おばあちゃん

 ごはんを食べ終わってから、おばあちゃんのウチでお茶。
 今さっきごはん食べてきたばっかりだから、お腹いっぱいで水の一滴も入らないのだが、足を踏み入れた瞬間にご馳走責め。…も、もぉ入りません(*_*;)。

 ブドウ、おばあちゃんが育てたトマト、キュウリの梅ジュース漬け、煮物(写真。白滝、たづくり、干し大根、ぜんまい、いんげん、ひょうが入っている。「ひょう」は、何だかよく分からない。庭にすぅっと生えている植物の茎だということだが…)。

 あぁ、ウマイ…。胃袋に反して箸が進んでしまっている自分が怖い。


 涙ながらに黙々と食べる私に、おばあちゃんが話しかける。

 「○×△※☆♂♀」…だめだ。さっぱり分からん。
 実は私、山形弁がさっぱり分からない。さっきの鴨川屋での会話も、時々みんなが笑っていることについていけず、黙々とごはんを食べていた。
 そんな私を見てパンダ(ノブの父のあだ名)は英語で通訳をしてくれた。…何なんだか。

 この時のおばあちゃんは「干し物は時間ががっから、こういうババのいっどごでねぇとしゃねだぁ。あんだら忙しぇがら、めぇことか作らんにぇごでぇ、こいつも昨日っがらオレがじだらんばだらんしてこせぇてけたんだ。さ、喰え。」と、言ったらしいが、理解できたのは半分だけ(むちゃくちゃ早口なので、ヒアリングが出来ない)。

 ノブ曰く「煮付けは時間がかかるから、こういうおばあさんのいるところじゃないと食べられないわよ。あなた達は忙しくて、美恵も作れないんだよね。これも、昨日から私が大急ぎで一生懸命作ったのよ。さぁ、食べなさい。」…だってさ(意訳)。

 写真は集合写真。前列中央がおばあちゃんのノエさん。
干し物=乾物の入った煮物
☆しゃねだぁ=不可能だ
☆めぇ=美恵子、母のこと。山形では、大事な物・かわいらしい物に「こ(子)」と付ける風習がある。だから、お母さんも「美恵」という名前なのだが「子」を付けて「美恵子」と、呼ばれている。父も「みえこぉ〜ぃ」と、よく呼びつけている。赤子のことは「子っこ」という。
オレ=私。決して言葉遣いが悪いわけではなく、こちらでは女の人も自分のことを「オレ」という。
☆じだらんばだらん=じたばたする。一生懸命にやる。

 以上、方言講座でした(笑)。

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