5 四万十川へ

 高知市内に着いたのは14:30。ノブ、目の色が変わって理性を失いかけるくらい究極にお腹が減ってしまっているらしい。
 市内に着いてすぐにその辺の居酒屋に飛び込んで、ごはん。

 高知に来たからには鰹のたたきを食べなきゃね、ということで、鰹のたたきと鯨の刺身の付いている定食を頼む。…美味しい。こちらの鰹のたたきは、まるでサラダの様である。

 たっぷりの玉ねぎスライス(…どんなへんぴなところで食べても辛いことはない。甘味があって、歯応えのしゃきしゃきしたものが出てくる。臭みも全くない)と、生ニンニクのスライス、みょうが、シソ、刻みネギを鰹と共に食べる(一般的に、生姜は入れないものらしい)。香味野菜と、鰹の割合が1:1くらい。
 ふぃ〜。お腹いっぱい。


 ごはんの後は、食後の散策。

 高知市内には、未だに路面電車が走っている。テツ(鉄道オタク)のノブは、血が騒いでしまっているらしい。
 私たちが今居るところから、1駅分歩いて「高知駅」へ。

 そこから1駅分電車に乗って、元居た駐車場の近くに戻る。
 ほんとに電車も、車と同じ交通ルールを守りつつ走っている。教習本の通り、安全地帯のマークが停留所のところに掲げられていて、感動。…しかし「安全地帯」というよりは「川の中の中州」という感じ。いつ、何が起こるか分からないな的な恐さがある停留所である。

 「うぇはっはぁ〜い。」…ノブの奴、何だかよく分からん奇声を上げて喜んでいる。
 はいはい、よかったね。

 この高知の市電、世界中の路面電車の古くなった車両を払い下げてもらい、メンテナンスして再び高知市内を走り回っている。従って、よく見ていると、色んな形の電車が走っていて面白い(一応、観光名所にもなっている)。


 さて、ノブが満足したところで一路梼原(ゆすはら)へ。

 檮原の道の駅に着いたのは、20:00頃だった。
 ここにはホテルもあって(今日は多分満室)、空いていれば泊まることも出来る。

 ホテルは「雲の上のホテル」という。1994年に出来たばかりの結構綺麗なホテルだった。
 そこで夕ご飯を食べ、それから寝た、と。


 今朝(4日)は、ノブに「アメゴ(山女の亜種。アマゴの方言。アマゴは本州の酒匂川以西の太平洋岸と四国にしか住んでいない)7匹釣ってきたぞ。それ焼いて朝飯。ほら、手伝え!」…と、8:30に起こされた。ノブはその前に起きて釣りをしていたらしい。

 普段は寝起きがものすごく悪いくせに、釣りの時だけはちゃんと夜明け前に起きる。
 やれやれ。

 結論から言って、今日のあめごは美味しかった。
 臭みが無く(釣りたてなので)、脂がのっていてコクがある。塩加減、焼き加減(当然炭火焼きである)もいいんじゃないですか。うむうむ。


 食べ終えてから、道の駅に併設されている温泉「雲の上の温泉」に行く。
 入浴料は500円。すごく綺麗。

 泉質はナトリウム・塩化物−炭酸水素塩低温泉。
 湯船は7つ。湯船大・小、寝湯、気泡風呂、打たせ湯、水風呂、露天風呂。サウナもある。
 アメニティーは、リンス・イン・シャンプー、ボディーソープ、石鹸、歯ブラシ、タオル小。

 露天がすごく気持ちいい!空が広くて、清々しい。
 景色はあまり見えない(外から見えないように曇りガラスで仕切られている)けど、すかぁ〜っっと抜けた青空を見ながらの入浴は最高!

 夜、是非入りに来たい(9月までは10:00〜22:00まで営業)ところである。なぜなら、この辺りはすごく星が綺麗なのだ。「降るような星」が、本当に見られる。

 コストパフォーマンスからいって、○〜◎の間くらい。かなりいい。

 ホテルもセット(エントランスは綺麗だが、客室も綺麗かは分からない)で泊まりつつ利用してみたいなぁ…。


 さて。梼原を後にして、宇和島へ向かう。
 宇和島は、観光的にはあまり見るものはない。そこに向かった目的は、ズバリ昼ご飯を食べるため。

 着いてすぐに、宇和島市錦町8−1 にある「かどや」へ。
 ここで色々、宇和島の名物料理を頂く。

フクメン
☆じゃこ天→じゃこで作った薩摩揚げ。かなり魚の味がしっかりする。
☆湯ざらし→鮫の湯引き。カラシ酢味噌で頂く。鮫の身は、茹ですぎた豚肉のような食感。皮はゼラチン質だっぷり、という感じでにちゃにちゃした歯応え。
☆「ゾエ」の刺身→青魚なのに、濃厚な白身魚のような味と歯応え。
薩摩
鯛めし

 …どれも美味しいのだが、味はきつめ。

 何でも、昔、東北の武将が治めていたことがある(江戸時代に伊達政宗の息子とその子孫が治めていた。だから、文化的にも東北に似通ったところがあるのだとか)そうで、その名残で塩分が多めの味付けなのだそうだ。

 …ごちそうさま。


 さて。少し歩いて「田中蒲鉾本店」(中央町1−6−15)へ。
 ここで、じゃこ天をお土産用に買う。それと、その場で食べるように「手押し じゃこ天」を(100円)買う。

 あつあつを串に刺して出してくれる。
 辺りにぷぅぅ〜んと立ちこめる、じゃこ天の香ばしい香り!

 おいしいっ!さっきのお店で食べたものより、数段美味しい。
 むちむちした中に、魚を丸のまんますりつぶしたものの名残の、少しざらざらした食感。じゃこの濃いぃ味が口の中に広がる。

 是非出来たてを食べていただきたいです(それ以外ほんとに何もない所だけど)。


 その後19:00くらいまではノブの釣りタイム。
 今はその最中に打っているわけです。ぱたぱた。

 この後は中村(四国の小京都と呼ばれている所)に行って、夕ご飯を食べる予定。

 しかしまぁ、四国というのは谷の多い地域である。
 崖っぺりを運転しながら、ノブはハンドルにしがみついている(そんな事しても無駄だってば。落ちるときは車ごと、だよ、おいおい)。

 時々不意に谷底に目がいってしまった時とか、私が「うっわぁ〜、きれぇぇ〜」とか言いながら両手を挙げたりすると、「ひぃぃ〜」とか、2オクターブくらい高い声を上げている。

 高所恐怖症の人には、つらい土地らしい…。


 ともあれ、無事に中村着。
 着いてから、「しばてん」(中村市弥生町74−1)でごはん。
 四万十川の川の幸を頂く。

☆青さ海苔の天ぷら…採ってそのままのものではなく、固形の苔のように加工したものを揚げていて、海苔の香りが全くせず、美味しくなかった。
☆ゴリのたたき…体長3cmのゴリを揚げて、ポン酢で食べる。付け合わせは鰹のたたきと同じくさらし玉ねぎ、スライス生ニンニク、大葉、刻みネギ。ゴリのほろ苦さが美味しい。
☆川海老の天ぷら…玉ねぎと一緒にかき揚げになっている。うまぁっ。
☆うざく…四万十川は鰻処ですからね。タレが甘酸っぱしょっぱくて、絶妙。イケる。
司牡丹(純米吟醸)…冷やすと多少きりっとするが、それでも少々甘めの酒。

 …そんな感じで。「しばてん」は、二流以下の味と見た。

 それはさておき、中村は小京都と聞いていたので、京料理っぽいものが食べられるかと思いきや、川の幸を活かした料理に終始しており、手の込んだ和食はないらしい。

 食べるだけ食べてから、またもビバーク。
 明日は四万十川見物である。

 ではでは、おやすみなさぁい。

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