にわざわざ乗ったか、といえば「北陸新幹線が開通したら、あっという間に需要が減って廃線になるだろう」と、勝手に踏んだからである。
 情けない(?)ことにこの電車、自前の車両を殆ど持っていない(1両編成の普通列車を数台所有してはいるらしい)。運行列車の殆どはJRの車両である。つまり、乗客からお金を巻き上げるのではなく、JRから通行料を取ることで生計を立てているのだ。


 まぁ、何というか、テツ(鉄道マニアのこと)のノブに付き合った形ですね。私自身はでんしゃにまったく興味がないので。
 それにしても、この乗客のいなさ加減はすごいね。半分も埋まってないよ。これは完全に赤字でしょ。…他人事ながら非常に心配。

 電車に乗り込んだら、ノブ(←あんこマニア)あんこ切れを起こして、のたうち回っている。どうやら越後湯沢の駅で新潟名物の「笹団子(あん入りのよもぎ餅を笹にくるんだもの。蒸かし直して暖かい状態で食べる)」を買って食べようと思っていたのに、売っていなくてヒステリーを起こしているらしい。…うるさいなぁ。

 電車が動き始めて、車内に販売のお姉さんが回ってきた時の、ノブの眼光の鋭いこと!
 笹団子を発見して、早速1箱(10個入り)購入。暖め直さずにむっちゃむっちゃいいながら(かなり)嬉しそうにほおばっている。朝ご飯、ちゃんと食べさせたのになぁぁ…。すごく貧乏なウチの子どもみたいで、一緒にいて少し恥ずかしい。
 おぃおぃ、お昼は鮴(ごり、と読む。金沢では鮴を使った加賀料理が有名)が待っているんだよ、分かっているのかねぇ、この人は…。結局3つも食べちゃってるよ。おいおい。(^ ^;)

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☆ 00年2月 金沢旅日記目次
1 大丈夫か?ほくほく線  2 ごりや     3 難読の風情
4 まいどさん活躍     5 新保屋の夜   6 お持ち帰りとお詫びと猫
7 小京都を考える